「二次被害が怖い」 被災から10日、ある自治体職員の本音

    BuzzFeed Newsは台風15号の被害を受けた千葉県富津市、鋸南町、館山市でニーズ調査を実施したジャパンプラットフォーム(JPF)に同行し、取材を行った。いま、現場で求められているものとは。

    台風15号により、今も多くの人々が家屋の倒壊や、長期化した停電などの被害からの復興に苦しむ千葉県南部。いま必要な支援は何か。

    BuzzFeed Newsは9月19日、千葉県富津市、鋸南町、館山市で被災者のニーズを調査したNPO法人ジャパンプラットフォーム(JPF)に同行し、取材した。

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    車の通行量も多い富津市内の様子。

    富津市内ではコンビニが営業を再開しており、車の通行量も多い。自動車教習所の車ともすれ違う。一見は、いたって普通の日常だ。

    被災者支援のため今、何が必要なのか。

    富津市秘書広報課長の鹿嶋和博さんは、「物資は足りている」とBuzzFeed Newsに語った。そして、「人手が不足している」と付け加えた。

    この地域での暮らしには、車が欠かせない。通行止のエリアもほぼ解消できているため孤立している地区はない、と鹿島さんは説明する。援護の必要な人を除けば、市民が自力で買い物に行くことができる状況だ。

    Kensuke Seya / BuzzFeed

    富津市総務課秘書広報課の鹿嶋課長。

    市内に約2000人いる要援護者の現状把握も、東京電力の支援を受けて、19日中にも完了する見込みだ。富津市では次のステップとして、損壊した屋根からの雨漏りを防ぐためにブルーシートを配っている。

    ブルーシートも「量は確保できた」と鹿嶋さんは語る。

    だが、雨漏りを防ぐため、屋根に上がってシートを張ったりする技術を持つ人が足りないという。

    「二次被害が怖い」自治体職員は語った。

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    富津市役所1階のロビーには被災状況の情報がまとめられたホワイトボードが掲示されていた。

    雨が降るとブルーシートを張るニーズは高まる。

    だが、ブルーシートを手に入れても、中途半端な張り方をすると、すぐに剥がれ、雨漏りなどを引き起こしてしまう。そのため適切にブルーシートを張ることのできる人材が、現場で必要だという。

    君津市では補修作業のために屋根に登っていた61歳の男性が転落して死亡した。こうした転落事故が相次いでいることもあり、「二次被害が怖い」と鹿嶋さんはBuzzFeed Newsの取材に語った。

    富津市では、ブルーシートを張る作業が、自衛隊、消防、NPO、そして専門的なスキルを持つボランティアたちによって進められている。

    災害時に出動することが多い自衛隊員といえども、普段からシートを張る作業に慣れているわけではなく、講習で適切な張り方を学んだ上で、現場に出動しているという。

    鋸南町のニーズの25%はブルーシートを張ってほしいという要望

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    鋸南町社会福祉協議会の増田光俊さん。慌ただしく、ボランティアセンター内を動き回る。

    隣町の鋸南町の社会福祉協議会の事務局長・増田光俊さんも「ボランティアセンターに寄せられるニーズの25%はブルーシートを張ってほしいという要望だ」と語る。

    被災した方の気持ちもよくわかるが、と前置きした上でニーズに対応しきれない実情がある、と語った。

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    鋸南町役場、入り口エリアにはボランティアに向けた情報や住民に向けた情報が掲示されている。

    鋸南町では、広島県の豪雨災害や熊本の震災などで損壊した家屋の屋根にブルーシートを張る活動を続けてきた専門的なボランティア団体もやってきて、活動を行なっている。

    しかし、ボランティアセンターに寄せられるニーズに対して、供給できる人員が圧倒的に不足しているという。

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    鋸南町の一角、災害ゴミが集められていた。

    足りないのはブルーシートを張る人員だけではない。

    災害ゴミの集積所は現在、広い町内に2箇所。必然的に車で運べない人は災害ゴミを搬出することも困難となっている。そうした状況を踏まえ、車で災害ゴミを搬出してくれるボランティアの存在も貴重だ。

    今回の台風被害に関するボランティアをいつまで受け入れるか、期限は未定だ。ニーズとマッチングの状況を見て判断すると増田さんは言う。

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    鋸南町市内、ブルーシートが張られた家屋。

    ブルーシートは仮設的な雨しのぎに過ぎない。「あくまで一時しのぎですよ」と増田さんはつぶやく。

    今週末、関東地方の天気予報は雨模様。雨が降ると、一部損壊した箇所から雨水が侵入し、その住居での生活をより困難にする。

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    JPFの柴田裕子さんは2〜3週間経過したタイミングで、仮設住宅や公営住宅への転居を求める人が現れるのでは、と予想する。

    被災者を取り巻く苦境はこれからも続く。支援が必要な状況は長期化する見通しだ。

    現在も15の市と町が災害ボランティアセンターを設置し、ボランティアを受け入れている。なお一部地域では千葉県内在住の方に限定して募集しているため、活動に参加する際には注意が必要だ。


    UPDATE

    ジャパンプラットフォーム・柴田裕子さんのお名前に誤りがありましたので、修正いたしました。