• corkfeed badge

20年かけた3万枚の原稿が紛失。作者がとった行動がすごすぎる…

「苦労して作った書類のデータが消えた時に、立ち上がる勇気をくれた話」というマンガが話題になっています。20年かけた原稿3万枚が紛失…そこで学者がとった行動とは?

「苦労して作った書類のデータが消えた時に、立ち上がる勇気をくれた話」というマンガが話題になっています。

近藤丸
近藤丸
近藤丸
近藤丸
近藤丸
近藤丸
近藤丸

※作中に仮名で登場する「山本さん」は実際は「植木さん」です。

近藤丸

この漫画を投稿したツイートには3万件以上のいいねが集まり「私も頑張ろうと思えました!」「まさに仏様」など、多くのコメントが寄せられました。

漫画制作の背景について、作者の近藤丸さんにお話を伺いました。

——たくさんの反響があったことについてどのように感じていますか。

仏教学の世界では有名ですが、一般的にはあまり知られていない中村元先生のことを多くの方に知ってもらえてうれしく思います。

——この漫画を書こうと思ったきっかけは何だったのでしょう?

私は浄土真宗の僧侶でもあり、仏教をテーマにした漫画を描いています。

今回マンガにした逸話は仏教の大学に通っている頃によく教授達から聞かされた話で、とても心に残っていました。

仏教を専門にしている人以外にも響くものがあるのでは?と思いマンガにしました。

近藤丸

——中村先生を知ったきっかけは?

大学時代に仏教に興味を持って仏教書を読み始めたのですが、中村元先生が書かれたものが沢山ありました。それらの本を通して先生のことを知りました。

近藤丸

——中村先生が再奮起できたのはなぜだと思いますか?

実際の所は中村先生しか分からないと思います。とても真似できません。

中村先生は本当に勉強が好きだったのです。学的精神が中村先生をして、歩ませていたと考えられないでしょうか?

中村先生は『仏教語大辞典』発売後も辞典に追加すべき言葉を探し続けていました。

そうして後に増補版の『広説仏教語大辞典』としてさらに出版し直しています。恐るべき探求心です。

仏教や学問を尊敬し大切にされていたのだと思います。

近藤丸
近藤丸

——「中村先生で読むならこの一冊!」というオススメ本はありますか?

中村先生には膨大な著作があります。

一冊だけ選ぶというのは難しいのですが、最初に手に取るとしたら『中村元の仏教入門』(春秋社)がオススメです。

仏教になじみがない人でも、読みやすいです。

入門書でありながら、仏教の深みに触れることができる一冊です。

あとは岩波文庫の中村先生訳の『ダンマパダ』(お釈迦様の言葉を集めたお経)は今でもベストセラーですね。

今回のマンガの参考にさせて頂いた中村先生の最晩年の弟子である植木雅俊先生の著書『仏教学者 中村元 求道のことばと思想』も本当に面白い本で、仏教の勉強にもなります。

——「いつ始めたって遅くない」というメッセージに勇気をもらえました。この言葉は近藤さんの今にどんな影響を与えていますか。

マンガにあるように書類や論文を書いていて、データが消えてしまうことが時々あります。

その度にこの中村先生のエピソードを思い出しますね。

そうすると、「やれば終わらないことはないのかもしれない」と勇気を頂きますね。

「やるか」「やらないか」なのだなと思えます。

今は「何事も焦って結果を出さなくてもいい」と思えるようになったのですが、中村先生の教えから影響を受けていると思います。

近藤丸

——不運なことがあって立ち直れないことがある読者に伝えたいことはありますか?

他者の人生に簡単にアドバイスなどできませんが、中村氏が「逆縁が転じて順縁になりました」と言ったように、物事を固定して捉えるべきではないのかもしれません。

何かが手に入らなかったから人生終わりだとか、何かが出来なかったから人生失敗だと私達は極端に考えてしまうことがあると思います。

しかし、失敗したことが後から考えると意味が変わったり、プラスに働いたりするということがあります。

人生は複雑です、成功とか失敗とか、損とか得とかそういう私達の価値観でもって単純に価値づけできないのではないでしょうか。

生きるという事はもっと厳粛なものでしょう?

もう立ち直れない…と思ったときに、中村先生の辞書作りの話を思い出してもらえたらありがたいです。

近藤さんは他にも仏教の先生のマンガを描いています。

【過去作再掲】 「安田理深先生の言葉」 仏教の歴史には沢山のエピソードが残されています それらの1つについて漫画に描きました #コルクラボマンガ専科 #仏教マンガ

「潔癖症の桃太郎が行く!」というギャグ漫画も面白いです。大笑いしました(笑)

ぜひ近藤さんのツイッターをチェックしてみてくださいね!