少年少女を自殺に追いやる「Momo自殺チャレンジ」はでっち上げだった

    子どもたちを洗脳し死に追いやるという噂の「Momoチャンレンジ」。しかし、その実在は証明できない。

    (注意:人によっては刺激が強いと感じる画像があります)

    少年少女を死に追いやる自殺ゲームという触れ込みの「Momoチャレンジ」が、SNSなどで話題になっている。

    Youtubeにアップされた「ペッパピッグ(Peppa Pig)」という名前のアニメに、もともとこのアニメには出てこない、大きな目をした不気味なキャラクターが現れ、子どもたちに「手首を切れ」などと命じてくるという。

    2015年にロシアで広まった自殺ゲーム「ブルーホエール」と似た内容だ。

    だが結論からいうと、この「Momoチャレンジ」なるものは、実在が確認できない。ネット上で噂が噂を呼び、いつしか実在する「ゲーム」として話が流通するようになっている。

    昨年から噂に

    BuzzFeed米国版の取材では、米国などで最初にMomoチャレンジが話題になったのは2018年夏。アルゼンチンで12歳の少女が自殺した事件で、警察が関連を調べているとFox Newsなどが報じた。しかし最終的に、少女の死とMomoチャレンジなるものの関連性は証明されなかった。

    だが、英米などを中心に噂が広まり、北アイルランドの警察当局が2019年2月下旬、フェースブックの公式ページで、こうした「ゲーム」を警告するメッセージをアップした。

    ただし、北アイルランド警察はMomoチャレンジが実在するかどうかには触れていない。

    Police Service of Northern Ireland / Via Facebook: PoliceServiceNI

    北アイルランド警察が呼びかけた、Momoチャレンジについての危険性

    BBCは「デマ」

    英BBC放送は2月28日、「デマの解剖」というタイトルで、追跡記事を掲載した。この記事によると、出回っていた噂の内容は、「Momo」と名乗るキャラクターが、アメリカのチャットアプリWhatsAppを乗っ取り、子どもたちに危険な命令を下して、自傷に追い込むというものだという。

    だが、WhatsAppを乗っ取られたという報告は入っておらず、子どもが自傷したという通報もないという。

    また、ファクトチェックサイトSnopesは「事実というよりデマや誇張」としたうえで「それでも、あの絵が子どもたちにネガティブな影響を与える可能性がある」としている。

    多くの人々を混乱に陥れたこの騒動だが、親が子どもにネットの危険性を教える機会ととらえることもできる。

    米国でサイバー教育コンサルタント会社を経営するロリ・ゲッツさんはBuzzFeed Newsに語る。

    「親は、YouTubeには子どもに悪影響を及ぼす動画がたくさん存在するということを知るべきだ。子どもが閲覧しているサイトや動画を親が頻繁にチェックするように、また、有害サイトをブロックする機能(ペアレンタルコントロール)を導入するようにと呼びかけている」

    「Momo」は日本人クリエイターの作品を盗用

    「Momo」と呼ばれるキャラクターの元になったのは、相蘇敬介さんが制作した「姑獲鳥」という作品だ。2016年8月に東京・銀座のヴァニラ画廊であった「幽霊画廊」というグループ展に出品したものだった。

    だが、制作者本人の許可を得ないまま海外で盗用され、ネット上で使い回しが拡がっていった模様だ。

    BuzzFeed Newsは相蘇さん本人にも取材した。

    相蘇 敬介さん提供

    盗用された作品「姑獲鳥」


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