15年前に発見された「宇宙人」の骸骨、真実は悲劇の物語だった

それでも宇宙人はいると思います。きっとね。

2003年、チリで発見された身長わずか6インチ（約15.5センチ）の骸骨。

Bhattacharya S., et al. / Via genome.cshlp.org

これは、一体何なのか？ 肋骨が10ペア＝20本（人間の肋骨は12ペアの24本）しかないこと、頭蓋骨がとんがっていること、骨の成長板が閉じていること（幼少期後期にならないと起きない現象）など、奇妙な点が多々ある。何よりも身長がたったの15センチ。これは、人間ならば胎児、妊娠20週間程度の大きさである。

人間？ 猿？ 宇宙人？

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研究者たちは、猿、遺伝子突然変異を起こした人間の胎児、例のない小人症の初期段階の子どもなどなど様々な説を唱えた。正体不明のまま謎が謎をよぶ骸骨。2013年には、『Sirius』というタイトルで未確認生物としてドキュメンタリーの題材にもなった。内容は、DNAテストの結果、どの種にも属さないという謎をさらに煽るものだった。

一方で、この骸骨は人間のもので性別は女性、数十年前のものとする研究（2013年）もあった。

発見から15年後の今、その謎が明らかに。

Bhattacharya S., et al. / Via genome.cshlp.org

Genome Researchという記事の中で、研究論文が発表された。研究を率いたのは、スタンフォード大学医科大学院、微生物＆免疫学部のギャリー・OP・ノーラン教授だ。教授は2013年の研究にも参加している。

今回の研究の結果、この骸骨は人間の女性、骨格形成する遺伝子に非常に希な突然変異が重なったものと結論づけた。この女性が死亡したのは、50年ほど前とみられる。彼女におきた遺伝子変異は、何万という突然変異遺伝子のデータから調べたものの、彼女と同じタイプは見つからなかったというほど希少なものだった。

また、骨を見ると、彼女の年齢は4歳から6歳と推測されるものの、これは実年齢ではないというのが研究チームの見解。その理由は、遺伝子変異によって骨の成長が実年齢よりも早められたためと考えている。実際は、流産、または生まれてまもなくなくなったと考えられるという。

研究論文の共同執筆者である、カリフォルニア大学サンフランシスコ校医科大学院のアチュール・ブッティ博士がBuzzFeedの取材に応えてくれた。

「これはとても悲しい話です。悲劇にみまわれた女の子の遺体です」

チームは、この研究での発見、骨の成長異常への理解を含め、今後、同じ問題を抱える子どもたちの治療に役立てていければと考えている。

じゃあ宇宙人はいないってこと？

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宇宙人だと噂されたこの骸骨は人間だった。しかし、ブッティ博士は言う。「今回は宇宙人ではありませんでした。でも、宇宙人はいるかもしれません。私はその存在を信じていますよ」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳：soko ／ 編集：BuzzFeed Japan