• covid19jp badge
  • medicaljp badge
Updated on 2020年9月24日. Posted on 2020年8月24日

公表された情報でプライバシー侵害の可能性も。 コロナ感染者への偏見、差別の問題解決へワーキンググループが発足

新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会は偏見・差別に関するワーキンググループを設置することを発表。弁護士、研究者、知事などがメンバーに加わり、議論が始まる。

新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会は8月24日、第7回目となる会合を開き、会見で偏見・差別に関するワーキンググループを設置することを発表した。

分科会の尾身茂会長は「偏見と差別ということが、このところ大きな社会的問題になっていている」とした上で、「信頼の連鎖が必要になってくる」とコメント。

そのための議論が、ワーキンググループで省庁の壁を超えて行われる。

弁護士、研究者、知事などがメンバーに

The PAGE

新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会の下に設置される「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」。

構成員は8名で、座長は新型コロナ分科会のメンバーでもある中山ひとみ弁護士が務める。副座長は同じく分科会メンバーで、東京大学で医療社会学などの研究を行う武藤香織教授だ。

厚労省クラスター対策班で中心的役割を担う東北大学の押谷仁教授、法律の専門家として慶應大学の山本龍彦教授、偏見や差別の問題に声を上げた三重県の鈴木英敬知事などがメンバーに加わった。

副座長を務める武藤教授はBuzzFeed Newsの取材に対し、以下のようにコメントしていた

「感染症の場合は社会全体で収束に向けて努力する必要があるために、積極的な公表が求められているとはいえ、個人情報とプライバシーを守ることが前提となっています。しかし、今は通常であれば公表されないような情報まで暴露されている。これを当たり前だと思ってはいけません」

「これまでの数ヶ月は不安や恐怖のあまり、自治体に過剰な情報公開を求めてきた人もいたかもしれません。でも、少しずつ新型コロナ以前のあり方へと戻していきましょうよ。このままでは、社会経済活動の再開にも支障を来たしかねないと危惧します」

「必要以上の恐怖感を広げないためにも、『公表基準通りの情報を公表すれば十分です』、『報道機関もたとえ公表されていたとしても、個人に容易に到達してしまうような情報を報じる必要はありません』という合意が得られないでしょうか。ワーキンググループで問いかけてみたいです」

現場の苦悩に応える取り組みへ

時事通信

記者会見で新型コロナウイルス感染症対策分科会の報告をする平井伸治鳥取県知事

8月7日の分科会後の会見では、分科会メンバーの鳥取県・平井伸治知事が以下のように語り、感染者が確認される中で各都道府県知事が抱える苦悩を明かした

「現場で今、困っているのは人権の問題です。私たちが戦わなければならないのは、ウイルス、病気であって人間ではありません。しかし、メディアの報道などもあり、様々な恐怖心、不安感が国民の間で強まっているのも事実です。それを反映するかのように、患者の素性を詮索するとか、心ない言葉がネットなどで踊るとか、これが社会復帰や平穏な暮らしにマイナスになっています」

「私たちは命も健康も守らなければなりませんし、穏やかな暮らしも守らなければなりません」

時事通信

こうした問題を担当大臣はどのように捉えているのか。西村康稔経済再生相はこの問題の深刻さを、会見で強調している。

「感染者、濃厚接触者、医療従事者、そしてその家族に対する偏見差別。感染リスクが高いと考えられる事業者への心ない攻撃などが問題となっておりますし、感染者の情報公開の仕方としては、まん延防止に資する範囲を超えて個人のプライバシーの侵害に当たる可能性も指摘されております。こうした問題は、いわゆる積極的疫学調査にも抑制的効果を生じかねない課題でもあります」

また、西村大臣は全国知事会でも議論がなされ、岩手県ではネット上の書き込みの画像が保存されていることについても言及し、知事会と「連携しながら取り組んでいければ」とコメントした。

「誰もがかかりうる、感染するリスクがあるウイルスであります。症状がない方もおられるわけですので、そうしたことを含めてウイルスに関する認識を広く理解をしてもらうこと、啓蒙活動含めて対応を考えていきたいと思います」

Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here