コービー・ブライアント、次女ジアーナと共に旅立った7人

    世界に衝撃を与えた元NBA選手、コービー・ブライアントさんの事故死。ヘリコプターに同乗しており、彼と共に犠牲になった他の7人には、10代の少女2人とその家族、コーチ、パイロットが含まれていた。

    数々の伝説を残した元NBA選手コービー・ブライアントさん(41)と、次女ジアーナさん(13)が1月26日、ヘリコプターの墜落事故によって命を落とした

    墜落現場はカリフォルニア州カラバサス。事故当時は濃霧が立ち込めていた。

    同乗していた他の7人も亡くなった。10代の少女2人とその家族、バスケットボールのコーチ、そしてパイロットだ。ブライアントさんが開校した「マンバ・スポーツ・アカデミー」で行われる女子バスケットボールの試合に向かう途中だった。

    ロサンゼルス郡保安局は同乗者の身元をまだ明らかにしていないが、同僚や友人、遺族らがSNSで犠牲者の死を悼んでいる。

    Incredible sadness in So Cal & beyond over the loss of the Altobelli’s-onboard the chopper w #kobebryant. 13 yo Alyssa was a player on the Mambas. All 8 passengers were from #OrangeCounty headed to girls basketball tourney @cbsla #cbsla ⁦@orangecoast⁩

    ヘリコプターに乗っていたオルトベリ一家。

    大学野球チームのヘッドコーチを務めていたジョン・オルトベリ(56)さんと妻のケリーさん、娘のアリッサさん(13)もヘリコプターに乗っていた。アリッサさんはジアーナさんと同じバスケットボールチームに所属していた。

    ブライアントさんは去年の11月に、別チームにいたアリッサさんとジアーナさんが対戦する動画をインスタグラムに投稿している。

    ジョン・オルトベリさんが27年間もの間指導していた野球チームが所属するオレンジ・コースト・カレッジは声明を発表した。

    オルトベリさんは、通算700を超える勝利と4度の州大会優勝をチームにもたらした。できるだけ多くの生徒が奨学金を得られるよう、奔走していたという。

    長年の功績が認められ、去年、全米野球コーチ協会から「年間最優秀コーチ」の称号が授与された。

    It is with a shattered heart that we announce the passing of longtime head baseball coach John Altobelli, who died on Sunday in a helicopter crash, along with his wife, Keri and youngest daughter, Alyssa. https://t.co/3fjndZDzXD

    大学野球チームはオルトベリさんの死を悼むツイートを投稿した。

    「(オルトベリさんの死が)大学や体育会にもたらすものは、形容できません」と同大学の体育会局長であるジェイソン・ケーラーさんは声明で述べた。

    「ジョンは素晴らしいコーチであり、それ以上に良き友でした。またそれ以上に、ジョンが指導した全ての学生とアスリートにとって、彼は素晴らしいメンターでした。学生たちを皆、自分の家族のように扱っていました。彼の影響は今後も永遠に生き続けるでしょう」

    別の犠牲者、クリスティーナ・マウザーさん(38)は、マンバ・スポーツ・アカデミーのバスケットボールチームのアシスタントコーチを務めていた。3人の子どもの母親でもあった。

    夫のマットさんは「子どもたちと私は打ちのめされています」とフェイスブックに投稿した。

    「ヘリコプターの墜落事故で、私たちの美しい妻・母親を亡くしました」

    それぞれ11歳、9歳、3歳の子どもたちと一緒に「母親なしで人生を歩むにはどうすれば良いか考えようとしている」とニュース番組「トゥデイ」に語った。

    「(マウザーさんは)美しくて、賢くて、おもしろい人でした。信じられないほど深い人で、とにかく素晴らしい人でした」

    ブライアントさんからディフェンスの指導を頼まれていたマウザーさんは、「ディフェンスの母」と呼ばれていた。

    ニューヨーク・タイムズ紙によると、以前は私立校ハーバー・デイ・スクールで8年生女子のバスケットボールチームのコーチをしていた。2017年には、同チームでジアーナを指導している。

    また、2018年までの11年間、同校で体育教師も務めていた。

    サラ・チェスターさんと娘のペイトンさん(13)も、墜落事故で命を落とした。NBCによると、ペイトンさんもジアーナさん、アリッサさんのチームメイトだった。

    ペイトンさんには双子の兄がいる。そのうちの1人、ライリーさんは「素晴らしい母と妹よ、天国で安らかに」とインスタグラムに投稿した。

    「ママ、ペイペイ、愛してるよ」

    投稿には、ペイトンさんがブライアントさんと笑顔で写る写真も含まれていた。

    ペイトンさんの母校、ハーバー・ビュー小学校の校長も、親子の死を悲しんでいる。

    「世界は、偉大なアスリートであり博愛者である人物を失ったことを嘆いています。ですが私は、彼と同じくらい大切だった2人の死を嘆きます。2人の死も同等の意味を持ち、同じように心を斬りつけています」とフェイスブックに投稿した。

    ヘリコプターを操縦していたアラ・ゾバヤンさんも帰らぬ人となった。パイロット仲間から愛される人物だった。

    テレビ局KTLAによると、ゾバヤンさんは「計器飛行証明」を取得しており、視界のない霧や雲の中でも、計器に頼って飛行できる資格があった。

    ゾバヤンさんが指導していた航空学校の生徒の1人は、ブライアントさんはゾバヤンさんにしか操縦を頼まなかったとロサンゼルス・タイムズ紙に語っている。

    ゾバヤンさんは「献身的で思いやりのあるインストラクターだった」と生徒は振り返る。

    彼が中退を考えた時も、ゾバヤンさんは「操縦が好きなら、何も君を止めるものはないはずだ」と励ましたという。

    facebook.com

    ゾバヤンさんと友人のヨキムさん。

    ゾバヤンさんの友人、ジャレッド・ヨキムさんは「アラは素晴らしいパイロットであり、インストラクターであり、チャーターパイロットであり、本当に偉大な人物でした」とフェイスブックに投稿した。

    「彼はいつも冷静で、落ち着いていました」

    「アラのことを知る人が増える中で、彼について耳にするのは『プロフェッショナルだったこと』『用意周到だったこと』『愛に溢れていたこと』。いつも笑わせてくれるような人でもありました」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子