とあるミュージシャンの検索能力が話題。「どんな人とどんな会話してるか、まで見てます」

この記事の感想を呟いたら、たぶん発見してもらえる

誰もがネットで情報発信する時代。Twitterの検索窓に自分の名前をいれたことはないだろうか? 人はそれをエゴサーチ(エゴサ)と呼ぶ。何気ないつぶやきは、面と向かって発せられる言葉より本音に近いこともある。

凛として時雨のドラマー、ピエール中野さんはエゴサのプロだ。自分に関するツイートを見つけては、即フォロー。

トップアーティストに突然フォローされたユーザーからは「発狂しそうになった」との声も上がる。どんなツイートでも見つけ出すため、「エゴサ能力はドラムスキルと同等かそれ以上」と囁かれる。

人気ドラマーにして、ヘビーツイッタラー

――芸能人の方って、Twitter上で一般の方とやりとりしないイメージですが、ピエール中野さんは、ユーザーを積極的にフォローしてますよね。いつからこのようなスタンスに?

テキストサイト時代から、ずっとネットは使っていたんですけど、mixiの存在が大きかったですね。入ってるコミュニティーで、趣味とか人となりがわかるのがすごく面白くて。それから自然な流れで、Twitterに移行しましたね。

――11万人もフォローしていますよね。

基本的に、フォローするのは全部手動。リツイートと、ファボ(いいね)、コメントなど僕のツイートにアクションしてくれる人に対しては全部フォローしようと思ってます。

――全部?

もちろんです。仕様が変わったのか、フォロー返ししづらくなって漏れもあるんですけど、フォローもリプライも極力してますね。

DMがきたら普通に返しますし、前に「誕生日だから祝ってください」と言われて、「おめでとう」とDMしたこともあります。リプライで返すより嬉しいと思うんで。ファンレターだと難しいけれど、ネットだったらすぐに返せるじゃないですか。

大先輩から褒められたTwitterの使い方


前にDragon Ashの故・馬場育三(IKUZONE)さんにTwitterの使い方を褒めてもらったことがあって。「布袋寅泰さんは、ファンとのコミュニケーションを積極的にとっててすごいけど、中野くんはファンへフォロー返ししているのが素晴らしいよね」って。

馬場さんは他界してしまったんですが……この言葉がすげー嬉しくて。これは守っていこうって思いました。自分がリスペクトしている人とつながれることもありましたね。

馬場さんもTwitterで仲良くなったし、GLAYのレコーディングに参加させてもらったり。想像もつかないことが起きた。いろんなミュージシャンと、面識はなくてもネット上で会話をすることも多いので、フェスやイベントで会ったときに話しやすいんですよ「Twitterではどうも」って(笑)。

――どうやってエゴサしているんですか?

使ってるのは、TweetBotとか公式アプリで変わったことは特にしてません。普通に「ピエール中野」「ピ様」「ピ/エ/ー/ル/中/野」とか。サポートをやってる「大森靖子 スペース ドラマー」とか、最近では「エゴサ芸人」でも。

僕のことをツイートしているのに、それを隠す「エゴサ避け」を楽しむ人もいるので、そういう人を見つけて「ピエール中野につぶやいてることバレた」と驚かせたりしてます(笑)。その人がどんな人とどんな会話しているのか、とかファボを見ると「検索に引っかからないようにする単語」がわかるんですよ。それを検索窓にぶち込む。

――エゴサすると、誹謗中傷を目の当たりにすることもありそうですが。

今はほとんどなくなりましたね。Twitter初期は、使い方がよくわかってないからか、傷つくようなことを言う人も多くて、本気で議論することもありました。

たとえば、僕の友だちのバンドマンのアイコンで、僕のことディスってたら、その友だちが気まずい。アーティストTシャツ着てるファンは、そのバンドのメンバーだと思ってるんですけど、これと同じ。「ネット上で誹謗中傷するのはやめよう」って言うこともありましたね。オンラインで悪いこと言って、得になることはひとつもないですからね。

ファンの声の可視化はミュージシャンに何をもたらすのか?

――Twitterのタイムラインって全部見れているんですか?

「見てないんじゃないの?」って言われることもありますけど、基本見てますね。「感想をツイートしてくれた人の中で抽選」とかあるじゃないですか。ああいうのも、全部読んでるし、その人が普段どんなつぶやきをしているのかを見て決めてます。

ライブの感想ツイートを参考にすることもありますね。ここの尺をもっと増やそうとか。

――ユーザーのツイートに耳を傾けていたら、キリがなくなりそうです。

んー……でも、自分が持ち得なかった視点もあるし、何より変わっていきたいって気持ちがあるので。ずっと変わらずにいることを美学にするのもアリだと思うんですけど、窮屈だなって。

「イメージに合わないから新しいことやれない」っていうよりも、ユーザーの声を参考にして、いろいろ変わったほうが楽しいじゃないですか。思い出作りっていうか(笑)。

あと、タイアップするときにメーカーと話しやすくなるんですよ。

――アーティストがタイアップって、どういうことですか?

楽器メーカーさんと一緒にイベントを開くこともあるんです。タイアップなので、機材の話を盛り込んで欲しいと要望が来る。その通りに、長い尺をとってしまうとどうしても宣伝っぽくなっちゃうんですよね。

ネットで来てくれた人たちの「宣伝多いよね」っていうツイートを見せると、メーカーさんも納得してくれて妥協点が見つけやすいんです。いいイベントになれば、また人は来てくれるし、そのメーカーの機材に愛着が湧く。Twitterで感想が可視化されると、自然な良いサイクルが生まれるんですよね。

つぶやきは人となりが本当によく見えて楽しいですし、参考にしたい。Twitterでは常に何かが起き続けている。自分を変えていきたいんで、すごくいい起爆剤になるんですよ。

でも、最近マンガをまとめ買いしたんですけど、Twitterが面白すぎて1ページも読めてない……。


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