11月5日にBuzzFeed Japanでも報じた、引退する広島カープ新井貴浩さんに盟友・黒田博樹さんが自費で送った「結局、新井は凄かった」広告。

反響は大きく、Yahoo!ニュースのトップやTwitterのトレンド入りも果たした。
一夜明けた11月6日、東京・銀座にある「ひろしまブランドショップTAU」には広告が掲載された5日付の中国新聞を求め、雨が降る中、300人以上が並んだ。

黒田博樹さんがカープの盟友・新井貴浩さんのために自費で出した「結局、新井は凄かった」広告。その広告が掲載された中国新聞を購入するため、東京・銀座のTAUには雨の中、200人以上が並んでいます。先頭は始発から並んでいるそうです。 #carp #結局凄かったカープファン https://t.co/gP1WuYYKKd
行列の整理を行なっていた広島県東京事務所の関係者によれば「カープのリーグ優勝Tシャツを購入する方が並ばれることはありますが、新聞では今回が初めてです」と反響の大きさに驚く。
通常、中国新聞は10部ほどが入荷するが「今回はお問い合わせが非常に多いこともあり、中国新聞さんのご好意もあり、333部入荷することができました」。
333部という数はカープのリーグV3に掛けたものだ。
新聞の購入は一人1部まで。14時45分には333部の規定数に到達したため列は締め切られた。銀座を行く人も「あっ、黒田のやつか」と行列の意味を察していた。

思わぬ反響を呼んだ今回の「結局、新井さんは凄かった広告」。

TAUの店員によれば、BuzzFeedの記事が5日昼にYahoo!トップに上がってからは「ずっと電話が鳴りっぱなしでした。今朝も電話が鳴りっぱなし。お昼のニュースにも取り上げられ、さらに反響が大きくなりました」という。
この日、行列の先頭に並んでいたのはカープファン歴40年という40代の男性。親戚にカープファンが多く、幼少期から赤ヘルの英才教育を受けてきたといい、この日は始発で来て並んだという。
新井さんの広告の存在を知ったのはYahoo!のニュースで、すぐに電話で「TAU」へ問い合わせ、並ぶことを決めた。
「もともと新井さんも黒田さんも好きで、面白い広告だったので欲しいと思った」

新井さんについては「(FA宣言して他球団に移籍した)江藤さん、金本さんのように最初は裏切られたという思いはあったけど、帰ってきてからあれだけ引っ張ってくれたのでありがたい。下手くそでも一生懸命泥臭くプレーしていたし、エリートじゃないところがカープっぽかった」と話した。
黒田さんについて「何も言うことはない。レジェンド」と手放しで褒めた。
記者も行列に並び、15時20分すぎに無事一部を購入できた。

先ほど取材したTAUの店員に話を聞くと「新聞だけでなく、他の商品も買って行ってくださる方もいます」と笑顔を見せる。
中国新聞の東京支社に取材すると「こちらでも15時から紙面の発売をしましたが、すぐに売り切れてしまいました」という。
SNSでは本社に電話すればバックナンバーを手に入れられるとのツイートもあるが「こちらの方ではそのような情報は出していません」。5日付の新聞を手に入れる方法は現状はないという。
当然起こった新井さんの広告フィーバー。結局、一番凄かったのは新井さんよりも、黒田さんよりも、カープファンの熱だったのかもしれない