セックスと同意について、読者に意見を聞きました

    3万人を超える読者が、意見を寄せてくれました。

    2018年6月、Buzzfeed Newsは読者に対し、#MeToo時代におけるセックスと同意に関する10の質問からなる調査への参加を呼び掛けました。そして、3万4969人もの読者から回答がありました。

    これが科学的な調査でないことは確かですが、回答してくれた人の多くは、性的暴行やハラスメント、セックスの同意をめぐって啓発的で思慮深く、ときに心を打つ意見を明らかにしてくれました。

    以下に、読者の回答をいくつか紹介します。回答は長さや明確さを考慮して一部編集しています。

    セックスという文脈において、あなたにとって「同意」とは何を意味しますか?

    30歳、バイセクシュアル、女性

    「新しいパートナーや、まだ関係が確立されていないパートナーの場合:イエスという言葉。私はその言葉を言わなくてはいけないし、相手が言うのを聞かなくてはいけない。長期間、関係が続いている相手の場合:行為全体を通じての熱心さ、明らかな関与、言葉による肯定」

    33歳、パンセクシュアル、ノンバイナリー(性別を男女に特定しない人)

    「正直に言うと、まだ答えを探している最中です。熱意のこもった同意、というコンセプト自体は知っているのですが、私の育ってきた環境では、『奪われる』ことが究極の興奮材料として美化されていました。なので、個人的にはまだ、同意は本質的にセクシーなものではありません。答えが見つかるまで、(セックスは)控えようと思います」

    29歳、異性愛者、男性

    「『イエス』はお互いが言わないといけないけれど、『ノー』はひとりだけでも成立します。いつでもノーと言って境界線を定める権利が、ひとりひとりにあります。一方がセックスしたくないとか、特定の行為をしたくないと言うのなら、それを尊重し、相手が心の準備をして乗り気になるまで待つ責任が、パートナーにはあります。

    行為の途中でセックスに関する考えが変わったのなら、途中でやめる権利もあります。もちろんそんなときは、感情的にも身体的にもフラストレーションを感じることがあるだろうけど、親密さとは、欲望を満たすことだけでなく、相手のニーズや境界腺を大切にするということでもあります。セックスは、究極的に言えば、親密さの行為です。どちらかの境界線を越えてしまったら、親密さが破壊され、信頼が崩れてしまいます」

    40歳、バイセクシュアル、男性

    「その行為をしたいことを伝える、断定的で正当、明確なコミュニケーション。つまり、あらゆる段階でのオープンなコミュニケーション」

    33歳、異性愛者、男性

    「双方が承諾を明言しないかぎり、同意したことにはならないと思います。」

    15歳、異性愛者、女性

    「両当事者が、その行為に賛成していること。『イエス、〜〜をしたい』でないといけません。『わからない…』や『ノー』はダメ。どちらかが確信を持てないのなら完全にやめるべきだし、自分の望むことを相手に押しつけるべきではないと思う。あることに同意していたとしても、ほかのことすべてに同意したわけではありません。あること(たとえば、キス)に同意したのだから、別のこと(たとえば、オーラルセックス)もOKだろうと考えてもいい、ということにはなりません」

    28歳、ゲイ、男性

    「パートナーと自分が、したいことと、したくないことに関して、オープンで正直になっていると確認すること。双方が、自分のニーズを相手に気軽に伝えられる関係を築くこと。昔、ネットで知りあった男性たちと関係を持っていたときには、同意は、境界線を決めて、それを守ることを意味していました。境界線をはっきり伝え、相手の境界線を尊重すること。実際に会う前に、何を求めているかについて、双方が大筋で合意していると確認することも大切です」

    30歳、異性愛者、男性

    「本当に安全な同意は、結婚という形の生涯の契約でしか得られないと思います」

    36歳、異性愛者、女性

    「私が育ったのは、『セックスをやってみる』というプレッシャーを感じる環境でした。男の人と『かなり進んだ』関係になったら、『最後まで』やる義務があると感じていました。そう感じることは同意ではありません。(同意とは)ノーと言いたいときに、いつでも、どんなときでもそう言えること。もちろん、私のパートナーについても同じです!」

    パートナーから、同意をどのように得ていますか?

    25歳、ゲイ、男性

    「いつも、何かが始まる前に話をします。みんな、ちゃんと話そう!!バーで誰かを家に誘ったり、誰かに誘われたりしたら、あらかじめ友人に話しておく。自分の属するコミュニティをうまく使って、身の安全を守り、判断をしっかりできるようにする。境界線を定めて、事態が悪い方向へ進み始めた場合には、電話やメールなどでなんらかのメッセージを送って助けを求める。女性やLGBTコミュニティに属する人の場合は、ノーと言うと危険な場合もあるので、その段階になる前に、助けを呼ぶ別の方法を探しておく。ネット出会い系アプリ全盛の時代だから、いつでも助けに来てくれて、自分の居場所を把握しておいてくれる(人たちの)ネットワークを自分でつくるといいと思います」

    35歳以上、異性愛者、女性

    「私の場合は、とても明快で直接的です。特に、何かをしたくないときはそう。でも、それは何年もかけて身につけたスキルです。そのあいだずっと、『感じよく』しなければいけないという思い込みから抜け出す必要がありました。というのも、私にとって『感じのよさ』というのは、率直ではっきりとした境界線を引かないことだったからです。パートナー(あるいは、自分自身を含むほかの誰か)に人の心を読む能力があって、何が心地よくて何が受け入れられるのかを『自然と察する』ことができるのだとは考えないように、鍛えなおす必要もありました。

    また、性的暴行に起因するPTSDと、セックス中に痛みを引き起こす重度の子宮内膜症に立ち向かわなければならなかった者として、性的な面で自分を守る方法も覚えました。つまり、痛いときや不安の発作が起きているときには、正直にそう言うことです。『普通の女性のように』性交できなくて、そのせいで自分が女性として不良品のような気がすると、パートナーに伝える方法を覚えなければなりませんでした。それから、自分の頭のなかでもパートナーに対しても、愛情深い言葉や思いやりを使うすべを覚えることも必要でした」

    32歳、異性愛者、男性

    「パートナーとはもう10年近い付き合いになります。だから、『同意を伝える』と言うと、どこか妙な感じがします。どちらかがその気じゃないのに、もう一方が始めようとしたら、率直に、そんな気分じゃないと伝えます。そもそも、男性として、自分の同意を伝えるのを考えたことがあるとは言えないのが、正直なところです。私の育った時代と場所では、女子たちはだいたいにおいて、男子がなんらかの形で恋愛的な関心を示したのなら、彼らは暗黙のうちにセックスに同意しているのだと見なしていました。私の場合で言えば、それはいつもそのとおりでした」

    レズビアン、年齢非公開

    「セックスに関して包み隠さず正直に話しあい、そうした会話をかなり頻繁にする。必要なこと、望んでいること、好きなこと、嫌いなこと、限度を越えていることを話しあう。気持ちが変わっても許されるし、たとえセックスの最中でも、やめると決めてもいいということに合意する。盛り上がっている瞬間でも、『これ、OK?』『これしてもいい?』と訊く。正直に言えば、それはセクシーだと思います。からかうような感じのときは、特にそう。それから、パートナーが『いや、それはしたくない』と言う場合には、相手がしたいと思っている別のことがあるものです。それについて質問して、話しあわないといけません」

    28歳、ゲイ、男性

    「パートナーに性的なアプローチを仕掛けられたときには、自分もボディランゲージやボディタッチで、同じようなアプローチをはっきりと返して、同意を伝えます。自分のほうから性的なアプローチをする場合は、パートナーのボディランゲージを見極めるようにしています。なんらかの形でためらいが見えたときには、セックスをしてもいいかと訊ねて、お互いの気持ちに曖昧なところがなくなるようにしています」

    47歳、異性愛者、男性

    「異性愛者の男性である私は、たいていの場合、行為を始める役割、つまり、同意を与えるのではなく、同意を得ようとする役割を担います。直接的に尋ねるのは、気まずい感じがします。私の場合、ボディランゲージを読むように努めています。たとえキスでも、ポジティブな雰囲気でなければしません。そこから、たいていは少しだけ、一歩ずつ先へ進んで、相手の反応を見る。相手が心地悪そうだったら、少し後退する。彼女の中へ入るときには、もう少し明確な『イエス』を求めます。たいていは、コンドームを持って、『いい?』とか『きみの中に入りたい』というようなことを伝えて、『はい、どうぞ』という言葉や、微笑みとか頷きのようなものが返ってくるのを待ちます」


    #MeTooムーブメントは、同意に関するあなたの考え方に影響を与えましたか?

    29歳、異性愛者、男性

    「はい、影響がありました。高校時代の僕は、男性の優位性や期待という、不健全な現実の片棒を担いでいました。両親からセックスや性的関心について教わったことは一度もありません。なので、ようやくデートを『許された』ときには、自分が当然だと思うことをしていました。たとえば、ガールフレンドが自分の写真を私に送ってこなかったようなときに、彼女たちに恥ずかしさや罪の意識を負わせていたかもしれない、ということには思い至っていませんでした。僕にとってセックスは『自分のこと』であり、『彼女たちのこと』ではありませんでした。自分の性的関心も彼女たちの性的関心も、あくまでも自分のことであり、互いを尊重するものではなかったんです。#MeTooムーブメントは、僕たち(男性たち)の行動だけでなく、僕たちの言葉や意図、思いこみでさえも、人生を変えるような深刻な加害につながることがあるのだと教えてくれました」

    35歳以上、異性愛者、女性

    「#MeTooムーブメントを、ようやく声を上げた女性たちだけの運動だと考えている人は多いと思いますが、そうではありません。男性も、境界線の問題と闘わなければいけません。2年前の出来事は、ずっと忘れられないでしょう。私は、当時8歳か9歳だった娘、それに娘の水泳のチームメイトだった少女と一緒に、若くてハンサムでやさしいコーチのうしろを歩いていました。すると、娘のチームメイトが手を伸ばして、成人男性であるコーチのおしりをつねったんです! 

    彼は驚いてぱっと振り返りました。私でもそうしたでしょう。でも彼は、何をするべきか、何を言うべきかわからないようでした。もしこれが、女性のコーチで、チームメイトが少年だったなら、コーチが、適切な行為ではないことを伝えるちょっとした会話を始めていたと思います。私は彼のかわりに割って入り、その大胆な少女に、あなたの行為は適切ではない、あなたが自分の身体を尊重してもらいたいのと同じように、あなたも彼の身体を尊重しないといけない、と説明しました。その子は目をくるりと回して、謝りました。それはまさに、目の覚める体験でした。

    もうひとつ気づいたのは、私がこれまで、どれほど多くの自分に対する性的な行為を受け入れてきたのか、ということです。それは、『男の子/男性はそういう行動をするものだから』と言われてきたからです。あまりにも感覚が麻痺していたので、昏睡から覚めたような気分でした」

    55歳、ゲイ、男性

    「もちろんです。自分の行動を以前よりも意識するようになりました。以前ほど、アプローチに性急さや図々しさがなくなりました」

    46歳、異性愛者、女性

    「はい。私は男性も同意する必要があるということを忘れて(?)いました。異性愛者の女性である私の場合、私のほうから行為を始めるときには、拒否されることはまずありません。でもそれは、彼が同意しているからなんでしょうか? それとも、異性愛者の男性にはそういう行動が期待されていると、彼が思っているから?(#MeTooの)おかげで、こうしたことの見方が変わりました」

    32歳、異性愛者、女性

    「はい! とても強い影響を受けました! 20代のころ、私は男性を喜ばせることに一生懸命で、自分の求めることを訴えるなんて、考えもしませんでした。いまでは、自分の好みを伝えることに幸せを感じているし、私のパートナーもそれを快く思っていることがわかりました。おかげでセックスが、前よりもずっと楽しいものになりました!」

    34歳、異性愛者、男性

    「はい! セックスについてあまり話さない両親と、小さな町のパッとしない性教育のなかで育った私は、同意がどんな意味を持ちうるのか、真剣に考えたことがありませんでした。何年か前に、ときどき会っていたガールフレンドに無理やり迫ってみようかと思った状況がありました。それ以前に交わした会話のなかで、支配されるのが楽しいと彼女が話していたからです。そのあいだずっと、心のなかでは、自分はいま彼女をレイプしているのではないかと感じていることを自覚していました。彼女は実際には同意していませんでしたから。

    結局、彼女も夢中になっていたので問題はなかったのですが、私は同意についての概念を考え直さずにはいられませんでした。#MeTooムーブメントのおかげで、私たちは同意について、以前よりもしっかりした、オープンな対話を交わせるようになりました。それから、生後5週間になった私の息子が育っていく過程で、性教育と同意に関して、父親として確固たる態度で接しなければいけないことにも気づかされました」

    33歳、デミセクシュアル・ヘテロロマンティック(恋愛対象は異性で、性的対象は深い関係を築いた人物に限る)、女性

    「同意に関する話は、ごく早い時期に始める必要があるのだと気づかされました。たいていの場合、子どものうちから始めないといけません。

    友人の5歳になる息子のベビーシッターをしていたときのことです。寝る時間になり、きれいな下着とパジャマに着替える必要がありました。その子はまだ着替えに多少の手助けが必要だったので、私は彼と同じ部屋にいました。でも、着替え始める前に、彼は私に、自分のプライベートな部分はママとパパしか見ちゃいけないから、目を閉じていてくれないかと言いました(入浴の手助けがまだ必要な子どもとしては、両親だけは見てもいいというのは適切な線引きです)。彼が同意について教えられていること、そして自分の要求を伝える権利があると思っていることに、私は感心し、とてもありがたいと思いました。

    もちろん、私は目を閉じ、その目を手で覆って、彼の同意を尊重していることに疑いを持たれないように努めました。ボタンをとめる手助けが必要になったときには、許可を得て目を開け、手伝いが終わったら、またすぐ目を閉じました。

    この出来事が#MeTooムーブメントの前に起きていたら、私はたぶん、その子自身への影響や、彼が将来出会う人、関係を持つ人への影響に気づくことはなかったでしょう。同意に関する教育は、まず家庭で始まります。#MeTooムーブメントは、たとえ幼い年齢であっても、同意に関する率直な教育と対話がどんなに必要かということに気づかせてくれました」

    31歳、異性愛者、女性

    「はい。法的な観点からすると、私はずっとレイプされていたんだと気づきました。というのも、相手の男性は、私が繰り返しやめてと頼んだあとも、コンドームをつけずにセックスを続けていたからです。でも、暴力的ではなかったし、私も抵抗したり、大声で騒いだり、起き上がってその場を去ったりはしませんでした。そのまま終わらせるほうが簡単だと思っていたんです。当時の私は、それがレイプだとはまったく思っていませんでした」

    30歳、異性愛者、男性

    「はい。私が性行為をしようとして、妻が『やめて』と言ったときには、やめます。あとで、妻は私がやめたことに気を悪くしていましたが、わけがわかりませんでした。妻が言うには、戯れの『いや、やめて』と、真剣な『いや、やめて』を区別しないといけないそうです」

    41歳、バイセクシュアル、女性

    「何か影響があったとするなら、自分がそうした話題について、もっと気安く堂々と話せるようになったことだと思います。それから、許される振る舞いに関しての、私の期待や定義も影響を受けました。たとえば、性的な接触では、どんな形であっても、強制や圧力は許されないものであり、互いの同意に違反する振る舞いだ、と考えるようになりました。#MeToo以前だったら、境界線について、それほどはっきり言い切れなかったかもしれません」

    40歳、異性愛者、男性

    「はい。10代のころ、女の子といちゃつきながら、相手のシャツのなかに手を入れていたことを思い出します。まず、きちんと訊くべきでした。そのまま好きにさせてくれることもあれば、止められることもありました……でも、自分から訊くべきでした」

    30歳、バイセクシュアル、男性

    「はい。でも、それについてはすごく考えが揺れています。バイセクシュアル男性である私は、SM的な要素のあるプレイでは受け身になります。プレイ前のコミュニケーションが重要だということも、なんらかのパワーシフトが存在するときに喜びが大きくなるセックスもあるということも承知しています。

    ときどき、自分よりも大柄で威圧的な男性を相手にするとき、私が感情的または身体的に抑えつけられる可能性のある状況になることもあります。しかし、たいていの場合は、自分がやめたいと思ったときにそう伝えるのは自分の責任だと考えています(絶対越えてはいけない境界を事前に話しあっていたのでなければ、ということですが)。

    #MeTooムーブメントは、同意を破ったときに自分の行為がどんな結果をもたらすのかを男性が認識したという点で、そして同意を破るとはどういうことかを明確にしたという点で、非常に大きな価値があったと思います。でも、それにより、同意の違反や意思疎通の不足がとても悪いこととされ、(社会的な意味で)倫理の問題と同じレベルと見なされるようになったようにも思っています。つまり、文化的に見ると、レイプ、同意の違反、そしてコミュニケーション不足が、実質的に同じこととして扱われているような気がするんです。それらは同じではありません。同じように扱ったり罰したりするべきでもありません」

    16歳、トランス男性、ノンバイナリー

    「男性の外見をしている者として、僕に恐怖を感じる人がいるかもしれないということを、以前よりも認識するようになりました。なので、人とやりとりするときには、前よりも慎重になっています」

    32歳、異性愛者、男性

    「きまりが悪いからと思って、必要な話しあいをしないでいると、どんなに危険なことになるかを考える助けになりました。異性愛者の男性の多くが持っている、性的な満足を得る権利があるという感覚を、浮き彫りにするのにも役立っています」

    #MeTooムーブメントをきっかけに、魅力を感じた人へのアプローチ方法は変わりましたか?

    30代、異性愛者、男性

    「はい。これまではただムードに任せて、身体的(合図)を頼りに物事を進めていましたが、これからは具体的に、2人が同じことを望んでいるか、先に進みたいと思っているのか、確かめるつもりです」

    レズビアン、年齢非公開

    「はいとも言えますし、いいえとも言えます。レズビアンはもともと、互いの気持ちについて話すことが多く、私はそれが好きです。なぜなら重要なことだからです。私は#MeTooをきっかけに、あらかじめセックスの話ができない人とは、たぶんセックスしたくないのだと思うようになりました。ただし、同意に関しては、間違いなくもっと相手を尊重しなければならないと思っています。私は同意について理解してきたので、これまでも、相手を尊重してきたと思います。それでも、これまで以上に、自覚と思いやりを持つようになりました」

    22歳、異性愛者、男性

    「はい。僕は女性にアプローチするとき、ある意味、性差別的だったと思います。今は、どうやってアプローチすべきかわかりません。正直に言うと、どのようにアプローチしても、自覚のない差別になるのではないかと感じています。魅力的な女性に出会うたびに、強い葛藤と混乱を覚えます。魅力的な女性だと思っただけで、相手が不快に感じるのではないかと心配になるからです」

    60代、レズビアン、禁欲主義者

    「いいえ。(男女両方との)虐待的な関係を何度も経験したので、セックスのパートナーを持つこと、親密な関係になること自体をやめました(これはとても前向きな決断です)」

    24歳、異性愛者、男性

    「いいえ。今の時代、僕たちは皆、誰かと身体的・性的な交流を始めるとき、相手にその気があるかどうかを十分理解しています。アルコールや薬物、一方による強制が必要な場合、そこには同意など存在しません。双方による口頭でのやり取りや合意が必要な場面では、同意がないことは決して正当化できません」

    55歳、ゲイ、男性

    「体を触ったり、まさぐったりするときは、相手に尋ねるようにしています。たとえ皆がセックスの相手を探しにきている薄暗いバーであっても」

    33歳、無性愛者、女性

    「私は(かなり)若いころ、誰かに拒絶されたら『とても傷ついて』いました。今はわかります。デートしたくないときにノーと言うことは、完全に正常な反応だということが」

    33歳、異性愛者、男性

    「完全に変わりました。気まずいかもしれませんが、何らかの交流が避けられない状況のときは、あらかじめ意思を確認するようにしています」

    40歳、ゲイ、男性

    「変わりました。オンラインでアプローチするときは、もっと思慮深くなろうと心がけています。下品な写真を投稿して、誰かからの反応を待つのは、あまりに安易だからです。写真を見る人たちの中には、そのような形の『誘い』に全く関心がない人もいるかもしれません」

    32歳、バイセクシュアル、女性

    「いいえ。私は(14年前に結婚した相手と)信頼関係を築いており、対人距離や境界線、許されること、許されないことについて共通認識を持っています。ただ、そうした環境にいる人間としては、何がいちゃつきと見なされ、何が嫌がらせと見なされるかを知ることは、ほかの人より少し大変なことかもしれません。異性愛者の立場からすれば、男性たちが何を行き過ぎだと思うのかはっきりわかりません。バイセクシュアルの立場から見ても、どのように女性を口説くのが適切かよくわかりません」

    23歳、バイセクシュアル、ノンバイナリー

    「いいえ。自分がクィアだと気付く過程で、私はいろいろ学びました(正直に言うと、何度か度を越してしまいました)。#MeTooムーブメントが始まったときはすでに、大人、つまり、20代前半が知っておくべきことを理解していたと思います」

    22歳、異性愛者、男性

    「女性たちは、男性との関係において、たくさん嫌な経験をしているようです。それを考えると、気持ち悪い男だと思われないようにアプローチする方法がわからなくなります」

    40歳、異性愛者、女性

    「『同意』なしではいちゃつくことができないなんて、おかしいと思います。自然なことをした男性が、トラブルに巻き込まれているのですから。人々が傷ついたと言い始めるまでは、問題ですらなかったことです」

    23歳、無性愛者、女性

    「なんとなく変わりました。私は無性愛者です(本当です。私はクィアで、LGBTQ+コミュニティーの一員です)。そのため、誰かに性的魅力を感じることはありません。ただ、恋愛感情を抱くことはあります。私は#MeTooムーブメントをきっかけに、もし不当に扱われても、きちんと伝えれば聞いてもらえると思うようになりました。自分には、自分の身に起きたことについて発言する権利がある、という自覚も生まれました。恋愛感情を抱いた相手に自信を持ってアプローチできるようになり、セクシュアリティーに関して何が心地良いかを自分で判断していいのだ、と感じられるようになりました」

    33歳、異性愛者、女性

    「私はいちゃつくのが苦手です。誰かが私に惹かれていることを察するのも苦手です。相手が境界線について疑問を持つことが嫌なので(境界線は同じなのに!)、私は以前より率直になりました。『いいお尻!』などの発言についても考え直しました。もし言われた人が気楽に受け取れないのであれば、セクハラしたことになるのです」

    #MeTooムーブメントは、過去の行動を振り返るきっかけになりましたか?

    18歳、バイセクシュアル、女性

    「自分の行動ではなく、他者の行動について、振り返りました。例えば、ある人とセックスしたとき、同意したことは確かで、キスに同意したことは覚えていますが、セックスに同意した覚えはありません(それどころか、セックスをしたことすら覚えていません)。間違いなく、セックスに同意できないほど酔っていたということです。当時、私は17歳で(英国では、同意が必要な年齢は16歳以下です)、彼は28歳でした。彼がもっと責任を持って、私が飲み過ぎているから同意できないことを認識すべきだったと思います」

    24歳、異性愛者、男性

    「僕はセックスしたいけど、ガールフレンドのほうはしたくなかったとき、彼女の方が『受け入れて』、僕を喜ばせてくれたことがあります。彼女のボディーランゲージや声のトーンは明らかに、セックスしたくないと訴えていました。それでも僕は続けました。終わった後、彼女は泣きだしました。僕が、彼女よりセックスに関心があると感じて、嫌な気分になったと言ったのです。

    僕は恐ろしくなり、それを機に行動を変えました(4年くらい前のことです)。しかし、そうした行動を取ってしまう理由について2人で話し合ったのは、#MeTooムーブメントがきっかけです。僕はさらに、僕たちが男性として、たとえ間接的にであっても、セックスをすれば力強い存在になれると教えられてきたことについて、考え始めました。

    また、僕はその反対についても考え始めました。つまり、性的な誘いを拒絶されると、自分は弱い、望まれていない、魅力的でないと感じてしまうことについてです。僕は以前、適切な方法で頼めば、あるいは、十分に好ましい人間であれば、ガールフレンドは必ずセックスをしたがる、と心から信じていました。だから、拒絶されたら、恥ずかしさやむなしさを感じ、彼女の『ノー』は僕に対する気持ちそのものだと受け止めていたのです。

    #MeTooは僕に、『ノー』は僕についての言葉ではなく、彼女自身についての言葉だということを気付かせてくれました。そのおかげで、ガールフレンドがセックスを望まなくても、自分に対する個人攻撃だとは受け取らなくなりました。彼女は僕を愛していて、僕に魅力を感じているけれど、望んでいることは時によって違う、ということがわかりました。そうしたことに最初から気付いていなかったということが、今ではばかばかしく思えます。僕の無理解は、セックスに対する理解がどのように形成され、レイプ文化や男性の特権につながるかをよく物語っています」

    21歳、不明、男性

    「はい。前の晩に一緒に寝た女性の隣で目覚め、相手に確認することなく、起き抜けの行為を始めたことが何度もあります。いつもそうしていましたが、前日OKだったことが今日や明日もOKとは限りません。絶対に同意を得なければなりません」

    72歳、レズビアン、女性

    「1950年代に#MeTooムーブメントがあったとしたら、私の人生はもっと楽しいものになっていたでしょう。私は手荒な扱いを受けたことがきっかけで、いつも異性を恐れながら生きていました。世界との接触を断ち、1人の男性と安全に暮らすため、19歳で結婚しました。しかし、それは大きな間違いでした」

    24歳、バイセクシュアル、ノンバイナリー

    「はい。特に、自分の方が『熱心』なときの行動を振り返りました。私はセックスを焦ることがよくあります。それを期待されていると思っていたためです。しかし今は、私のそうした反応が、相手に親密さを強要していたということに気付きました。誰もがこのような行動を取っていると、私は思っていたのです」

    53歳、異性愛者、男性

    「はい。私は映画やテレビのまねをしていました。ジェームズ・ボンドの映画や『M*A*S*H マッシュ』のホークアイ・ピアスなど、映画やテレビの男性はたいてい、ノーという答えを受け入れていませんでした。そのため、たとえ女性にノーと言われても、性的な言葉をかけたり、誘ったりしてもいいと思っていました」

    22歳、クィア、ノンバイナリー

    「はい。5年くらい前の、ある関係を振り返りました。相手が迷っていることは明らかでしたが、私は、ぎこちないイエスを、情熱的な同意と受け取りました。その後、2人で話し合ったとき、酔っていたこともあり境界線が侵害されたと思っていないと言われました。でも、私はこれまでの経験から、ぎこちないイエスの重みをよくわかっています。私は自閉症スペクトラムで、非言語的なサインを読み取るのは苦手なのですが、相手が体で伝えようとしていることに、もっと敏感になろうと努力しています」

    23歳、ゲイ、ノンバイナリー、外見は男性

    「はい。以前の私は身勝手だったと思ったからです。例えば、同意を得てヌード写真を送ったことがある相手に、もう一度ヌード写真を送りつけたり、セックス中に、きちんと確認することなく、ポジションを変えたり、新しいことを始めたりしていました。ビリーが火曜日にヌード写真をほしがったからといっても、水曜日に無断でもう一度送ってもいいことにはなりません。さらに、自分の性的コミュニケーションも改善しました。パートナーにいろいろ質問し、フィードバックをもらうようになったからです」

    40歳、バイセクシュアル、女性

    「はい。私はオーラルセックスしてもよいかとはっきり聞かなかったため、恋人に性的暴行で訴えられたことがあります。私たちは2人でベッドに入り、2人とも服を脱ぎ、いちゃつきました。彼女は私の女性器に触れ、『愛してる』と言いました。彼女の訴えについてセラピストに相談すると、同意には言語的なものも非言語的なものもあるが、私は(恋人に)確信させなかったのではないかという答えが返ってきました」

    24歳、ゲイ、男性

    「私は#MeToo以降、酔っているときは同意できない状態だ、という記述をいくつも目にしました。そして、自分の行動を振り返りました。私は泥酔し、セックスした記憶がない状態で、男性のベッドで目覚めたことがあります。一度や二度ではありません。今でもレイプされたとは思いませんが、その夜起きたことに対して同意したとも思いません」

    23歳、無性愛者、女性

    「はい。私はある教授からセクハラを受けたことがあります。また、過去のパートナーのうち2人は、傷つけるつもりはなかったとわかっていますが、私の同意を得たことがなく、同意を求めることすらありませんでした。彼らはただ、私が自分からノーと言わなかったので(当時の私はショックのあまり、ノーと言う選択肢があることに気付いていませんでした)、それはイエスを意味すると思い込んでいたのです。

    自分が何を望んでいるか、よく考えて判断する余裕がなかったため、私はいつも相手に従い、その後で、とても嫌な気持ちになりました。パートナーたちは、私を傷つけるつもりも、不快にさせるつもりもなかったのだとわかってはいますが、積極的かつ情熱的な同意があることを確認するのは双方の責任です。彼らが立ち止まって確認することはありませんでした。私にとっては暴行のようなものです」

    41歳、バイセクシュアル、女性

    「はい。私は大学時代、仲の良い友人といちゃついたことがあります。彼は嫌がり、やめてほしいと言いました。男性の方からブレーキをかけられた唯一の経験です。本来、ブレーキをかけるのは私の役割です! 私は混乱し、途中でやめました。今振り返ってみると、彼はどう感じたのだろう、私はどうすべきだったのだろうと思います」

    40歳、バイセクシュアル、男性

    「はい。一度あります。20年くらい前、私はある女性とコンドームなしでセックスしました。一夜限りの関係で、彼女は何も言いませんでした。私たちは今も良い友人です。けれども、今振り返れば、間違っていたと思います。彼女が本当にセックスしたかったのかさえわからないからです。彼女は私を止めなかったし、(セックスに)反対しませんでした。けれども、間違いなく、彼女の中に入ってきてほしいとは言いませんでした。私たちは幸運だっただけです」

    32歳、バイセクシュアル、パンセクシュアル、女性

    「過去の私はかなり強引で、おそらく相手が嫌がるようなことをしていました。女性の立場からすれば、特に男性はいつもセックスしたがっている、これは明らかに例外ではない、と思い込むのは簡単です。私は(クラブなどで)、相手が望んでいるかなどお構いなしに、男性の体を触ったりつかんだりしていました。

    恋愛関係では、自分が心地良く感じない性行為も受け入れていました。断わり方がわからないか、拒絶してはいけないと思ったか、ノーと言っても相手に無視されたからです。悪いこと、あるいは、異常なことだという認識はありませんでしたが、今振り返ってみると、普通ではありません」

    31歳、異性愛者、女性

    「はい。大学時代の行動を振り返りました。男友達と夜を過ごしたときのことです。2人でお酒を飲み、キスをした後、私が彼の上に乗り、セックスしました。そしてしばらくたってから、彼が童貞だったことを知りました。私は恐ろしくなり、彼は怒っているのではないか、レイプされたと感じているのではないかと悩み続けました。直接聞きたいけれど、彼をSNSで見つけることができません。たとえ見つかっても、連絡を取る勇気があるかどうかわかりません。私はろくでなしです」

    35歳以上、異性愛者、女性

    「すでに離婚しましたが、元夫は、性的欲望を満たすことがすべてで、私がどう感じているかなんてお構いなしでした。私のニーズや気持ちはどうでもよかったのです。そして私のほうは、結婚している以上、彼を性的に喜ばせることは私の務めであり、『さもなければ』彼は私を裏切るか、出て行くか、私は悪い妻だということになると信じていました。

    彼には性的なファンタジーがいくつかあり、その中でも、寝ている女性が性行為で起こされることに憧れていました。私はひどい不眠症であることとは無関係に、いろいろな理由でこの行為が嫌でした。そして今、#MeTooをきっかけに、これが一種のレイプだったということに気付きました! 10代の娘と同意や恋愛について話すとき、こうした気付きが役に立っています。しかも、そうした会話をすること自体が容易になりました。すでに扉が開かれているためです」

    30歳、バイセクシュアル、女性

    「はい。愛情ではなく欲望の対象にされていると感じたとき、配偶者に直接伝えるようになりました(何かを拾おうと前かがみになったときや、ストレッチやヨガをしているとき、彼が私のお尻をつかんでセックスを始めることがあります。ふざけているつもりなのでしょうが、とても無礼で屈辱的な行動です)。その際、私が嫌がっている理由をうまく伝えようと努力しています。私に性的魅力を感じてくれている彼への直接攻撃と受け止められたり、彼への恋愛感情がなくなったと思われたりしては困るからです」

    27歳、ゲイ、男性

    「本当は望んでいないのに受け入れたときのことを思い出しました。興味深いことに、人々はこうした気持ちを理解できないようです。例えば、『誘い続ければ、ほのめかし続ければ、最終的に、相手も同じ気持ちになる』と思っている人もいます。いったん返事をしたら、覆すことはできないと思っている人もいます。気持ちが変わったときは言うから、二度と尋ねないでほしいと思っている人もいます。もう興味がないのなら、それで構わないと思っている人もいます」

    不快な思いをしたとき、相手とその話をしたことはありますか?

    31歳、異性愛者、女性

    「最近のパートナーと、ごく最近の出来事について話したことがあります。まるで、レンガの壁に話しかけているようでした。彼は私の懸念に全く耳を貸さず、すべてはねつけた上で、私(とすべての女性)に責任をなすり付け、よくある言葉で私を侮辱しました。私はセックスが下手だ、不感症だ、尻軽だといった言葉です(不感症で尻軽というのは矛盾する言葉です。どうすれば両立するのかと尋ねたら、彼は激怒し、さらに侮辱し続けました)。

    最終的に、私は彼を拒絶しました。私たちは数年来の友人だったため、とても悲しい気持ちになりました。しかも、彼はフェミニズムに寛容で、理解がありました。簡単に言えば、私たちは互いを知っていて、彼は私に夕食をおごったので(私ははっきり断わりましたが、彼は私がトイレに行くのを待って、支払いを済ませました)、私にはセックスする義務がある、と彼は思ったのです」

    22歳、バイセクシュアル、男性

    「はい。ある女性と話し合ったことがあります。何も教わっていない10代として、何が間違っているかを知ることすら難しい、という話をしました。公立高校でも教わっていませんし、もちろん、福音派の家族や教会は教えてくれません。教育のまずさと意識の欠如が原因で、人々は傷つき、互いを傷つけるのです。そのとき、何が起きているかをわかっているとは限りません」

    27歳、異性愛者、男性

    「話しました。素晴らしい体験でした。僕も、僕が傷つけた女性も、自分は相手を利用していたと思っていたことがわかったからです。彼女が僕の謝罪を受け入れ、許してくれたとわかり、僕は大きな肩の荷を下ろすことができました。今では良い友人になり、時々、家族ぐるみで夕食会を開いています」

    16歳、バイセクシュアル、女性

    「私は彼らに謝罪し、自分がひどい人間であると理解していなかったこと、傷つけるつもりはなかったことを伝えました。連絡を取りたい男性が1人いますが、とても不安で、実行に移すことができません。彼に会いたいです」

    28歳、異性愛者、男性

    「あまりに恐ろしく、決まりが悪いため、連絡を取ることができません。僕は不適切だったと相手が思っているかどうかもわからないし、相手が、僕がしたことを覚えているかどうかさえわかりません。もし相手が、間違っていると思っていないのであれば、僕もその話を持ち出したくありません。なにしろ10年近く会っていませんから。何より、もし相手がそれを望んだら、愚かな大学生だった10年前の行動が、僕の人生をつぶす可能性すらあるのです」

    33歳、パンセクシュアル、女性

    「私をレイプした男性と、今でもSNSでつながっています。彼は自分がしたことに気付いておらず、私が伝えようとしても、真剣に受け止めませんでした。いずれにしろ、私は、同意や境界線の問題があったこうした男性との関係を、私の人生から切り離しています」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:梅田智世、米井香織/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan