日本で大人気で、インバウンドのお客さんも集めている猫カフェですが
今年開かれたラグビーW杯でも、イングランド代表のトム・カリー選手が「日本で猫カフェに行きたいんだんけど、一緒に行ってくれる仲間がいなくて困っている」と語ったことが話題になりました。
カナダにもあるというので、行ってみました。

カナダ東部の街モントリオールで話題になっているCafe Chat L'Heureuxです。
お店の名前は英語だと「Happy Cat Cafe」。幸せ猫ちゃんカフェ、という感じの名前ですね。
フランス系文化の街モントリオール。街角も、どこかフランスぽい。

モントリオールの中心部にほど近い、住宅街にお店が入り交じる地区にあります。
モントリオールは、フランス語を公用語とするケベック州最大の都市で、「北米のパリ」と呼ばれています。
猫カフェの周辺も、北米というよりも、フランス的な雰囲気が漂います。行き交う人々の言葉も、フランス語です。
入り口のレジカウンターに、いきなり毛の長い猫さんが。

フランス語と英語で「僕は寝ているから起こさないでね」と。いつもここで寝ているんでしょうか。
起こさないようにそっとスマホを向けると、ゆっくりと目を開けました。
お店に入ると、おしゃれな内装。

カナダでは珍しく、玄関で靴を脱いで入るお店でした。内装は、どちらかというと、「猫カフェ」というよりも、おしゃれで意識高い系な感じ。
本格的なベジタリアン料理のお店でもありました。

日本で猫カフェというと、時間制のチャージとセルフのドリンクバー形式で、料理は簡易なものというお店も多いのですが、このお店には時間チャージはなく、ベジタリアン料理のメニューが並び、ゆっくりとランチをとることもできます。
メニューと一緒に渡される、お店のルール

このお店でやってはいけないこと
・寝ている猫を起こすこと
・猫を抱っこすること
・猫に食べ物を与えること
・子どもたちを放置すること
・大声を上げたり、急な動作をしたりすること
・お水を飲んだり、食べたりしている猫を邪魔すること
ここにいる10匹の猫さんたち

「Mouse(ねずみ)」と言う名前の子もいるんですね。
料理が美味しい
ラテのラテアートは猫の足裏。かわいい。
お茶は猫のポットに入って出てきました。
ベジタリアンのチリは挽肉こそ入っていないものの、よく煮込まれてコクがあり、おなかにたまります。
.....とっても良いカフェなのですが、最初に見た猫さん以外、猫の姿がありません。「猫カフェ」というよりも、普通におしゃれな店でお茶をしに来ている感覚です。
あ、いた。

よく見ると、窓際にキャットタワーがあり、てっぺんで猫さんがすやすやと....
起こしてはいけないルールなので、黙って見ながらお茶を飲む。
目が慣れてくると、あちこちに寝ている猫さんが。

箱の中で寝ています。

キャットウオークの上にも。

お、ついに猫さんキタァァァァァァ

ァァァァァァ........

ァァ...... あ、行ってしまった....

世界のどこでも、猫は気まぐれ。
そのまま、スケボーの上に座って毛繕いを始めました。

お客さんは手を出さず、笑顔で眺めています。
ゆったりと猫を眺めつつお茶を飲み、猫さんの気が向いたら、お客さんも時に猫と戯れる。それが、このお店の流儀のようです。

気がつくと2時間が過ぎ、あたりは夕闇に包まれていました。
ここは、猫じゃらしを手に猫と一緒に遊ぶ場所というよりは、猫が勝手気ままに振る舞う中でお茶を飲み、食事と会話を楽しむ場所だと感じました。
いわば、「猫がいるカフェ」。猫たちと一緒に時間を過ごすだけで、気分がゆったりとしてくる。それだけで、行った価値は十分にありました。
それにしても猫の魔力は万国共通。恐るべし。