「上司に、『最近どう?』って聞かれて答えたら経営者になった」インスタCOOの転身劇

    人気SNS、Instagramの最高執行責任者(COO)マーニー・レヴィーン。彼女は今年現職についた。そのきっかけは突然降ってきたのだと言う。

    「ある日、上司に『最近どう?』って話しかけられて。それがきっかけでInstagramのCOOになったんです」

    目を大きく開き、くるくる変わる表情で話すのは、Instagramの最高執行責任者のマーニー・レヴィーンさんだ。BuzzFeedは彼女に単独インタビューする機会を得た。

    ――今のポジションについたのはつい最近?

    そうですね。私は2012年から4年間、Facebookで働いていました。

    ――Facebookの社員から、InstagramのCOO。全然違う仕事ですよね。どんな経緯があったのですか?

    Facebookでグローバルポリシーの部署にいたんです。公共政策に関わっていましたが、ビジネスからは遠い仕事でした。

    ある日、上司が「最近どう?」って話しかけてきたんです。立ち話というくらいカジュアルな感じで、最初にこう応えました「仕事も楽しいし、自分が成長していると感じる」。

    よくある光景でしょう? でも、うっかり「今の仕事をずっと続けていくのもな…と思うんです」と言ってしまったんです。もう少しビジネスよりの仕事もしてみたいなと思って。つい、ポロッと。

    上司は「マジで?」とびっくりしていましたね。私自身も「言っちゃった!」という感じだったので(笑)。

    Instagramでは、COOの人材を探している時期でした。上司は、そこに私を推薦してくれたというわけです。

    「チャンスを引き寄せる方法があると気がついたの」

    ――Facebookの社員から、InstagramのCOOに? 上司を飛び越えたということですか?

    いえ。InstagramはFacebookの傘下ではありますが、別会社なので。私もびっくりした経験でしたね。

    きっと誰にでも当てはまることですが、気づいたことがあります。

    ひとつめは、声を上げること。意図しないにせよ、上司に「こうやりたい」という意志を伝えなければチャンスは降ってきませんでした。

    もうひとつは、組織の中で味方を作っておくこと。その相手の性別や年齢は関係ありません。どんな仕事でも周りの人と協力的な関係を築いた方がいいです。そうでなければ、上司はきっと私を推薦しようなんて思わなかったはずだから。



    女性は、リスクを回避しがちなのでは?

    マーニーさんは、来日中に「国際女性会議WAW!」のシンポジウムに登壇し、自身のキャリアについて語っている。

    私が大学を卒業した時、自分がインスタグラムのCOOになるとは想像もできませんでした。

    なぜなら当時、共同創業者の2人はまだ生まれたばかりで、当然Instagramも存在していなかったからです。

    多くの仕事や選択肢がある現在、「自分のキャリアは
    こうあるべき」という概念に縛られるのではなく、時にはリスクを取りながら新しい挑戦をすることが重要です。

    しかし、変化は誰にとっても簡単なものではなく、特に女性はリスクを回避するあまり機会
    を逃しやすいというリサーチ結果もあります。

    きっと、上司にポロッと本音を言うリスクをとらなければ、チャンスは降りてこなかっただろう。変化は簡単なものではないけれど、小さなリスクはとってもいいかもしれない。彼女のように。