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停電が命とりになる子どもたちがいる。次の災害に備えるため、本の一部を無料公開

「教えて!ドクター」プロジェクトチームは製作中の本の一部を無料で公開。背景には台風で被災したある病院からの要望がありました。

子育てをする上で災害が起きる前に準備できること、そして災害が起きた時に気をつけてほしいことを伝える画像がTwitterで拡散されています。

千葉の停電に際し、亀田総合病院小児科さんから相談を受け、我々の出版する書籍の防災データを役立てられないか出版元のKADOKAWAさんと検討を重ねました。その結果ご厚意で防災の章(第4章)を無料で公開することを許可いただきました。画像データをシェア。KADOKAWAさんありがとうございます(続く)

インターネット上に公開された7枚の画像は、長野県佐久医師会の「教えてドクター!」プロジェクトチームが製作中の本の一部です。

「千葉の停電は解消しましたので、間に合いませんでしたが、災害大国ですし、必要な情報だろうとのことで、今回公開しました」

そう公開の背景を説明するのは、プロジェクトチーム責任者で佐久総合病院佐久医療センター小児科医長を務める坂本昌彦さんです。

関東を直撃し、甚大な被害を及ぼした台風15号。ライフラインが止まって5日が経過した9月14日、千葉県鴨川市にある亀田総合病院の小児科の先生方から「何か住民向けに教えて!ドクタープロジェクトが提供できる資料はないか」という問い合わせがあったと振り返ります。

「教えて!ドクター」プロジェクト

亀田総合病院も被災した病院の1つ。「教えて!ドクター」プロジェクトは今年7月に偶然、小児科でSNSを通じた医療啓発について講演をしていました。

「今回無料公開に至った背景には、亀田総合病院小児科の先生方が地域のニーズを感じ取り、アクションを起こしてくださったこと、そしてKADOKAWAさんの英断が大きいです」

災害が起きる前に準備できることがある

「教えて!ドクター」プロジェクト

今回公開されたのは災害が起きた後に気をつけるべきポイントだけではありません。災害が起きる前にも準備できることがあります。

「まず、自分たちの地域の避難所についてあらかじめ調べておくこと」が重要だと坂本先生は話します。指定避難所はどこか、把握しておくことでいざという時に慌てずに済むためです。

その上で携帯電話が通じなくなる可能性も知ってほしいとBuzzFeed Newsの取材に答えました。

「安否確認の方法をどうするかをあらかじめ複数の方法で決めておいてほしいです。災害時の待ち合わせ場所や待ち合わせ時間などを決めておくことをお勧めします」

電気が止まることで食べ物の保管も困難に

「教えて!ドクター」プロジェクト

暑さの厳しい季節に停電が発生したため、千葉では熱中症になるケースも。

暑さ対策としては例えば「風通しを良くし、段ボールなどの断熱材で熱を遮り、水に濡れたタオルを風上において冷風代わりにする」等といった工夫を積み上げることも大切だと坂本さんは話します。

「教えて!ドクター」プロジェクト

電気が止まることで食べ物の保管もより難しくなります。そうした環境下では感染性胃腸炎なども流行しやすいため、「加熱を心がけるなど注意が必要です」。

授乳中の子どもにとって液体ミルクは有用です。また、加熱の必要がないベビーフードも災害には重宝すると話しました。

少量の水でも清潔を保つことで皮膚炎やおむつかぶれを防ぐ

「教えて!ドクター」プロジェクト

「水が足りないことで、飲料水の問題とともに清潔の保ち方の問題が出てきます」

皮膚炎やおむつかぶれを防ぐため、公開された画像では少ない水で清潔を保つ方法が紹介されています。

<少量のお湯で皮膚をきれいにする方法>

・顔→手→胴体(胸/おなか)→背中→足→おしり周辺の順に拭く

・お湯で絞ったタオルで汚れを取った後、乾いたタオルで水分を取り除く

・石鹸は手で泡立て、石鹸成分が残らないように濡れタオルで何回か拭く

・タオルがなければティッシュペーパーで代用

医療的ケア児にとって停電は命の危機

「教えて!ドクター」プロジェクト

停電は人工呼吸器などを使っている患者さんたちにとって命の危機に直結します。そこで今回、「医療的ケア児の災害への備え」に特に力を入れたと坂本さんは強調しました。

いざというときのため、できるのはどのような準備なのでしょうか。

災害が起きる前に小型発電機などの電源を確保することや電気を使わない吸引機(手動/足踏み式)を準備することが可能です。

「家族や医療機関の連絡先、その人がかかっている病気の名前、お薬情報、薬剤の保管方法、緊急時に必要な配慮などを記録したヘルプカードをあらかじめ作っておくことはいざという時に役立ちます」

「教えて!ドクター」プロジェクト

今回、無料公開した画像が拡散され続けていることに「必要な情報だと感じて広めてくださっている方が多い」と感じると坂本さん。「情報を製作した責任を感じて改めて気を引き締めている」と話します。

「私たちも現場の皆さんのお役に少しでも立てれば本当に嬉しいと思っています。データを一部切り取ったり商用目的の使用などでなければ、印刷/配布もしていただいて構いません。少しでも必要な方に届けられればと願っています」

Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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