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「五輪とは関係ないですね?」専門家が政府に念押し。イベントの観客上限めぐる議論、尾身会長が語ったこと

分科会の尾身茂会長は会見で、今回了承したイベント開催制限等のあり方は五輪とは関係のないものであることを強調する。「五輪の議論をしているわけではないですよ、としっかり申し上げた」と語る理由とは。

新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会は29回目(令和3年度4回目)となる会合を開き、提言をまとめた。

政府はこの日、今後のイベント開催制限等のあり方についても分科会に諮問。

分科会はこの基準は五輪とは関係ないことを確認の上で、まん延防止等重点措置が解除された地域では経過措置として1ヶ月程度、観客の上限を1万人とすることを了承した。

「五輪とは関係ないですね?」と政府に確認

分科会の尾身茂会長は分科会後の会見で、今回了承したイベント開催制限等のあり方は五輪とは関係のないものであることを強調した。

「五輪に関してはコメントが委員からも出たので、『五輪とは関係ないですね?』と政府に確認して、五輪関連の話ではないと。そういうことで了承しますということになりました」

「五輪の議論をしているわけではないですよ、としっかり申し上げた。こういうことです」

今回、分科会が了承した上限1万人という観客の上限は、緊急事態宣言の解除後すぐに適用される基準ではない。

緊急事態宣言が解除され、さらにまん延防止等重点措置が解除された地域で、解除後1ヶ月程度適用されることを想定したものだ。

その狙いを尾身会長は次のように説明する。

「今回の政府の提案は重点措置が解除された地域に限ったものです。現行は(重点措置解除後のイベント開催上限については)記載がありません。そのため、解除を緩やかにするために中間の段階を置くという話です。この大事な時期に緩和をするのか?と思われるかもしれませんが、そうではない」

五輪は無観客にすべき?専門家の見解は?

政府案を了承した際、分科会の委員から五輪とは関係ないことを確認したということは、五輪はさらに厳しい基準で開催すべきだというのが専門家の見解なのだろうか?

この点について、報道陣からは「この基準を五輪に当てはめるとなると、どう考えるか」「五輪とは分けて理解ということは、五輪ではもう少し厳しくすべきとの考えか」といった質問が相次いだ。

尾身会長は、こうした質問に次のように回答している。

「1万人という基準を当てはめると、どう思うか。それについては、私は国会という国の最高意思決定機関で6月20日までに我々の意見を発表しますとお伝えしました。今は最後の詰めにきている。もうそんなに(20日まで)日にちはない。大きな方向では、意見がだいたいまとまって、あとは正式にお示しする調整をしている段階です」

「五輪では厳しくするかどうか、それについては近日中に意見をまとめて出す。そこで、意見を申し上げたいと思います」

「五輪は無観客で開催すべきと考えているのか?」と問われると、「こういうことを含めて、近日中に考えをまとめます」と述べるにとどめた。

尾身会長は今回の決定について、「分科会としては、重点措置云々については、そうだ(解除後は上限を1万人とする)ということを決めた。それ以上でも、それ以下でもない」としている。