崖っぷちのトランプ氏は法廷闘争スタート、バイデン氏は政権移行チームHPを公開

    集計が続くアメリカ大統領選。トランプ陣営は複数の州で訴訟を起こした。バイデン陣営は政権移行チームのサイトを公開し「次」に進もうとしている。

    11月3日(現地時間)に投票されたアメリカ大統領選。現職のドナルド・トランプ氏の陣営は4日、激戦州のミシガンとペンシルバニアなど複数の州で、開票の一時差し止めなどを求める訴訟を起こした。同じく激戦州で、すでに各メディアがジョー・バイデン氏の当選確実を伝えたウィスコンシン州では、票の再集計を求めるという。

    これに対し、メディア各社の開票状況で優位に立つバイデン氏の陣営は同日、「政権移行チーム」のサイトを立ち上げた。さらに「(大統領の就任宣誓式がある)77日後、バイデン政権はトランプ政権が脱退したパリ協定に再加入する」とツイートするなど、「選挙後」を見据える構えを見せている。

    AFP=時事

    トランプ陣営、次々と訴訟開始

    トランプ陣営は4日、ミシガン州とペンシルバニア州、ジョージア州で訴訟を始めた。うちミシガン州とペンシルバニア州の訴訟は「開票監視の公平なアクセスを得られなかった」ことを理由に、開票の中断を求めるものだ。

    陣営は10月中旬、同じ理由でネバダ州クラーク郡の開票差し止めを求めたが、ネバダ州最高裁は11月3日、トランプ陣営の主張を退けている。

    ジョージア州では、同州チャタム郡で投票日午後7時以降に到着した郵便投票などに「不正がある可能性がある」として集計せず保管するよう求める訴訟も起こした。

    さらに、すでにバイデン氏の勝利確実とメディア各社が判定しているウィスコンシン州では、集計のやり直しを求める方針だ。

    また、ペンシルバニア州では以前から、投票日以降に届く票を集計しないよう求める訴訟を起こしており、係争中だ。

    なお、連邦制のアメリカでは、各州ごとに独自の憲法と州法に基づいた裁判所がある。基本的に州法に関することは州の裁判所、連邦法に関することは連邦裁判所が管轄する。

    現段階でのトランプ陣営の戦術は、法廷闘争で郵便投票や期日前投票の開票を阻止することにある。

    民主党側がこうした投票方法の活用を呼びかけてきたこともあり、期日前投票や郵便投票には、バイデン票の方が多いと考えられているからだ。

    そして、トランプ氏が2020年の早い段階から「郵便投票で不正が起きる」と主張し続けてきたのは、この事態に備え、支持者に郵便投票への疑いを持たせて法廷闘争を支持するよう、前々から布石を打っていたと考えられる。

    トランプ氏は4日も選挙不正の存在を強く示唆するツイートを続けている。

    一部はTwitter社の判断で「誤解を招く可能性がある」との注意書きが付けられた。

    @realDonaldTrump

    2000年大統領選で最高裁決定は35日後

    2000年大統領選では、フロリダ州での開票のやり直しを巡り当時のブッシュ陣営とゴア陣営が対立し、法廷闘争となった。

    AFP=時事

    2000年11月、休みを返上して手作業再集計を続けるフロリダ州の開票点検員ら

    この時、最高裁が決定を下したのは投票日から35日後だった。ゴア氏はその後、敗北を受け入れる演説を行い、選挙戦は終わった。

    今回、各メディアが独自情報からいずれかの候補者に「当選確実」を報じたとしても、それを尻目に法廷闘争が長期化し、なかなか選挙結果が確定しない可能性がある。

    バイデン氏、政権移行チームサイトを公開

    バイデン氏は4日の演説で「勝利を宣言するわけではない。しかし、集計が終われば、勝者は私たちになると信じている」と語った。また、投票日以降に回収された票などを計上しないよう求めるトランプ陣営に対抗し、「すべての票を集計すべきだ」と語った。

    Donald Trump does not decide the outcome of this election and nor do I. The American people decide. That’s why we’ve launched the Biden Fight Fund — to ensure every vote is counted. Chip in to help fund our election protection efforts across the country: https://t.co/ps6VhGy0m5

    「選挙の勝者を決めるのはトランプでも私でもなく、アメリカの人々だ。そのために全ての票を集計するよう求める基金を立ち上げた」という、バイデン氏のツイート

    バイデン陣営は同日、バイデン氏の横顔写真に「バイデン・ハリス 政権移行」と記したサイトを公開した。

    buildbackbetter.com

    バイデン陣営の立ち上げた「政権移行」サイト

    サイトには日本時間5日夕現在、具体的な内容はなく、以下のメッセージだけを掲示。法廷闘争を進めようとするトランプ陣営を牽制している。

    「次の大統領を決めるのはアメリカの人々です。開票はまだ全国のいくつかの州で続いています。パンデミックから景気後退、気候変動から人種差別まで、アメリカが直面している危機は深刻です。移行チームは、バイデン・ハリス政権が初日から始動できるよう、全速力で準備を進めていきます」

    ウォールストリートジャーナルによると、バイデン陣営の政権移行チームは以前から、トランプ氏が移行に非協力的な場合の対応策などを検討してきたという。

    バイデン陣営は事態の長期化を念頭に、各メディアで「当選確実」が出そろい次第、「次のステージに移った」とアピールして動き始める構えとみられる。


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