リオ五輪スラローム男子カナディアンシングル決勝が9日(日本時間10日)に行われ、日本の羽根田卓也(29=ミキハウス)が97.44点で銅メダルを獲得した。カヌー競技でのメダルは史上初となる。
カヌー選手であった父・邦彦さんの影響で小学3年生から競技を始めた。高校を卒業すると強豪国スロバキアへ単身渡り、現在も同国で腕を磨く。
北京五輪は14位、ロンドン五輪は7位。日本選手権7連覇中の第一人者。五輪直前の6月にフランスで行われたW杯では、日本人初の表彰台に上がるなど好調だった。
準決勝6位で通過した羽根田は強豪にミスが出る中、減点となるゲート接触は一度もなしという安定した内容。快挙の瞬間、カヌーの上で感情を爆発させ、スロバキア人コーチにねぎらわれた。
カヌー競技への注目は日本では高くない。友人がテレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」に「オリンピックでメダルに近い選手なのに、どのメディアも羽根田を取り上げない」と怒りの投稿をしたこともある。
番組で取り上げられた際には、マツコ・デラックスに”ハネタク”と呼ばれ「かわいい」とイケメンぶりを褒められた。
表彰台では、笑顔とともに両手でガッツポーズ。今大会でも競技の地上波放送はなしと、けして大きな注目を浴びたわけではなかったが、自らの力でカヌー競技に光を当てた。