ウィル・スミス、「黒人が題材の映画」出演を避けてきた理由を語る

    インタビューでは、自身が経験した人種差別についても明かした。「地元の警官には、10回以上『ニガー(黒人を総称して指す差別用語)』と呼ばれたことがあります」

    俳優のウィル・スミス(51)が、弁護士でコメンテーターとしても活躍するアンジェラ・レイと共に、インタビューで「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」運動について語った。

    Jon Kopaloff / Getty Images, Frazer Harrison / Getty Images

    ウィルは、自身も受けた人種差別の経験を明かした。そして、今後若い世代がどのようにして「怒り」を未来への原動力にできるのか話した。

    「私は、フランク・リゾ市長が統治していたフィラデルフィアで育ちました。彼は警察長官を経て市長になった人で、権力を握っていました」

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    フランク・リゾ氏は1972年から1980年にかけて、フィラデルフィアの市長を務めた。多くの人から、人種差別主義者とみられてきた

    ジム・ケニー現市長は、リゾ氏の銅像が6月3日に撤去され、「多くの人々にとって長い間、偏見や憎悪、抑圧のシンボルとなっていた」とツイートした。

    「地元の警官には、10回以上『ニガー(黒人を総称して指す差別用語)』と呼ばれたことがあります」

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    「警官に止められることもしょっちゅうでした。そのような警察がある街で、黒人として生きるとはどういうことなのかを、理解していました。警察からは、支配されているように感じました」

    郊外にあるカトリック系の学校に通っていた時、白人と黒人で、警察に対する考え方も違うと痛感した。そうウィルは語る。

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    「白人の子どもたちは、警察を見ると嬉しそうでした。でも、私の心臓はバクバクでした」

    「支配された地域に住むとは、どういうことなのか。こういった経験が無いまま生きてきた人には、理解するのは難しいと思います」

    ジョージ・フロイド氏が警察に殺害された動画を見たときの感情を、ウィルはこのように語っている。

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    「私にも2人の黒人の息子がいます。ポケットに手を入れた警察を見た時、『この警官の心はどうなっているんだ、あんなことをしておいて』と思いました」

    「抑圧された状況では、怒りを抱くのも当たり前です。しかし、その感情は危険にもなりえます」

    「怒りでエネルギーを消費しすぎないよう、気をつけるべきです」

    Will talks to Angela Rye via webcamオンラインで会話をするウィルとアンジェラ。

    人種差別に対する抗議デモは、世界各地で起きている。中でも平和的なデモに対し、ウィルはこのように語った。

    Protestors take a knee and raise their fists at a Black Lives Matter march
    Loic Venance / Getty Images

    「デモ参加者たちは、抑圧者の悪の部分を鏡に映し出してくれます」

    「平和的なデモによって、抑圧者たちの行為はさらに浮き彫りになります。世界はそれに目を向け、抑圧者たちも目を向けざるを得なくなります」

    「その鏡を力強く掲げるデモ参加者たちに、私は本当に勇気づけられました」

    A Black person raises their fist in front of a Black Lives Matter protest sign
黒人の1人が「Black Lives Matter」と書かれた看板の前で、拳を掲げている。
    Loic Venance / Getty Images

    ウィルは出演予定の新作『Emancipation(原題)』で、脱走奴隷役を演じる。これまであまり演じなかった役柄に、なぜ今回は挑戦しようと思ったのか。

    「今回の役を引き受けた理由は、私たちの原点を知り、その現実を理解しなければと感じたからです」

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    「(人種差別をとりまく)問題の1つは、黒人の歴史について知識がないことです。若い世代の、最も強固な教育を受けている人が得られるような知識や知恵を(皆で)共有できなければ、(黒人の地位を)上げていくのは難しい」

    黒人を題材にした作品に出演してこなかった理由について、ウィルはこのように語った。

    「私のキャリアを通して、イメージを構築したかったんです。黒人の子どもたちや、そのほかの人種の子どもたちのお手本になるような人物になりたかった。だから、賢くて、力のある役を演じるのに徹してきました。自分が活躍して、黒人の子どもたちや世界中の子どもたちに、自分も活躍できると思って欲しかったんです。活躍できるのは、白人だけじゃないよって」

    ウィルとアンジェラのインタビュー全編(英語)は、こちらから👇

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    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:吉谷麟