4月10日が「フォントの日」に本当に制定 話題の「源ノ明朝」リリースで

    フォントにあらためて注目してもらうことが目的です。

    アドビシステムズが4月4日に公開した新たなオープンソースのフォント「源ノ明朝」。その発表記者会見が10日、都内で開かれた。

    源ノ明朝は、米Googleやイワタなどと共同開発した書体。アドビ製フォントとしては源ノ角ゴシックに続いて2番目のPan-CJK書体となる。

    リリース後、ネット上ではそのネーミングから「武将の名前みたい」と話題になった。

    最大の特徴は、デジタルデバイスに特化したところだ。

    源ノ明朝は、小塚明朝をベースにアレンジしたものである。しかし、小塚明朝はモダン系フォントで、横線が細い。デジタルデバイス上で文字が潰れてしまうため線を太くしたり、抑揚を抑えたりした。

    会見初めでは、アドビ システムズ 日本語タイポグラフィ シニアマネージャーの山本太郎さんが源ノ明朝の概要を説明。

    次にBuzzFeed Newsのインタビューにも答えてくれた日本語のデザイナーを担当した西塚涼子さんが登壇。デザインで考慮した点や、各国との調整の苦労、名前が話題になった感想などを語った。

    また、フォントデベロッパーの服部正貴さん、Frank Grießhammerさんも来場。そもそもフォントデベロッパーとはどのような仕事なのかや、「?」マークを用いて各国との違いを説明した。

    会見では4月10日を「フォントの日」と制定したことも発表された。日本記念日協会の認定を受けた正式な記念日である。フォントにあらためて注目してもらうことが目的で、「フォン(4)ト(10)」の語呂合わせからなっている。

    会場には源ノ明朝を用いたパネルなどを展示。特別に「ばずふぃーど」の文字を並べてもらった。

    冒頭でも述べたように源ノ明朝は、デジタルデバイスに最適化している。

    西塚さんもインタビューのなかで、「スマートフォンはゴシック縛りですけれど、明朝に変えて読むことができたりとか、ブラウザが縦書き対応になったときに源ノ明朝を採用してもらえると嬉しいです」と語っていた。

    私たちの生活に、源ノ明朝が活かされるときはそう遠くないかもしれない。