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2017年12月2日

すべての人に知ってほしい、生殖能力と年齢の関係についての事実。

「35歳になったから避妊は不要?」「40代の妊娠する確率は?」「男性も年齢とともに生殖能力が低下?」年齢と女性の妊娠率や生殖能力の関係について、子どもがほしいと思っている人も、そうでない人も、覚えておくべき基本を紹介します。

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1. 年齢を重ねるにつれ、とりわけ女性の生殖能力は低下するが、思ったほど急激には下がらないかもしれない。

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女性は30代半ばから、避妊せずにセックスした時に妊娠する確率が低下し始める。とはいえメディアは、妊娠できる可能性が一気に下がる「35歳の壁」について、騒ぎすぎだ。

婦人科顧問医であるオックスフォード大学のティム・チャイルド教授はBuzzFeed Newsに対し、「たしかに、女性の生殖能力は年齢とともに低下します」と述べている。「けれども、急激に下がるわけではありません。緩やかなカーブを描き、30代後半を過ぎると大きく右下がりになります」。女性が40歳というカップルが12カ月間にわたって妊活をした場合、「妊娠する可能性は約50%」だという。ただし、流産の可能性は高くなる。

インペリアル・カレッジ・ロンドンで生殖研究を行うロバート・ウィンストン名誉教授もそれに同意し、「女性は本人たちが思うよりも長く、生殖能力を維持します」とBuzzFeed Newsに対して述べた。「第一子の出産平均年齢は現在、30歳を超えていますが、イギリスでは出生率の低下は認められません。30歳で生殖能力が落ちるという考え方はまったく無意味です」

2. 妊活を始めてすぐに子どもができないからといって、心配する必要はない。

Frentusha / Getty Images

子どもがほしいと思って努力している時は、ひと月が経つのがとても遅く感じられる。しかし、すぐに妊娠するケースはきわめて稀れだ。

「イギリス人のカップルの場合、1回の周期で妊娠する可能性は約20%です」とウィンストン名誉教授は話す。「オーストラリアはそれよりも少し高いのですが、それはセックスする頻度が高いからです。一方、フランスではセックスの頻度が低いので、妊娠する可能性も低くなっています」

「平均すると、妊娠するまでには5カ月かかります。10カ月や1年以上経っても妊娠できないということでなければ、問題はありません。問題があると本人が考えるなんらかの理由がない限り、1年未満であれば、わたしは医学的検査を行おうとは思いません」

性と生殖に関するリプロダクティブヘルスのコンサルタント、ヘレン・マンロー医師も同じ意見だ。「カップルが1年にわたって週に2~3回セックスをしていても妊娠できなかったとしたら、検査を行うかもしれません」とBuzzFeed Newsに語った。「そうでなければ、違うとはっきりするまでは、生殖能力があると考えます」

チャイルド教授はこう話す。「健康なカップルが1年間で妊娠する確率はおよそ80%です。そして、その期間に妊娠しなかったカップルの半数は、その翌年に自然に妊娠します。単に長くかかるだけです」

3. 避妊しても不妊症にはならない。

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「避妊を始めようとして来院する女性がまず気にするのは、避妊すると不妊症になるのではないか、ということです。低用量経口避妊薬(ピル)や子宮内避妊用具が不妊を招くと考えているのです」とマンロー医師は言う。

「私は、多くの時間を割いて、避妊しても不妊症にはならない、と若い女性たちを安心させています。こんな通説が生まれたのは、避妊をやめてもなかなか妊娠できなかった人がいたからかもしれません。けれども、それは避妊のせいではありません。私は医師であり、人体に害を及ぼすことは何よりも避けています。避妊が不妊症の原因になると思える理由があれば、ピルを処方したり、避妊具を装着したりしません」

4. 妊娠できない可能性や流産の危険性は、30代後半から40代にかけて上昇する。

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チャイルド教授によれば、女性は卵巣内に200万個から300万個の卵子を持って生まれてくる。「一般的には、卵子がなくなったら不妊症になる、と思われています。そういう場合もありますが、たいていは、年齢が上がるにつれ、残っている卵子の質が低下していきます。その理由はよくわかっていません」

排卵は続くかもしれないが、卵子に遺伝子的な問題が生じる可能性は高くなるわけだ。ということは、それらの卵子が受精しても、着床する可能性は低く、妊娠期間が進むにつれて流産の可能性が高くなっていく。

出産をいつにするかを決める際には、多くの要素が絡んでくる。「私たちの寿命は延び、働く時間も長くなっています」とマンロー医師は言う。「何を優先するかも変わってきました。21歳で出産することは優先事項ではないし、それは良いことです。けれども、人間の体は変わっていません。生殖能力がピークを迎えるのは、現在でも20代半ばです」

英国生殖協会(British Fertility Society:BFS)の会長を務める生殖医療コンサルタント、アダム・バレンによれば、子どもがたくさんいる大家族にしたいと強く望むなら、産み始めるのは早い方がいいという。「1人っ子で構わないなら、30代前半まで出産を待っても、高い確率で妊娠できるでしょう」とバレン会長はBuzzFeed Newsに語った。けれども、子どもがたくさんほしいなら、その願いを叶えるためにも、早いうちから産み始めることを検討すべきかもしれない。

一方でマンロー医師は、女性の生殖能力に関してメディアが騒ぐのは助けにならないと話す。「女性は本質的に理解しているのだから、他人にとやかく言われる筋合いはありません。私は臨床医としてさまざまな女性を診ています。35歳の女性が仕事で忙しく、計画外妊娠を望まないのであれば、選択肢として適切に避妊するよう提案します」

5. 男性も、年齢とともに生殖能力が低下する。

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女性の生殖能力の低下ばかりが注目されがちだが、男性にも同じ問題がある。ただし男性の場合は、生殖能力が低下し始めるのは女性より遅く、その現れ方も異なる。

「染色体の数に異常が見られる精子の割合は増えますが、そうした現象が見られるのは、女性の生殖能力低下年齢と比べておよそ10年遅いです」とチャイルド教授は話す。「イギリスでは、精子提供者は40歳未満と決められています。ただ、精子の質が低下しても、数はゼロにはなりません。だからこそ、チャーリー・チャップリンは70代で子どもができたのです」

6. 体外受精は万能ではないし、不要であっても勧められる場合がある。

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ウィンストン名誉教授は、イギリスで行われる体外受精(IVF)の半分は不要な処置だと見ている。「クリニックはIVFを実施してお金を儲けている」のだという。多くのカップルがIVFを必要としていないという意味ではないが、クリニック側には患者にIVFを勧める動機があるのだ。

ウィンストン名誉教授は、不妊問題にはさまざまな種類があり、それぞれに最も適した処置や治療法があると話す。「例えば、排卵がない場合は、IVFよりも薬で治療した方がいい。卵管閉塞の場合は、IVFよりも腹腔鏡手術のほうが適しています」

さらに、不妊の原因がはっきりと突き止められなかったら、IVFを受けるより、「暖炉の前に敷いたじゅうたんの上でセックスした方が、妊娠する可能性が高い」とウィンストン名誉教授は述べる。

7. カップルに子どもができるかどうかには生活習慣も関係するが、この場合も影響は思ったほど大きくない。

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「生殖能力を低下させることが立証されているのは肥満と喫煙です」とチャイルド教授は話す。これは男性にも女性にも当てはまるが、女性への影響の方が大きい。

とはいえ、関連性はそれほど強くない。タバコを吸う人と太りすぎの人が、そうでない人よりも妊娠する可能性がとりわけ低いというわけではない。「タバコを吸うと妊娠できなくなるとか、吸いすぎると精子の数が減少するとか言われているが、そういったライフスタイルの選択が大きな違いを生むことはおそらくありません」とウィンストン名誉教授は述べる。また、アルコールやカフェインが生殖能力に影響を及ぼすという根拠はきわめて弱い。

度を越した激しい運動をする女性の生理が止まってしまう場合があるのは事実だ。ウィンストン名誉教授によれば、「女性アスリートには排卵が止まってしまう人もいます」という。「けれども、大部分の若い女性には関係のない話です」

8. 筋肉をつけたいからといって(ステロイド以外でも)サプリメントを飲むべきではない。また、性感染症に注意すること。

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「ジムに通ったりして健康を維持するのはいいことだが、ネット購入できるサプリメントは服用してはいけません」と、BFSのバレン会長は言う。

筋肉増強剤が含まれているとわかっているなら、特に服用すべきではない、とバレン会長は言う。しかし、それ以外のサプリメントも、「精子の生成に永久的な損傷を引き起こし得るので、筋肉隆々に見えたところで、精子の生成能力を完全に止めてしまいかねない」

「ステロイドを服用していないのに、精子の数に問題がある男性に会ったことがあります。彼らはサプリメントを飲んでいました」とバレン会長。「サプリメントに何が含まれているか知らないだけなのです」

また、性感染症も、のちに不妊症を招く可能性がある。「クラミジアなどは、不妊症が起きる可能性を高めます」とマンロー医師は言う。「クラミジアを治療せずに放置していると、骨盤内炎症性疾患になりやすいのですが、この疾患は生殖能力に影響が及びかねないので、気をつけるべきです。また、男性は淋病になると、副睾丸に炎症が広がり、精子数が減ってしまいます」

9. 意外なほど高齢でも妊娠は可能なので、「35歳になったから避妊は不要」などと考えてはいけない。

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若い女性の妊娠率は低下しているが、35歳以上や40歳以上の女性の妊娠率は上昇している。「私は学生たちに、『こうした妊娠は、思いがけない妊娠か、それとも計画的な妊娠か、どちらだろうか』と尋ねています」とマンロー医師は述べる。「私はその両方だと思います」

マンロー医師の考えでは、多くの女性は40歳を過ぎたら避妊をしなくてもよいと思い込んでいる。「もしかしたら、別れや離婚を経て、新たなセックスや恋愛を模索しているのかもしれませんが、40歳を超えても妊娠は確実に可能です。『35歳の壁』の話を散々聞かされてきたせいで、妊娠できることをつい忘れてしまう女性がいないわけではありません」

マンロー医師は例として、元イギリス首相トニー・ブレアの妻シェリー・ブレアを挙げた。トニーが首相を務めていたとき、45歳のシェリーが妊娠した話は有名だ。「生理が完全に止まってしまうまで、妊娠は可能です」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:遠藤康子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

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