野茂、佐々木、古田....「平成最初のドラフト」は史上最高の当たり年だった

    平成最後のドラフトを前に、平成最初のドラフトを振り返りました。

    2018年のプロ野球ドラフト会議が10月25日に開かれる。

    時事通信

    「平成最後のドラフト」となる今年は、大阪桐蔭の根尾昂や藤原恭大、金足農の吉田輝星など甲子園のスターたちに注目が集まっている。

    ふと気になったのが、では「平成最初のドラフト」は一体どうなっていたのか。調べてみると、後のプロ野球界を支えるスーパースター揃いで、想像以上の当たり年だった。

    1989年のドラフトで選ばれた選手たちを振り返ってみたい。

    野茂英雄(近鉄バファローズ、ドラフト1位)

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    平成最初のドラフト、その中心は野茂英雄だった。史上最多となる8球団(阪神、ロッテ、ヤクルト、大洋、ダイエー、日本ハム、オリックス、近鉄)が野茂を1位指名し、抽選の結果、近鉄バファローズが指名権を獲得した。

    ※90年の小池秀郎も8球団に指名されている

    野茂のデビュー1年目の成績は、29試合18勝8敗、防御率2.91、287奪三振。MVP、新人王、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振、沢村賞、ベストナインの8冠に輝く驚異的な活躍だった。

    その後も最多勝、最多奪三振などのタイトルを獲得。1995年にはアメリカに渡り、ロサンゼルス・ドジャースに入団。この年のオールスターゲームでは新人ながら先発を務め、新人王を獲得。日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった。

    野茂と同じ年の近鉄ドラフト3位にはクリーンナップを打ち、1994年に打点王を獲得した石井浩郎。7位は、のちにヤクルトへ移籍し、2001年の優勝に貢献した入来智だった。

    佐々木主浩(横浜大洋ホエールズ、ドラフト1位)

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    野茂の外れ1位として、大洋(現横浜DeNAベイスターズ)が指名したのが「ハマの大魔神」佐々木主浩だった。

    1992年から抑え投手を務めると、最優秀救援投手のタイトルを獲得。以後、同タイトルを5回獲得し、日本を代表する抑え投手となった。

    2000年には野茂と同じくアメリカに渡り、シアトル・マリナーズに入団。この年新人王に輝いている。

    小宮山悟(ロッテオリオンズ、ドラフト1位)

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    ロッテを支えた"ミスターコントロール"小宮山悟も、野茂の外れ1位だった。

    決してストレートが早い訳ではなかったが、精密機械と呼ばれたコントロールで1997年には最優秀防御率のタイトルも獲得している。

    2001年にはロッテ時代の恩師ボビー・バレンタインが監督を務めたニューヨーク・メッツに移籍。1年のみの在籍となったがメジャーのマウンドでも登板している。

    古田敦也(ヤクルトスワローズ、ドラフト2位)

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    ヤクルトが野茂の外れ1位として指名したのは西村龍次

    ルーキーイヤーに10勝を挙げると、翌91年は15勝、92年には14勝を挙げてリーグ優勝に貢献。その後、低迷するもダイエーに移籍した98年に再び10勝を挙げてカムバック賞に輝いている。

    西村獲得だけでも十分成功と言えるヤクルトだが、この年2位で獲得したのはチーム、そして日本球界を代表する顔となる古田敦也だった。

    野村ID野球の申し子として、巧みなリードで投手を導くだけでなく、バッティングでも91年には首位打者、93年には最多安打に輝くなど活躍した。

    与田剛(中日ドラゴンズ、ドラフト1位)

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    来シーズン中日の監督を務める与田剛は、平成最初のドラフトでドラゴンズ入りした。

    プロ1年目に抑え投手に抜擢されると、150キロを超える速球を武器に、31セーブを挙げ新人王、最優秀救援投手に輝く。

    しかし翌年からは怪我に苦しみ、初年度を超える活躍は見せられなかった。

    この年ドラフト2位ではのちに選手会長を務める井上一樹、6位ではガニ股打法の種田仁を指名している。

    佐々岡真司(広島カープ、ドラフト1位)

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    中日の与田とセ・リーグの新人王を争ったのが、広島がドラフト1位で指名した佐々岡真司だ。

    プロ1年目でいきなり13勝を挙げると、翌年は17勝で最多勝、MVP、沢村賞のタイトルを獲得した。

    1995年からは抑えに転向。99年に再び先発に戻ると15勝を挙げるなど、2007年に引退するまでカープ一筋で活躍した。

    佐々岡と同じ年にドラフト4位で入団したのが孤高の天才と呼ばれた前田智徳

    95年にアキレス腱を断裂するも、2013年に通算2119安打で引退するまで、バットで広島を支え続けた。

    平成最初のドラフトでカープは投打の軸を手に入れた。

    潮崎哲也(西武ライオンズ、ドラフト1位)

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    魔球と呼ばれたシンカーを武器に、西武の黄金期を支えた潮崎もこの年のドラフト1位だった。現役時代は先発、抑えとして活躍。西武一筋で過ごし、現在は二軍監督を務めている。

    岩本勉(日本ハムファイターズ、ドラフト2位)

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    日本ハムが1位で指名した酒井光次郎はルーキーイヤーに10勝を挙げるも、その後は低迷した。

    この年2位で指名したのが、のちに「ガンちゃん」の愛称でファンから愛される岩本勉だった。

    プロ1年目は0勝に終わり、2年目からはイップスに悩まされ一軍で登板できない年が続いた。それでも1996年に10勝、98、99年と2年連続で2桁勝利を果たすなど不屈の精神でチームのエースとして活躍した。

    新庄剛志(阪神タイガース、ドラフト5位)

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    1989年のドラフトで阪神が1位指名したのはアンダースローの葛西稔。プロ入り後は先発、リリーフとして猛虎を支えた。

    この年、西日本短大付高から5位指名で阪神に入団したのが新庄剛志だった。

    華麗な守備と明るいキャラクターで愛され、2000年にはFA宣言しニューヨーク・メッツに入団。2003年に日本球界に復帰すると、2006年、北海道日本ハムファイターズを日本一に導く原動力となった。

    そのほかの球団で活躍した選手は?

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    巨人の3位指名でプロ野球入りした吉岡

    平成最初のドラフト、巨人が1位指名したのが大森剛。二軍では本塁打王となったものの、一軍での目立った活躍はなかった。

    3位指名した吉岡雄二は、近鉄に移籍してからクリーンナップを打つなど活躍した。

    福岡ダイエーホークス(現ソフトバンクホークス)は1位で元木大介を指名するも、元木がこれを拒否。3位で、西武の中継ぎとして活躍した橋本武広が入団している。

    オリックス・ブレーブスは、のちにタレント「パンチ佐藤」として活躍する佐藤和弘を1位指名している。