日大アメフト問題で田中理事長が初見解 現役学生は「感想文のよう」と批判

    一連の問題で初の見解を示した。現役日大生はどう見たか。

    日大アメフト部の悪質タックル問題で8月3日、田中英寿理事長がホームページ上で謝罪をした。一連の問題で、田中理事長が見解を示すのはこれが初めて。

    見解では冒頭、第三者委員会から7月30日に最終報告書を受け取ったことを報告。その中に使われている「日大において学生ファーストの精神が見失われていた」という言葉が「心に突き刺さった」とした。

    また、「理事長として、この指摘を受け止め、深く反省し、改めて学生ファーストの精神に立ち返って今後の大学運営を行っていくことを、学生諸君、保護者の皆様に宣言いたします。教職員の皆様も、わたくしの決意を受け止め、行動していただきたい」とし、今後も理事長の職に就く意向を示した。

    そのうえで、関西学院大学アメリカンフットボール部の関係者やけがをした選手、保護者、反則するよう指示をされた日大選手、保護者に対し、「深くお詫びをいたします」と謝罪。

    また、日大OBによる口封じがあったとの指摘については「いかなる理由があろうとも、断じて許されないことです。なぜこんな卑劣な行為があったのか、驚愕と激しい怒りがこみ上げました。二度とあってはならないことです」と断罪した。

    最後は、「今回の事件では数々の不手際、対応の遅れから社会問題となり、日大の信頼を大きく損ないました。このようなことは二度と繰り返さないことを誓い、この教訓を踏み台に日大再生を進める覚悟です」とした。

    日大現役学生「誠意があるとは思えない」

    田中理事の初見解を、日大現役学生はどう見たか。BuzzFeed Newsは、同大学法学部学生有志に話を聞いた。

    法学部学生有志は6月8日、大学側に対し、早急な対応と学生への説明など5項目を求める要望書を提出していた

    「『内容に具体性があるようでない』『ショックを受けた、怒りを感じたといった内容でそこから先の情報が聞きたかった』というのが私たちの率直な感想です」

    「批判を受ける覚悟で会見をするのが筋ではないでしょうか。それなりの問題を起こしたのだから、ホームページ掲載だけではなく会見でも説明すべき。誠意があるとは思えません」

    田中理事長の見解に不信感を抱くといい、こうも話す。

    「第三者委員会の最終報告書に対する“感想文”ではなく、それを受けて具体的にどうしていくかについて聞きたかった」

    「感想文のような見解は、もっと早い段階で出されるべきようなものであり、8月に出される見解としては評価し難いと思います。『改革を取り組んでいく』という姿勢は当然のことであり、宣言することは重要ですが、それだけでは大した価値はないと考えます」

    「必要とされているものは、どのように取り組むのか、どのようなスケジュールで進めていくのかという具体的なこと。でなければ、いつまでも変わらないと思います」