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「すでに救急車の受け入れが不可能に」感染爆発がこのまま続けば… 尾身会長が語ったこと

感染拡大を食い止めるために、より強い対策を講じることはあり得るのか?

新型コロナウイルスの感染拡大が過去最悪の勢いとなるなか、政府は7月30日、東京都と沖縄県に加え、埼玉・千葉・神奈川の3県と大阪府に緊急事態宣言を出すと発表した。

期間は8月2日から31日まで。北海道、石川、兵庫、京都、福岡の各道府県には「まん延防止等重点措置」が適用される。

感染拡大を食い止めるために、より強い対策を講じることは検討されているのか?

西村康稔・新型コロナ担当相、尾身茂会長の会見をまとめた。

「今回が最後の我慢となるように…」

Yuto Chiba / BuzzFeed

「40代、50代の入院が急激に増え、重症化している人もいる。これ以上、感染者が増えると、適切なタイミングで適切な医療が受けられなくなる。救える命を救えなくなる。そのような危機感から、(宣言や重点措置の対象地域拡大を)判断させていただきました」

西村担当相は、宣言と重点措置の対象地域を拡大した背景を、こう説明した。

西村氏は加えて、「挿管、ECMOを重症化の定義と東京都はしていますが、その数だけではわからない」「中等症に分類されますが、厳しい患者さんが増えている状況であります」と述べた。

ここで言う「中等症」の患者とは人工呼吸器やECMOを装着していないが、高濃度の酸素を吸引する「ネーザールハイフロー」をはじめとする入院治療を必要とする人のことを指す。

重症者以外でも病床逼迫につながる要因があるということだ。

西村氏はまた、ある地方で、都市部から帰省した人らが久々の会合に参加したところ、大規模なクラスターが発生した事例が確認されていると報告。次のように語った。

「今回が最後の我慢となるように、私ども全力をあげて取組んで参ります」

「若い方々などの間で、久しぶりに集まるという計画があるかもしれません。どうしても行かなくてはいけない場合には、時期をづらし、小規模分散で、また事前に検査を受けていただくことをお願いできればと思います」

「救急車の搬送がたらい回しになるということが起き始めています」

Yuto Chiba / BuzzFeed

「一体、我々の目標は何か。何のためにやっているのか。それは普通の医療に影響が出て、救える命が救えなくなるという状況を回避することです」

尾身茂会長は新型コロナ対策のゴールを改めて強調した。

「医療の逼迫と呼ばれるものが起きると、実際には一般医療へ影響が出る。すでに今は救急車の搬送がたらい回しになるということが起き始めています」

熱中症で治療が必要な場合にも、怪我で救急医療を必要とする場合にも、医療提供体制が逼迫してしまえば、誰もが等しく影響を受けうる。

ワクチン接種によって高齢者の重症者は大幅に減少している。しかし、このまま40代〜50代の感染者数が増え続ければ一定確率で重症化することは間違いない。

また、重症化の一歩手前の中等症も入院治療を必要とすることから、医療提供体制への負荷も危惧されている。

尾身会長は、とにかく医療が逼迫する状況を避けるということが、「これからの対策の柱」であると説明。

中等症の患者を含め、医療の現場をより正確に把握するために指標を追加し、モニタリングする見通しを示した。

全国への宣言拡大、必要ならば「間髪入れずにやる」

Yuto Chiba / BuzzFeed

首相の会見、そしてこの西村氏と尾身会長の会見でも、現在のものより強力な対策が打ち出されることはなかった。

報道陣から、この点についての質問が出た。

西村氏は、6月以降ずっと増えていた東京都の人流が7月20日を境に減少傾向に転じたとし、「20日以降の人流減少の効果が出てくるかどうか」を注視する姿勢を示した。

尾身会長は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すべきかどうかについて、「大臣と一緒に議論をしました」と話し、感染状況の悪化が著しい場合には「当然そういうことも間髪入れずにやる」と語る。

今回の基本的対処方針分科会では、専門家からロックダウンなどのより強い対策を実行するための法制度を進めるべきとの意見が出たとも報じられている。

この点については、西村氏は「諸外国の例を見ても、民主的な国家でも様々な法制度で厳しい措置を講じている」としつつ、「(諸外国の制度に関する)研究はじめ不断の検討を行っていきたい」と述べるにとどめた。

Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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