10万円の現金給付、誰が対象? 賃上げやGo To トラベルはどうなる? 岸田首相が会見で語ったこと

    非正規など経済的困窮世帯、厳しい経済状況にある学生、子育て世帯などへの給付も。岸田首相が語ったこととは。

    岸田文雄首相は11月10日、第101代首相に選出された。それを受け第二次岸田政権が発足、同日夜に岸田首相が記者会見を開いた。

    コロナ対策、経済対策などについて、岸田首相は何を語ったのか。

    3.5万人が入院可能な体制構築。ブースター接種、検査、治療薬も

    時事通信

    岸田首相は衆院選の結果について「岸田政権に舵取りを引き続き担うようにとの民意が示された」「接戦が相次いだ。自公政権への期待とともに、ご叱責もいただいた」と語った。

    その上で、「総裁選、組閣、総選挙と最大限のスピードで駆け抜けてきました。これからはこのスピード感を政策実行にそのまま発揮すべく全力を挙げてまいります」と語った。

    まず最初に説明したのは、コロナ対策の具体案だ。

    今週中にも新型コロナ対応の全体像を取りまとめるという。

    「今後、感染力が2倍になった場合にも対応できる医療体制を確保します。公的病院の専用病床化をはじめ新たな病床を確保し、病床使用率を8割以上とします。この夏に比べ3割増しの最大3.5万人以上の方が確実に入院できる体制を11月末までに作ります」「軽症者向けの宿泊療養施設についても、今年の夏と比べて2割増、1万室以上増やしてます。全ての自宅療養者に遅くとも陽性判明の翌日までには連絡を取り、健康観察や診療を実施できる体制を確保します。これらに加え、ワクチン・検査、飲める治療薬の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化します」

    3回目のワクチン接種(ブースター接種)は12月から始まる。基本的には2回目の接種完了から8ヶ月以上が経過したタイミングで希望するすべての18歳以上の人が接種を受けることができる。

    12歳未満の子どもへのワクチン接種についても、薬事承認がおりた後に開始するとした。

    検査については感染拡大中は無症状であっても無料で受けられるようにするという。

    治療薬は「年内実用化を目指す」。薬事承認がおりれば、速やかに60万回分を医療現場へ提供する。

    また、ワクチンまたは検査を活用することで社会経済活動の後押しをする「ワクチン・検査パッケージ」については、この取り組みを活用することで「感染が拡大した場合でも、行動時の安全安心を確保する」としている。

    これまでの新型コロナ対応について徹底的に検証し、「来年6月までに司令塔機能の強化も含めた感染症危機管理の抜本的強化策を取りまとめる」との方針も示した。

    非正規、学生、子育て世帯へ給付

    Charly Triballeau / AFP=時事

    コロナで傷んだ経済を支えるため、岸田首相は来週中にも1兆円規模の経済対策をまとめる方針だ。

    「年内のできるだけ早期に補正予算を成立させ、国民の皆さんに一刻も早くお届けする」とした。

    「総裁選の時から、非正規、女性、子育て世帯、学生をはじめコロナでお困りの皆様へ給付金をお届けすると申し上げてきました。この個人向け給付金について、本日、公明党の山口代表と基本的な方向性において合意をいたしました」

    ・非正規など経済的困窮世帯への、1世帯あたり10万円の現金給付

    ・コロナ禍で厳しい経済状況にある学生への、就学を継続するための10万円の緊急給付金を支給

    ・生活困窮者への、生活困窮者自立支援金の拡充など様々なメニューの用意

    ・年収960万円を超える子育て世帯以外への、18歳以下一人につき10万円相当の支援

    個人向けの給付については上記の取り組みを実施するという。

    「総選挙の時点から非正規、女性、子育て世帯、学生、コロナによって困っておられる方へ給付をお届けすると申し上げ続けてきました。そういった観点から、今回のこの経済対策の中に、まずは非正規など経済的にお困りの方に対して、1世帯あたり10万円の現金給付を入れたということです」

    「18歳以下に対する給付は、子育て世代に対する支援につながるものでもある。なぜ18歳までになるのかという声も聞いておりますが、支援策の中で大学生あるいは専門学生といった方々へ10万円を給付する。その全体像を丁寧に説明することによって、国民の皆さんに納得していただくような努力を続けていかなければならないと思っています」

    事業者向けの給付については、2020年の持続化給付金並みの支援を事業規模に応じて「11月から3月まで5ヶ月分まとめて一括で給付」する。

    雇用調整助成金については、感染が拡大している地域の事業者に対しての特例を3月まで延長するとした。ガソリンや灯油の価格高騰を踏まえ、農業・漁業などの関係業界への支援も実施する方針だ。

    「鍵は人への投資」

    時事通信

    岸田首相はかねてより「新しい資本主義」の実現を掲げている。

    経済を成長させるために、10兆円の大学ファンド創設をはじめとする科学技術立国のための投資を行う。経済安全保障やデジタル田園都市国家構想などにも力を入れるという。

    こうした先に実現させたいと語るのが「成長の果実の分配」だ。

    「官民をあげ、国民の給与を引き上げるための具体的アクションを起こします。給与を引き上げた企業を支援する賃上げ税制について控除率の大胆な引き上げを行うなど抜本的に強化し、賃上げを後押しします」

    「企業の成長と給料の引き上げを両立する鍵は人への投資」との方針に基づき、職業訓練や能力開発、正社員化などの処遇改善への支援も拡充するという。

    民間の賃上げに先立ち、まずは看護や介護、幼稚園などの現場で働く人々の給料引き上げを検討する。

    岸田内閣は成長と分配を巡る政策の実効性を、どう高めるつもりなのか。

    「従来の取り組みにひと工夫、ふた工夫を加えることによって、具体的な結果に結びつける。こうした努力が重要であると思っています」

    「賃上げについても、民間の皆さんにしっかりご努力いただくために税制を見直すということを申し上げました。従来からあったではないかという指摘がありますが、従来の賃上げ税制については人件費総額に視点を当てて評価し、控除を行う仕組みでした。それでは一人ひとりの賃上げにはつながらない」

    「人件費総額ではなくて、一人一人の平均給与の引き上げを評価し、さらに控除額を大きくするような形で賃上げ税制をバージョンアップすることで、より民間の協力を促すことができる。様々な補助金についても賃上げをひとつの条件にするとか、そういった形で従来にも増して協力を得る。公的価格、国が主導できる賃金について率先して引き上げることによって民間の努力を促します」

    Go To トラベル再開は…

    Go To トラベルの再開については、こう語った。

    「ワクチンそと検査を活用して、より安心安全な形の仕組みをしっかり考えていかなければいけない。新たな安心な制度を作っていくことが大事」

    「仕組みを抜本的に見直した上で、時期については専門家の皆さんの意見も聞きながら、感染状況をしっかり見極めて実施時期を決めていきたいと思っています」

    Go To トラベルをめぐっては、高級旅館など一部の事業者に需要が偏ったとの指摘や、平日に分散して活用を促す必要性なども指摘されている。こうした点を踏まえ、制度設計とタイミングの検討を進めるという。

    Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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