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双子の姉妹が訴える、強迫性障害の苦しみ

シャワーに何時間もかけずにいられない、他人に手を触れられないなど、長年OCD(強迫性障害)に苦しみ、TVなどで体験を話してきた双子の姉妹が命を絶った。

3月、コロラド州ロイヤル・ゴージ・ブリッジ&パーク付近に停めていた車中で、サラ・エルドリッチさん、アマンダ・エルドリッチさん姉妹が遺体で発見された。

二人はコロラド州ブルームフィールド在住で、33歳の双子の姉妹。2017年、テレビ番組のトークショーThe Doctorsに出演し、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder 、OCD)の過酷な症状について語っていた。OCDは不安障害の一つで、ある考えが頭に浮かんで侵入し(侵入思考)、その衝動によって同じ行為(儀式)を繰り返さずにいられないという特徴がある。清潔かどうかが極度に気になる、あるものが左右対称でなくては気がすまないといった強迫観念や、1日に何十回も手を洗うなどのように、ある行為を繰り返しやらずにいられない強迫行為がある。この2年ほど、姉妹と母親はOCDが自分たちの生活にどう影響をおよぼしてきたかについて、公の場に出て語ってきた。3年ほど前、姉妹は脳深部刺激療法(deep brain stimulation 、DBS)を受けており、その体験についても番組で語っていた(OCDでは他の治療法で効果がみられない場合に限ってDBSを行っている)。コロラド州フレモント郡当局によると、二人の死因は銃による致命傷だが、二人ともが自殺を図ったのか、一人がもう一人を撃った後に自殺を図ったのかは明らかになっていない。当局は「捜査と検死の結果、本件は単発の事由であり、市民への脅威はない」との声明を出している。
The Doctors / Via youtube.com

二人はコロラド州ブルームフィールド在住で、33歳の双子の姉妹。2017年、テレビ番組のトークショーThe Doctorsに出演し、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder 、OCD)の過酷な症状について語っていた。

OCDは不安障害の一つで、ある考えが頭に浮かんで侵入し(侵入思考)、その衝動によって同じ行為(儀式)を繰り返さずにいられないという特徴がある。清潔かどうかが極度に気になる、あるものが左右対称でなくては気がすまないといった強迫観念や、1日に何十回も手を洗うなどのように、ある行為を繰り返しやらずにいられない強迫行為がある。

この2年ほど、姉妹と母親はOCDが自分たちの生活にどう影響をおよぼしてきたかについて、公の場に出て語ってきた。3年ほど前、姉妹は脳深部刺激療法(deep brain stimulation 、DBS)を受けており、その体験についても番組で語っていた(OCDでは他の治療法で効果がみられない場合に限ってDBSを行っている)。

コロラド州フレモント郡当局によると、二人の死因は銃による致命傷だが、二人ともが自殺を図ったのか、一人がもう一人を撃った後に自殺を図ったのかは明らかになっていない。当局は「捜査と検死の結果、本件は単発の事由であり、市民への脅威はない」との声明を出している。

姉妹にOCDの症状が現れたのは子どものころで、以来、さまざまな治療法を試してきた。

母親のキャシー・ウォーランドさんは2017年、The Doctorsのインタビューで次のように答えている。「二人が小さかったとき、靴や靴下をはくのには本当に長い長い時間がかかりました。靴下にしわがよっていてはいけないし、靴ひもは決まった形にきちんと結んでないといけないんです。全部終わるまでに30分、45分、1時間だってかかりました」二人は番組の中で、清潔を保つための洗浄の儀式を繰り返すようになったのは中学生のときだったと振り返っている。20代初めには、長いときはシャワーを浴びるのに10時間かけ、石けんをまるごと1個使ったこともあったという。二人は友人を失っていった。「シャワーを浴びるのに1日かかっていたのでは、家から出て友だちに会うこともできません」。サラさんは2017年のインタビューでそう話している。「(そんなふうにシャワーを浴びるのは)冷たくて、みじめで、本当に苦しい時間でした」。アマンダさんは2016年、ニュース番組9Newsでそう語った。「身体を洗うのにオキシドールとアルコールを使うんです。顔を洗うのにオキシドールを使いすぎて眉がオレンジ色になったこともありました」やめたくてもやらずにいられない儀式を繰り返すのは苦しく、神経はすり減り、疲弊したが、症状は軽くならなかったという。「本当につらいです。途方もなく苦しいんです。それでもただやってしまうんです、そうするしかないみたいに。OCDが『これをやれ、やれ』と言ってくるから、私は『わかったわかった、やるから』みたいに」とサラさん。「誰かに銃を突きつけられて、その人の言うことを聞いているみたいな感じです。絶対に言われたとおりにするしかないんです。これまでありとあらゆる治療を試してきました。二人とも12歳のときから薬で治療を受けています」とアマンダさんは言う。OCDの症状のため、二人は働くことも、旅行に出ることも、お互いや母親を含め他人に触れることもできなかった。
The Doctors / Via youtube.com

母親のキャシー・ウォーランドさんは2017年、The Doctorsのインタビューで次のように答えている。「二人が小さかったとき、靴や靴下をはくのには本当に長い長い時間がかかりました。靴下にしわがよっていてはいけないし、靴ひもは決まった形にきちんと結んでないといけないんです。全部終わるまでに30分、45分、1時間だってかかりました」

二人は番組の中で、清潔を保つための洗浄の儀式を繰り返すようになったのは中学生のときだったと振り返っている。20代初めには、長いときはシャワーを浴びるのに10時間かけ、石けんをまるごと1個使ったこともあったという。

二人は友人を失っていった。「シャワーを浴びるのに1日かかっていたのでは、家から出て友だちに会うこともできません」。サラさんは2017年のインタビューでそう話している。

「(そんなふうにシャワーを浴びるのは)冷たくて、みじめで、本当に苦しい時間でした」。アマンダさんは2016年、ニュース番組9Newsでそう語った。「身体を洗うのにオキシドールとアルコールを使うんです。顔を洗うのにオキシドールを使いすぎて眉がオレンジ色になったこともありました」

やめたくてもやらずにいられない儀式を繰り返すのは苦しく、神経はすり減り、疲弊したが、症状は軽くならなかったという。「本当につらいです。途方もなく苦しいんです。それでもただやってしまうんです、そうするしかないみたいに。OCDが『これをやれ、やれ』と言ってくるから、私は『わかったわかった、やるから』みたいに」とサラさん。

「誰かに銃を突きつけられて、その人の言うことを聞いているみたいな感じです。絶対に言われたとおりにするしかないんです。これまでありとあらゆる治療を試してきました。二人とも12歳のときから薬で治療を受けています」とアマンダさんは言う。

OCDの症状のため、二人は働くことも、旅行に出ることも、お互いや母親を含め他人に触れることもできなかった。

やがて二人はDBS療法を受ける。2016年のインタビューでは、効果はあったようだった。

できる治療はすべて試した。催眠療法からカウンセリング、20種以上の薬まで、時には多少の効果はあったが、症状を緩和するまでには至らなかった。DBSは一般的に、パーキンソン病など運動障害の症状を改善するために使われることが多い。OCD患者にとっては、他の治療法で効果がみられない場合の選択肢となる。脳に電極を埋め込み、鎖骨近くの皮下に挿入した電池式の神経刺激装置とつなぐ。「脳深部に入れた刺激電極が、脳内の側坐核と呼ばれる部分の活動を抑制します。この領域を抑制すると、それまでほどは不安に襲われなくなるのです」。手術を執刀したデヴィッド・ヴァンシックル医師は、姉妹と共に出演したThe Doctorsでこう説明した。「そうすると、こうした強迫観念や強迫行為にもより正常に対処できるようになります」治療を行ったのはコロラド州リトルトンのリトルトン・アドベンティスト病院だった。DBSを受けた後、二人はアルコールやオキシドールで消毒する回数を減らすことができ、シャワーにかける時間も短くなった。「人生で初めて、自分の不安を見つめてこう思えたんです。ちょっと待って、こんなことするのはばかげてるし、こんなことは今ここでやめられる、って」アマンダさんは9Newsでそう語った。クリスマスの日、姉妹は母親と抱き合うことができた。母親のウォーランドさんは昨年の取材でこう話している。「あの治療を受けなければ絶対にありえなかったことです。これまでの長い年月で、あんなにうれしかったことはありません」今、友人たちは母親のキャシーさんのためにクラウドファンディングで寄付を募っている。
9News / Via youtube.com

できる治療はすべて試した。催眠療法からカウンセリング、20種以上の薬まで、時には多少の効果はあったが、症状を緩和するまでには至らなかった。

DBSは一般的に、パーキンソン病など運動障害の症状を改善するために使われることが多い。OCD患者にとっては、他の治療法で効果がみられない場合の選択肢となる。脳に電極を埋め込み、鎖骨近くの皮下に挿入した電池式の神経刺激装置とつなぐ。

「脳深部に入れた刺激電極が、脳内の側坐核と呼ばれる部分の活動を抑制します。この領域を抑制すると、それまでほどは不安に襲われなくなるのです」。手術を執刀したデヴィッド・ヴァンシックル医師は、姉妹と共に出演したThe Doctorsでこう説明した。「そうすると、こうした強迫観念や強迫行為にもより正常に対処できるようになります」

治療を行ったのはコロラド州リトルトンのリトルトン・アドベンティスト病院だった。

DBSを受けた後、二人はアルコールやオキシドールで消毒する回数を減らすことができ、シャワーにかける時間も短くなった。「人生で初めて、自分の不安を見つめてこう思えたんです。ちょっと待って、こんなことするのはばかげてるし、こんなことは今ここでやめられる、って」アマンダさんは9Newsでそう語った。

クリスマスの日、姉妹は母親と抱き合うことができた。母親のウォーランドさんは昨年の取材でこう話している。「あの治療を受けなければ絶対にありえなかったことです。これまでの長い年月で、あんなにうれしかったことはありません」

今、友人たちは母親のキャシーさんのためにクラウドファンディングで寄付を募っている。

Facebook: LittletonAdventistHospital

姉妹の治療を担当した病院はメッセージを出した。

「サラさん、アマンダさんの死に私たちは心を痛めています。当院の担当チームが初めて二人と会ったのは3年以上前のことです。二人を苦しめていた強迫性障害の症状を改善するため、二人は侵襲の少ない脳深部刺激療法による治療を受けました。サラさん、アマンダさんは勇気をもって、人に励ましを与えてくれました。困難な状況にあっても、みずからの経験を語ることで誰かの助けになればと願っていたのです。ご家族、友人のみなさんに心よりお悔やみ申し上げます」

米国で強迫性障害を抱える人はおよそ200万人を数える。

アメリカ精神医学会の発表によると、米国でOCDを抱えているのは成人の約1.2パーセント。子どものときに症状が現れる場合もあり、平均発症年齢は19歳だ。

男性より女性に多く、症状の影響でどれだけ生活に支障があるかを示す重症度では、50パーセントが重度、35パーセントが中等度、15パーセントが軽度と分類される。

OCDの診断を受ける典型的な例としては、強迫観念や強迫行為で学校生活や仕事に支障をきたす、大きな苦痛や疲労が生じる、強迫行為に1時間以上かけてしまうなどの症状が出たときが挙げられる。

OCDに関する参考サイト:OCD研究会

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan

Theresa Tamkins is a health editor for BuzzFeed News and is based in New York.

Theresa Tamkinsに連絡する メールアドレス:theresa.tamkins@buzzfeed.com.

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