暑くなり、プールが混雑する時期。そこで気になるのが、水の衛生面だ。

普段はきれいに管理されていても、ハイシーズンには来場客が集中し、身動きが取れなくなる状況も少なくない。
混雑時、水の衛生管理はどうなっているのだろうか。
厚労省の基準は?
厚労省は、水素イオン濃度や残留塩素濃度、大腸菌などの許容量を示した遊泳用プールの衛生基準を設けている。
ただし、これは義務ではなく基準だ。厚労省に問い合わせたところ、「プールの衛生基準は法令では定められていなく、決して守らなければならない絶対的なものはない」とのこと。
つまり、この基準は、各自治体や民間施設が法令やルールを作成する際の指標となるものだ。そのため、厚労省が直接、民間施設や自治体管理のプールに立ち入り調査をすることはない。
では、民間施設はどのように水質を管理しているのだろうか。
塩素の調整、第三者機関による調査は?

BuzzFeedは、毎年多くの人で賑わう「東京サマーランド」「としまえん」に取材。水の消毒にために入れている塩素(カルキ)だが、両社共通していたのは「1時間毎に1回測定を行い、塩素の調整を行っている」ということ。
客が多い日は塩素を多く入れ、逆に濃度が高くなってきたら少なくなるよう調整しているという。どちらも、営業中に適正な基準値を外れることはないようにし、一時的にプールから客をあげることはないとしている。
では、企業の自主基準に任せられているとすると、第三者機関による調査はあるのだろうか。
サマーランドは、保健所の立ち入り調査および毎月の民間業者による水質検査を行っているという。
としまえんは、練馬区保健所がシーズン当初およびシーズン中に立ち入り調査を行っており、第三者機関(水質調査会社)に7月と8月に調査を依頼し、実施しているとの回答だ。
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気象庁は、夏の天候の見通しとして、西日本は気温が高く、東日本も平年並か高いと発表している。今年も多くの人が涼を求め、プールに集まるだろう。