買われたクチコミ。Googleマップ、Amazon、楽天で横行か。 温床になっていたのは…

    クラウドソーシングサイトで、金銭と引き換えにGoogleマップ、Amazon、楽天市場などに高評価な口コミを投稿するという案件が並んでいる。

    Amazonや楽天市場、Googleマップなどで、「サクラ」として商品や飲食店などに高評価な口コミを書き込む行為が、クラウドソーシングサイトで売買されている。

    ネットで商品を購入したりGoogleマップで食事の場所を選んだりする際、多くの人々は、ユーザーのレーティングとコメントを参考にしている。意図的に高い評価のコメントを書いて謝礼を受け取ることは、こうしたサービスへの信頼を根底から崩しかねず、GoogleやAmazonなど各社は、こうした行為を禁止している。

    クラウドソーシングサイト側は、BuzzFeed Newsの取材に、こうした口コミの売買を巡る書き込みの存在を認め、「規約違反」として見つけ次第ユーザーに連絡を入れているという。また、Amazonも自社サイト内のクチコミの調査に乗り出していることを明かした。

    クチコミの売買、その実態は?

    ココナラ

    対価を伴う口コミ投稿の売り込みや買い付けが相次いでいるのは、クラウドソーシングサイト「ココナラ」。

    「口コミ(クチコミ)」と「Google」「Amazon」「楽天」のキーワードでそれぞれ調べると、口コミの売買案件が多くヒットした。こうした案件は「クチコミ」と調べただけでも、「おすすめ順」の上位に表示されていた。

    あるユーザーの1人は1月10日の段階で「Lv5の私達がGoogle 口コミ致します」と投稿。Googleマップに表示される飲食店を好意的なコメントをつけ、高くレーティングする仕事を1件1000円で請け負っていた。

    評価・感想の欄には依頼者と思われる人々の「大変助かりました!また宜しくお願い致します」「また機会があれば、どうぞお願い申し上げます」といったコメントが寄せられていた。このユーザーの「販売実績」は6件だった。

    仕事内容の詳細欄では「レビュー時にはGoogleマップに登録されている内容やWebサイトなどをチェックしてレビューを行います」と説明。実際に体験した上での口コミではないことが読み取れる。

    また「飲食、医療関係、美容関係、宿泊施設、観光、異なるスマホで別人物なので、ペナルティを受ける可能性は低いと考えています。ローカルガイドレベル5の2人です」としており、複数のアカウントを別々のスマホで管理し、口コミを投稿していることもうかがえる。

    「女性目線・子供目線でもレビュー可能です」

    ココナラ

    1月10日段階での「クチコミ」という検索キーワードの結果

    口コミを書き込む仕事では、Googleマップ(主に飲食店)のほか、Amazonや楽天市場での商品レビューが目立つ。

    1月16日の段階で「AMAZONの商品を使用した口コミ・レビューします」と投稿しているあるユーザーは「商品であれば実際に使用してから投稿します」としている。

    だが、「私自身はアラフォーの男ですが近くに女性も子供もおりますので女性目線・子供目線でもレビュー可能です」とも書いていることから、女性や子どもになりすましてレビューを投稿していることがわかる。

    このユーザーは1つのレビューを1000円で請け負い、投稿していた。

    販売実績は40件。評価欄では「年末年始にもかかわらず迅速に対応していただきました!またお願いするときは宜しくお願いします」「丁寧なやりとりでした」といったコメントが記入されていた。

    ココナラ「一部該当のサービスが出てしまっているのも事実だと思われます」

    ココナラ

    ココナラの広報担当者はBuzzFeed Newsに「一部該当のサービスが出てしまっているのも事実だと思われます」と口コミの売買が行われていることを認めた。

    ココナラでは口コミの売買は規約で禁止しているといい、「出品者の方と個別のコミュニケーションでも明確に禁止して出品取り下げの依頼をしております。また月1回の全体に行うメール配信およびプッシュ通知でも積極的に周知しています」と説明した。

    こうしたサービスの出品を取り締まるため、専門チームを設置して、全件の有人監視を365日実施しているという。

    「ただし、システム上および運営上、出品がされた後のチェックのため、出品と運営のチェックにタイムラグが生じて、規約違反でありながら表に出てしまうサービスもあります。現在はタイムラグを短くできるように検討しています」という。

    今後の対応については、以下のように方針を示した。

    「今後も他社のガイドラインを確認しながら、随時サービスの健全化の基準に反映していく方針です。個人間取引における様々なサービスのルールづくりにおいて、今後も関係省庁に適宜連絡をして、情報共有しながら対応してまいります」

    クラウドソーシング他社の対応は

    クラウドワークス, ランサーズ

    他のクラウドソーシングサービスを提供する各社の場合は、どうなのか。

    「クラウドワークス」では、「ココナラ」と同様のキーワードで募集中の案件を検索したところ、売買案件はヒットしなかった。

    同社の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「口コミを作ることは規約で禁止している」と語る。

    クラウドワークスではAIの機械学習を活用して規約に違反すると思われる案件を掲載前に検出し、ユーザーサポートチームが人力で確認作業を行っていると明かした。

    「ランサーズ」でも同様に募集中の案件は見つからなかった。

    募集が終了した案件には、「某大手ネットショッピングサイトへの商品レビュー投稿(クチコミ作成)」といったものが存在するが、掲載取り止めになった案件もあり、対応の痕跡が確認できた。

    ランサーズの広報担当者は、「口コミの内容を指定するのはモラルに反するため、『依頼ガイドライン』に即して対応をさせていただいております」と回答した。

    「具体的には、ユーザーへのルールの啓蒙活動、時流に合わせたガイドラインの見直し、品質向上委員会の定期的な実施、違反ユーザーがいないかの監視等を行っております。プラットフォームでは、ユーザーからの違反申告もでき、違反した仕事が成立しないよう、社内外から監視できる体制としております」

    広報担当者は啓蒙活動として、ランサーズ上で「お知らせ」を定期的に発信し、こうしたガイドラインに違反する行為の防止に努めていると語った。

    こうした口コミはGoogleなどの規約に違反

    AFP=時事

    口コミの売買が行われている実態を、Googleなど各社はどう考えているのか。

    Googleは「マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー」で、「クチコミの謝礼としてお金を渡したり、受け取ったりしないでください」と明記し、クチコミ投稿の売買を禁止している。

    クラウドソーシングで売買が横行していることについて、Googleの広報担当者は「個別の案件についてはコメントをしておりません」とした上で、以下のように回答した。

    「ユーザーがレストランの開店時間や新しくオープンしたお店など、地域について知っている情報を Google の製品やサービスに提供することによって、包括的かつ最新の情報がGoogle マップに反映され、他のユーザーの役に立つことがほとんどです」

    「Google はポリシーを違反するクチコミやコンテンツの識別に常に取り組んでおり、削除などの対策をとっています。継続してGoogleのポリシーに違反するコンテンツを提供するユーザーからのGoogle マップへの情報提供を停止する処置もとっています」

    Amazonは書き込みを調査へ

    時事通信

    Amazonの広報担当者は口コミを売買することは「厳格に禁止されています」とコメント。

    ココナラで取引されている口コミはAmazonのコミュニティガイドラインの規約違反に当たるとの見解を示した。

    「Amazonの調査チームは、不正なレビューを削除し、不正を行う者をウェブサイトから排除します。調査員が実施した措置に関する情報を機械学習のテクノロジーに取り込むことで、機械学習のテクノロジーが常に改善され、不正をより効果的に検出できるようにしています」

    「昨年一年間で、1,300万件以上の不正なレビューの投稿を防止し、レビューを操作しようとする500万以上の不正なアカウントに対して、措置を講じました」

    そのうえで、Amazonの担当者はココナラで売買されている口コミについて、調査を進めていることを明かした。

    楽天は随時、改善を要請

    時事通信

    楽天市場の広報担当者は、「個別の事案については回答を控えさせていただきます」とした上で、商品レビューなどで不正投稿について確認された場合には、「店舗やユーザーへ随時改善要請等を実施している」と説明した。

    「このままではルールを守る方が損をする」

    今回、この問題をTwitterで指摘した戎井一憲さんはITを使った販促や集客に詳しい。


    BuzzFeed Newsの取材に、こう語る。

    「他社サービスのエコシステムを阻害する要因を放置すべきではない。ルールを守る方が損をする世界になるのはおかしい」

    coconalaがクチコミチートの温床というかプラットフォームになっているのか。 報酬を払ってクチコミを書いてもらうのはガイドラインに違反です。 お金ではなくて、一品サービスもいけません。 行ったこと無いお店のクチコミを書くのもNGです。

    Twitter

    そのうえで、「ココナラが規約で、こうした行為をほう助する作業請負を掲載しないと明確にうたうことを求めたい。そのような行為に気付いたら、積極的になくすように対応して欲しい」と語った。


    Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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