「簿記2級を持っているんですけど、経理に落ちちゃいました。甘かったですね」
笑いながら話すのは、株式会社ManabelleのCEO小林コトミさんだ。国際女性デーを祝し、Apple表参道で自身のキャリアを語った。

小林さんは某企業でSEとしてバリバリ働いていたが、出産を期に退職。子どもが1歳になるときに再就職を試みた。しかし、大きな壁にぶち当たる。
「50社受けても内定がもらえなかったんですよ」。
結婚したら定時に帰れる事務職……なんて甘い。

「転職経験はあったのですが、子どもを抱えての就職活動は本当に厳しかった」と当時を振り返る。「プログラマーは基本的に長時間働く仕事です。すごく楽しかったんですけど、やっぱり育児をすると残業が多いのは厳しいから、事務職を希望していたんです」
9時から働き、6時ぴったりで仕事が終わる。WordとExcelは使えるので、足りないスキルは多くない。何が壁だったのか?
「今は湘南エリアに住んでいるので、東京へ通勤すると1時間半はかかってしまいます。保育園から電話がかかってきたら1時間以内に行かないとっていう意識もあって。家から30分以内の場所で勤めたかったんです」
事務職は狭き門。じゃあどうする?
大企業の集まる東京なら、事務職の募集はそれなりにあるかもしれない。しかし、彼女が"働ける範囲"にある中小企業では、「WordとExcelが使える」席はすでに埋まっていたのだ。
厚生労働省によると、事務職の有効求人倍率は0.45倍。人気の一般事務では0.36倍だ(2017年1月)。どういうことか? 36の席に対して100人の応募があることをさす。全体の平均が1.43倍であるのに対して、競争率が高いのだ。
「簿記2級を持っているんですけど、経理に落ちちゃいました。甘かったですね」
50社受けて落ち続けた小林さんだが、その後、内定を手にする。その秘訣は「スキルを手にすること」だった。元々SEだった彼女は、プログラミングができるというスキルを事務職で活かしたい、と履歴書に書くようにしたのだ。すると、すぐに就職先が見つかった。

新しい職場で自分と同じく「働きたいけれど、家庭がある」というジレンマを抱えた女性に沢山であったという。次第に「女性が育児・介護などにとらわれず、自由に働くことができる世の中を作りたい」と思うようになり、起業した。
彼女が今手がけるのは、プログラミングを学べるアプリ「codebelle」だ。育児をしながら勉強できるよう3分で1区切りできるように工夫したという。「保育園に子どもを送り届ける前って本当に何もできないので。スキマ時間に勉強できるようにしたいと思いました」
codebelleはApp StoreのBest of 2016「今年のベストApp10選」にも選ばれた。
「少しハードルが高いと思いますけど、1年勉強するだけで全然違います。2020年からプログラミングは小学校の必須科目になります。お子さんと一緒に学ぶ方も多いです」
事務職であっても、これから求められるのはプラスのスキルだと小林さんは言う。
「事務職は本当に狭き門です。プログラマーなら、在宅ワークも可能。うちの会社はオフィスを持たないで仕事をしています。そういう働き方がもっと増えるといいなと願っています」
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