維新、部落差別問題の長谷川豊氏の立候補辞退を発表 「堺市長選に配慮」

    部落差別発言を問題視されていた元フジアナウンサーの長谷川豊氏が参院選の立候補を辞退した

    日本維新の会は6月10日、部落差別発言を行ったことが問題視されていた元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏が、この夏予定されている参議院選挙比例区からの立候補を辞退した、と発表した。時事通信などが報じた。

    時事通信

    長谷川豊氏

    何が起きたのか

    長谷川氏は2019年2月の講演で「日本には江戸時代にあまり良くない歴史があった。士農工商の下に人間以下の存在がいた」「でも人間以下と設定された人たちも性欲などがある。当然、乱暴などもはたらく」と、当時差別を受けていた人々が集団で女性を暴行していたといった内容の発言をしていた。

    この問題が表面化した5月21日、部落解放同盟中央本部の組坂繁之委員長が日本維新の会の馬場伸幸幹事長に「歴史的事実を無視し、差別意識を助長する行為」とする抗議文を出した。

    維新は「かばう余地がない」(松井一郎代表)として、公認の一時停止を決めていた。

    本人の弁明は

    長谷川氏は6月10日付のブログで、問題となった動画は「切り取られて編集されていた」としたうえで、以下のように説明した。

    画面上の僕は「江戸時代には士農工商の下に人間以下に設定されたエタ・非人がいてね」「その人たちにも性欲がある」「犯罪のプロ集団」と嬉々として話していました。

    なんなんだこれは。

    しかもよく聞くと、そうとも言い切ってない。なんだか主語も述語もおかしなことになっていて、とてもじゃないですが、アナウンサーの喋りじゃあない。

    また、部落差別への認識について、こう記している。

    間の悪いことはもう一つありました。

    僕らの世代は、小学校などで(僕は道徳の授業でした)江戸時代に暗い差別の歴史があった、と習いました。4段階の身分制度(士農工商)。そして、その下に被差別階級があった、と。

    実は日本ではその歴史自体が、なかったのではないか、と。
    その認識は間違っていたのではないか、と。
    最新の歴史の教科書では、実はそんな歴史認識自体が間違っていた、というのが最新の学説となっており、子供たちの教科書から、その差別の歴史の記述自体が無くなっているのです。

    僕はそれを知りませんでした。覚悟を決めるしかありませんでした。

    そもそも僕は、被差別部落の問題について無知でした。新しく教科書の記述も変わっていることも知らなかった。ここを突かれたのであれば僕のミス。僕が悪かったんです。

    近年の歴史研究の進展で、確かに長谷川氏の主張するとおり「士農工商」という序列があったという記述は教科書からなくなっている

    ただし、それは農民と町人の間に流動性があったという意味であり、「武士」とそれ以外に身分差があったことを否定するものではない。また、農民や町人の別枠に置かれた被差別民が存在したことを否定する教科書は、存在しない。

    5月に問題となったのは、差別を受けていた人々を「犯罪者集団」とみなして発言していたことであり、身分制度を巡る教科書の記述が変わったことを知らなかったという点ではない。

    長谷川氏はブログで、維新が力を入れていた堺市長選(6月9日に維新の候補が当選)に影響を与えないため、反論せず謝罪したうえで立候補を断念することを、馬場幹事長と話し合って決めたとしている。

    維新の公認辞退発表は、堺市長選後の6月10日だった。

    そのうえで、長谷川氏はブログにこう記した。

    メディアの皆様にお願いがあります。

    僕は党と僕の合意で参院選に出ないことにしましたが、維新が甘い態度を取ったという印象を持たれる書き方はやめていただきたい。

    【維新が長谷川の公認を取り消した】と書いていただいて全く祖語はありません。そちらの方が実態に近いものです。

    長谷川氏は近く、問題となった講演の動画をYoutubeで公開するという。

    朝日新聞によると、維新は党規約に人権綱領を盛り込むなどを検討するという。

    長谷川氏は2016年9月、ブログで人工透析患者を「多くは自業自得」などとつづり、批判を受けた。2017年秋の衆院選で千葉1区から維新公認で立候補し、落選している。


    Contact Kando, Yoshihiro at yoshihiro.kando@buzzfeed.com.

    Got a confidential tip? Submit it here