女性は知った。サルをエアガンで撃つことを。

なかなかの気迫だ。

かなり衝撃的な絵柄であるものの、エアガンは環境省と農水省が鳥獣被害対策として推奨する道具。動物を傷つけることなく、追い払える便利な道具なのだ。

この実習現場に男性はいない。これまで何度かサル退治の実習は開かれてきたものの、今回初めて男子禁制を試みた。「女性による、女性のための、サル退治です」

今までのサル撃退実習では、女性の参加者はほぼ見られなかった。
一方、講師として教壇に立つのは女性が多く、その度に「女の人でもサルに立ち向かえるのに」と思ったと伊勢原市役所の担当者は語る。そんな気持ちが初めての試みへの背中を押した。
そもそも、サルはなぜ人里に来るのだろうか?

「人がサルに対して無防備になってしまっていたのが原因ではないかと思います」
環境破壊等の理由もあるとしながらも、「サルが畑を荒らしても人間が戦う術を持ってこなかったのが大きいと思います。山で餌を探すよりも、人里なら一カ所にまとまっておいしい食物がある。しかも攻撃はあまりされない。絶好の餌場です」と、担当者は語る。
傷つけることなく、「ここはあなたが来る場所ではない」と知らせる。その手法がエアガンのようだ。少しアグレッシブな教育というところだろうか。
