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腐ったレタスの中から、食べられる部分を探した。コロナ禍で困窮する子どもたちの深刻な実情

遺児家庭調査では36%の家庭が新型コロナの影響で「収入が減少した」と回答している。また、「退学を考えた」と回答した人は大学生の25%に上った。あしなが育英会は年内に全ての子どもへ一人あたり20万円を追加で給付する。

病気や災害、自死などで親を亡くした子どもや重度障害の子どもを支援する「あしなが育英会」は11月30日、コロナ禍で生活困窮に苦しむ遺児家庭に対して20万円を給付する緊急支援を発表した。

新型コロナによる影響が長期化する中、玉井義臣会長は「君たちのことは生活については、とことん面倒を見る」「死のうなんて思ってはダメだということ。はっきり、この場で子どもたち、お母さんたちに伝わるように言っておきたい」と訴えた。

「腐ったレタスの中から、食べられるわずかな部分を探しながら涙が出た」

Runstudio / Getty Images

(イメージ)

あしなが育英会では5月にも遺児ひとりにつき、15万円の緊急給付金を支給している。

しかし、さらに状況が悪化していることが今回の調査でわかった。

玉井会長も「50年来の調査を振り返って、今年の調査は大変重苦しい。かつてなく、辛い調査になっていると思います」と調査結果についてコメントした。

今回の調査は、あしなが育英会が支援する高校生、大学生全員とその保護者に対し行われたもの。10月23日から11月5日かけて実施された調査は合計6241件の回答を得ており、過去最大規模の遺児家庭調査となる。

遺児家庭調査では36%の家庭が新型コロナの影響で「収入が減少した」と回答している。また、「退学を考えた」と回答した人は大学生の25%に上った。

遺児の保護者の多くが失業や減収状態が続いたまま、年末年始を迎えようとしている。あしなが育英会は年内に全ての子どもへ一人あたり20万円を給付するという、追加の緊急支援へ踏み切った。

こうした中、調査の自由記述欄には悲痛な声が並んでいる。

【大学生・高校生の声】

・アルバイトがないので食費を削っている。土日は寮でご飯もでないため友人から貰ったカンパンで空腹をごまかしている。(東京都・大学3年生)

・お金が足りない。内定をもらえたのに4月からの生活費用が用意出来ない。引越 し費用や引越しの際必要な家具等を買えない。長年の夢だった職業の内定を勝ち取ったのに、このままだと諦めそう。(愛知県・大学4年生)

・現金がなく、クレジットカードを使ってお金を前借りしてしまい翌月、クレジットカードの支払いでまた現金がなくなるというループになっている。1 日食べない 日があったり、少ない服を何度も着回ししている。(広島県・大学3年生)

・進学する為のお金をアルバイトで稼げない。家計を助ける事も出来なくて、お腹が空いている。たまにはお菓子も食べたい。(神奈川県・高校2年生)

【保護者の声】

・農家の人から出荷できない野菜を破棄する袋ごともらい、虫だらけ、溶けて腐ったレタスの中から、食べられるわずかな部分を探しながら涙が出た。ガスが止められた時は、私と娘は震えながら水風呂に入り、主人は心疾患があるのでレンジでボールの水をお湯にして体を拭くだけだった。(埼玉県・40代)

・ハローワークも人で溢れ、求人が少なく、競争率も高い。このまま仕事が見付からな ければ、最後に頼るものはわたしの生命保険。何があっても解約しないで良かったと心底思う。本当にそのくらい厳しい状況。(青森県・40代)

「一人で子どもを養うことは大変です」

Yuto Chiba / BuzzFeed

あしなが育英会から支援を受ける大学生や保護者も会見に出席し、厳しい現状を訴えた。

父を亡くし、大手前大学に通う岡本蓮さんは以下のように語った。

「実体験としても、本当にコロナになる以前の生活ですら精一杯だったのに、違う外的要因がやってきたら、もうやっていけない」

「こういう状況がこれ以上続くと、一番家族を亡くす痛みを知っている自分たち(あしなが育英会の支援家庭)から自殺者が出てしまう」

Yuto Chiba / BuzzFeed

ある保護者は一人で子ども育てることを大変さを繰り返し強調した。

「一人で子どもを養うことは大変です。養うこと、と一言で言うとわからないかもしれませんが、なんでも自分一人でやらなければならない。私も子どもも、みんなと違います。でも、みんなと同じ世界でやっていかなくてはなりません」

また、別の保護者は政府に対する要望を口にした。

「政府に言いたいこととして、Go To とか経済回す政策をやってくださっていると思いますが、あしなが育英会の子ども達、親も旅行へ行ける人はいません。旅行へ行く余裕はありません」

「旅行に行けるところに税金を使うのではなく、本当に困っているそういうところにもっと助けていただきたいとお願いしたい」

Yuto Chiba / BuzzFeed

毎年、春と秋に実施してきた街頭募金は、新型コロナの影響で今年は開催が見送られている。あしなが育英会の財政状況も厳しいのが実状だ。

だが玉井会長は、どんな状況でも遺児家庭を支えたいという思いを口にした。

「自殺と生活苦のひどいところは隣り合わせにいるわけですが、私たちは絶対に『あしなが』(の支援先)からは自殺者を出さない。一人でも出さないということで、皆さん方にお誓い申したいと思います」

あしなが育英会は経済的支援だけでなく、保護者の悩みの相談に乗ることも発表した。

12月19日(土)と12月20日(日)には保護者を対象とする緊急電話相談も実施し、年末年始を前に悩む人を支える姿勢を示した。

Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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