
女優、そしてJY名義でソロ歌手としても活動する知英。10月27日公開の日米合作映画『殺る女』では、運命に翻弄される寡黙な殺し屋・愛子を演じた。
2018年はKARAとしてデビューしてから10年という節目の年。初の本格アクションにも挑戦した作品の思い出から、これまでの芸能活動について聞いた。

――アクション映画は初ですが念願だったそうですね。
今までずっとアクション映画をやりたいと言い続けてきたので、その夢がやっと叶いましたし、すごくカッコよく作ってもらえて嬉しいです。
演じた愛子は、ミスをしない腕のいい殺し屋。銃の持ち方や姿勢をプロっぽく見せたかったので、その都度その都度、指導してもらいました。
お気に入りのシーンは全部です。今回は銃を持っている姿が結構出てくるので、そこを注目して見てほしいなと思います。
――撮影中に苦労はありましたか。
冬の2月にキャミソールだけを着ての撮影は大変でしたけど、それ以外は楽しかったです。
――寡黙で、表情で見せる演技が多かったのが印象的でした。
無表情に見える愛子ですけど、きっとその中ではいろんな感情が動いている。
その感情の微妙な変化が出ることを信じてやっていたので、それが画面に映っていたらいいなって思います。

――今回の起用は監督たってのものだと聞いたのですが。
監督には「知英しか思いつかなかった」と言われました。
ずっとアイドルとして活動していて、日本でもいろんな役をやっている。世間には笑顔の知英とか、末っ子の知英とか、明るいイメージが強いけど、監督が思う私はそうじゃなかった。
「笑顔の裏には闇もあるし、悲しみもあるんじゃないか。だから知英さんとやりたかった」と言われました。
――本当に闇があるんですか?
なくはないですよね、私も人間なんで(笑)。
――映画で演じた愛子は、両親を殺した相手への復讐心で生きています。そういうネガティブな感情をバネに生きていくという部分は、知英さんにもありますか。
正直、個人的には理解できないです。ネガティブな部分ももちろんありますけど、なるべくポジティブに生きていこうと思っている人間なので。
悔しいとかネガティブな感情はなるべく忘れようとしますね。簡単じゃないけど。


――今回の映画で7月、韓国のプチョン国際ファンタスティック映画祭にも行きました。
韓国でのお仕事は久々でしたし、韓国の映画祭に出たのは初めて。だからすごく自分の中でも意味があって。
しかも日本の映画。今まで日本でこれだけ頑張りましたよと、自分主演の映画と一緒にみなさんに知らせることができて嬉しかったです。
――韓国を訪れて、周囲から変わった、成長したとか指摘されましたか。
大人っぽくなったねとは言われました。すごく痩せましたねとか。グループの時は結構ぽっちゃりしてたので「まるで別人のようです」と言われましたよ(笑)。
――今年7月にはKARAとしてデビューしてから10周年を迎えました。これまでの活動を振り返ってみてどうですか。
グループで6年、1人になって4年。グループではいろんな経験もしたし、みんなと一緒じゃなかったらできなかったことや、普通なら自分の歳では経験できなかったこともいっぱいありました。たくさんの人に愛されたこともそうです。
グループで学んだいろんなことが、一人になった今、活きていると私は信じています。10年。長かったけど、振り返って見たらあっという間ですね。

――ソロとなって4年。日本での女優デビューとなりましたが、当時反対とかはなかったんですか。
誰も。両親もKARAのメンバーも応援してくれました。グループを出た後、女優になりたい気持ちは強かったけど、まさか女優としての舞台が日本になるとは思ってなかったです。
日本を選んだ理由は新しい環境で新しいことをやりたかったから。当時20歳だったからできたかもしれないです。
――自分らしく生きることが、なかなか難しいという人が多いです。知英さんは自分らしく生きるためにはどこがポイントだと思いますか。
正直、私も自分らしく生きているかいつも不安です。でも、その悩んでいる自分が大事だとも考えています。
みなさん不安を感じたことだけでも、私は、きちんと生きているなって思います。
私自身「ちゃんとやれてる?」って自分に聞いてみる。そうやって人間って成長していくだなと考えています。


――知英さんにとって、支えになることってなんですか?
私はファンの皆さんがいます。今まで私がもらった愛、応援の言葉って私が想像しきれないくらいいっぱいあって、それが一番強い力です。
あとは家族、友達、今一緒に頑張ってくれるスタッフ。愛、応援って当たり前に感じるものじゃないんだって思いますね。そう気付いた時にはいつも感謝しています。
――親に感謝の気持ちを伝えることはあるんですか?
恥ずかしいけど、やってます。あっ、でも、お母さんにはやってますけど、お父さんには恥ずかしいから…(笑)。
お母さんには今も「愛しているよ」と言うし、一緒にいたらハグをするし、お母さんに甘えて膝で寝たりもする(笑)。まだ、子供なんです。
――女優として今後これからについて、こうなりたいという理想の姿はありますか。
女優は新しい役に出会えること。そこがこの仕事の魅力というのもあります。常に新しいことが挑戦できるから。
しいて挙げるなら、まだやっていないラブストーリー。悲しいエンディングでもいいです。私が最後、病気で死んでもいいですし、恋人と一緒に死んでも。泣けるラブストーリーがいいですね。
――プライベートで挑戦していることはありますか。
最近、本を読んでます。台本以外をなかなか読んでこなかったので(笑)。まずは韓国の小説を読んでるんですけど、次は夏目漱石を読んでみたいですね。