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「ワクチンを接種すると、安心だと思われるかもしれませんが…」尾身会長から、ワクチン接種を終えた人々に7つのお願い

分科会は国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、「マスクを着用すること」や「大人数の飲み会を控えること」を求めている。

新型コロナウイルス感染症対策分科会は6月16日、多くの国民がワクチン接種を終えるまでに取り組むべきポイントやワクチン接種後の行動様式などについて提言を取りまとめた。

自分自身のワクチン接種を終えたとしても、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、「マスクを着用すること」や「大人数の飲み会を控えること」を求めている。

ワクチン接種後もマスク着用を

分科会は変異ウイルスの場合、同じウイルス量であっても感染しやすくなることや、感染者から排出されるウイルス量がより多いといったために、「3密」の条件に1つでも当てはまる場面やマスクを不適切な方法で着用していた場合に感染リスクが上がると指摘。

「変異株が出現した今、求められる行動様式に関する提言」と題し、7つのポイントを示した。

(1)マスクを鼻にフィットさせたしっかりとした着用を徹底すること。(感染リスクの高い場面では不織布マスクを着用。3密のいずれも避けること、特に人と人との距離に気を付ける)

(2)マスクをしっかりと着用していても、室内でおしゃべりをする時間は可能な限り短くし、大声を避けること。

(3)今まで以上に換気には留意すること。

(4)出来る限り、テレワークを行うこと。職場においても、(1)〜(3)を徹底すること。

(5)体調不良時には出勤、登校をせず、必要な場合には近医を受診すること。

(6)ワクチン接種後にも、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、マスクを着用すること。

(7)ワクチン接種後にも、国民の多くがワクチン接種を終えるまでは、大人数の飲み会は控えること。

分科会の尾身茂会長は次のように強調した。

「ワクチンを接種すると、何でもいい、安心だと思われるかもしれませんが、接種後も国民の多くが終えるまでは、もうしばらくマスクを着用したり、大人数の飲み会は避ける。もうしばらく、ご自分はうったかもしれないけど、全部ガードを下げていいわけではないので、もうしばらく努力しましょうということです」

マスク着用や大人数の宴会自粛はいつまで?

「国民の多くがワクチン接種を終えるまでは」という条件が提示されているが、これはどの程度の人々が接種を終えた状態を想定しているのだろうか?

尾身会長は具体的な数字はわからないとした上で、次のように説明する。

「(接種が進めば)一定程度のプロテクション(ウイルスからの防御)が、個人のレベルでは与えられます。ただし、そうなっても地域で小さいクラスターは起きる。集団免疫という言葉を聞いたときに、一般の方は感染が制御され、感染者がゼロに近くなるということをイメージされるかもしれません。でも、そう簡単にはいきません」

「個人のレベルで重症化しなくなるということはあると思います。でも、厳密には誰も言えない。前に比べれば違うレベルに入ると思います。高齢者がうてば重症化予防が期待できる。今後、青壮年層やリスクの高い人々がうち終えれば、一般の人々の感じ方が違ってくると思います」