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ワクチン前提でなくても五輪?菅首相、野党の中止要求に

共産党の志位委員長は「何を根拠に夏の東京五輪が開催可能だというのですか?」と菅首相を問いただした。

新型コロナウイルスの感染拡大が広がるなか、本格的な論戦がはじまった国会で政府の対応などに関する追及が続いている。

1月21日には、衆議院で共産党の志位和夫委員長が代表質問。医療提供体制の拡充や検査体制の充実などを訴えつつ、今夏の開催が予定されている東京五輪について「中止すべき」と要求した。

「今年夏の五輪開催は中止し…」

菅首相は1月18日の施政方針演説で東京五輪について、「人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証として、また、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい」と改めて開催への意欲を示していた。

しかし、五輪開催をめぐっては厳しい見方も広がっている。ワクチンの接種は一部の国で始まったのみで、変異株の出現や流行の拡大などが続いているためだ。

NHKの世論調査(1月9〜11日に実施)では、東京五輪を今年「開催すべき」と答えた人が16%にとどまる一方、「中止すべき」「さらに延期すべき」と答えた人は合計77%に達している。

こうした世論調査の結果にも触れながら、共産党の志位委員長は「何を根拠に夏の東京五輪が開催可能だというのですか?」と菅首相を問いただした。

加えて、今夏の東京五輪開催には以下の3つの問題点があると指摘。

(1)集団免疫が年内に達成することはあり得ない

(2)練習環境やワクチン接種で途上国と先進国の格差が生じている

(3)熱中症対策にも多くの医療従事者が必要だが、コロナ対策もあり現実的でない

そのうえで「今年夏の開催は中止し、日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中するべき」「開催国政府として開催ありきでなく、ここで立ち止まってゼロベースから開催の是非を検討すべき」と訴えた。

開催できると考える根拠は示されず

これに対し、菅首相は以下のように答弁。コロナの克服、感染症対策を前提に準備を進めるとして、「中止」に言及することはなかった。

「まずは新型コロナウイルスの克服に全力をつくします。東京大会については、安全安心の大会を実現するため、IOCや各競技団体とも相談しながら感染対策の具体的内容を検討してまいります」

「バッハ会長とも東京五輪を必ず実現し、今後とも緊密に協力していくことで一致しており、引き続き東京都、大会組織委員会、IOCなどと緊密に連携して準備をしっかりと進めて参ります」

「アスリートを含めて、感染症対策をしっかりと行うことにより、ワクチンを前提としなくても安全安心な大会を開催できるよう準備を進めています。また、必要な医療体制については地域医療に支障を生じないよう、東京都と組織委員会等と連携しながら準備を進めてまいります」

今年の夏に開催できると考える根拠については、明示されることはなかった。

菅首相は20日にも、立憲民主党の枝野幸男代表から今夏の五輪開催ができない場合の「プランB」の提示を求められている。しかし、志位委員長への答弁と同様の内容を述べるのみで「プランB」に関する言及はなかった。


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