「社会人ラップ」が盛り上がり 一度離れた卒業組の受け皿にも

    初心者やヒップホップ卒業組の受け皿に

    MCバトル番組「フリースタイルダンジョン」がブームとなる中、社会人限定のフリースタイルMCバトル「社会人ラップ」が盛り上がりを見せています。

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    社会人ラップ人気の火つけ役でもある「ビジネスマンラップトーナメント」の派生大会「社会人舞句武闘会」が先日行われましたが、イベントは前売り段階で完売という人気ぶり。

    この日の大会には電通、セガなどの有名企業から就活生までとバラエティーに富んだ面々が参加しました。

    バトル前はビジネスマンらしく名刺交換から

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    その後はディスり合い!

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    目が笑ってません。

    対戦の組み合わせも見どころ。こちらは官僚VS官僚

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    「日本動くぞ」と声が上がりました。

    就活生 VS人事

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    若者の将来に光あれ。

    経営者VS労働者

    Tatsunori Tokushige / BuzzFeed

    印刷会社の総務さんだそうです。

    繰り広げられる対戦は社会の縮図

    ビートに乗せられる言葉も「広告代理店」「コンプライアンス」といったビジネス用語や「こういう営業が現場に文句ばっかり言うんだよ」と社会人経験から生まれた皮肉だったりと独特です。

    トーナメントを制したのは、普段は真珠を扱う営業のBOZさん。イギリスのEU離脱の煽りを受け、この夏のボーナスがなくなる心配を抱えながらの栄冠でした。

    初心者にも入りやすい社会人ラップ

    フリースタイルMCバトルにはどうしても怖いイメージがありますが、社会人ラップの場合、壇上に上がるのも一般の人たち。

    フリースタイルMCバトル自体を初めて見たという20代カップルは

    「みんなラップがうまいし、社会人ならではの言葉のやり取りが楽しい」(彼氏)

    「無理やり彼氏に連れてこられたけど、取引先同士の対戦だったり会社同士の関係とかも面白い」(彼女)

    と社会人という共通点から親しみやすさを感じたといいます。

    もともとヒップホップが好きで、友人に誘われて社会人ラップに初挑戦したという男性は「めちゃめちゃ楽しかったですけど、負けて悔しい」と次回参加を決意していました。

    社会人ラップだからビジネスにもつなげたい

    大会主催者のMC.A.G.Oさんによれば、社会人ラップの盛り上がりは2016年に入ってから。

    「業績と同じように集客も右肩上がりです。想定していた以上にいろんな業界、職種の方に来ていただいています。きょうの参加者の半分以上はラップが初めて。競技人口が増えているのを感じています」

    会場の隅では名刺交換をして、本職のビジネスにつなげようとする人がいるのも社会人ラップならではの光景です。

    「参加者は基本社会人。ここで出会ったメンバー同士で新しいビジネスを生み出したいですね」(MC.A.G.Oさん)

    プロは社会人ラップをどう見ているんでしょう

    提供写真

    大会でゲスト審査員を務めた関西ラップ界の重鎮グループ「韻踏合組合」のERONEさん(写真左)、SATTUSYさんの2人に話を聞きました。

    ERONEさんは「普通のフリースタイルの大会には怖いイメージもあると思うので、社会人ラップの仕組みは面白いと思う。プロじゃなくても、一般の人がラップしてストレス発散になったらいいし、草野球みたいな感覚で草ラップを楽しんでほしい」とフリースタイルの入り口として期待します。

    社会人ラップならではの名刺交換にも注目したそうで「普通の仕事では会わない人とも名刺交換できる。一回戦った上での名刺交換で、話早いし、共通点あるし、画期的やなと思います」と語りました。

    卒業したヒップホップが戻るきっかけに

    主催者のMC.A.G.Oさんによれば、ヒップホップファンの多くは社会人になると9割は"卒業"する傾向があるといいます。

    SATTUSYさんはこうした一度離れたファンが、社会人ラップをきっかけに再び戻ってくることを期待しています。

    「嫁や子供もできるとヒップホップから離れがちになるけど、きょう優勝したBOZくんは嫁もいる。40歳のNTTの人も出ていた。イベントが続くことで次の次元に広がっていく。

    僕らも『ENTER MC BATTLE』というライブとMCバトルのイベントを10年続けているんですけど、続けていると広がりがあるから頑張ってほしい」