センバツ高校野球、注目すべきブラスバンド部は? 専門家に聞いた

    観戦がさらに楽しめそう。

    連日、熱戦が繰り広げられている第88回選抜高校野球大会。選手やプレーに注目がいきがちですが、アルプス席のブラスバンド部の演奏も魅力のひとつです。

    そこでBuzzFeedは、高校野球ブラバン応援研究家の梅津有希子さん(@y_umetsu)に、ブラバン応援の魅力や、今大会出場チームで注目すべきブラスバンド部、テレビ観戦のポイントなどを聞きました。

    ーーまず、高校野球のブラバンの特徴は? 選曲、演奏などに高校野球ならではの要素があるのでしょうか。

    1番多いパターンは、昭和懐メロ&アニソンですね。「狙いうち」や「サウスポー」、「タッチ」などが挙げられます。

    六大学の応援歌を使う学校も多いです。早稲田の「コンバットマーチ」や「大進撃」、慶應の「ダッシュKEIO」など。また、ポパイは立教大が、アトムは東大が応援歌として以前から使用していることもあり、もともとは「アニメの曲を応援に使った」というよりは、大学野球の影響で高校野球にも広まっていったものと思われます。

    最近は、選手のリクエストに応えるという吹奏楽部も多いですね。三代目J Soul BrothersやEXILE、セカイノオワリなどが人気です。

    ーーズバリ今大会で注目のブラスバンド部はどこの高校でしょうか?

    実力や応援歌のバリエーション、部員数など総合的に注目なのは大阪桐蔭高校です。吹奏楽コンクールの全国大会に連続出場中の実力校で、演奏が上手なのもさることながら、新しい曲を積極的に取り入れるところもポイント。

    部員は吹奏楽コースに所属し、音楽レベルが非常に高く、応援歌は1日あれば即マスターする。なので、野球部からのリクエストに応えてどんどん新曲を吹いてくれるのです。

    ーーほかに勝ち残っているチームでおすすめのブラスバンド部はありますか?

    ブラバン単位というよりも、おすすめの応援曲でいうと、龍谷大平安高校のオリジナル曲「怪しい曲」がイチオシです。曲調はラヴェルの「ボレロ」と「水戸黄門」がイメージソースで、「怪しいボレロ」と呼ぶファンも多いです。

    相手を威圧するような怪しげな雰囲気で、バストロンボーンやチューバなどの低音がおどろおどろしく甲子園全体に響き渡り、相手校はきっとイヤだろうなぁと思いますね(笑)。

    ほかには、高松商のチャンステーマ「プリティ・フライ」も勢いがあってカッコいいですよ。創志学園の「キン肉マン」も、明るいサウンドでとても好きです。応援でこの曲を演奏する学校は初めて聞きましたが、あのワクワクするイントロとポジティブな曲調が、実は野球応援にピッタリなんだなぁと思いました。

    ーーテレビやネット中継での観戦を、より楽しむポイントはありますか?

    ズバリ、音量を上げること! わが家ではテレビの音量を30にして応援を聴いています(笑)。

    あとは、マニアックですが、スーザフォンの人数に注目すること。スーザフォンとは、おもにチューバ奏者がマーチングの時に吹く低音楽器で、演奏の土台を支える大切なパート。この楽器の人数が多い学校は、もれなく演奏も上手です。

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    現在、梅津さんは甲子園からブラスバンドの様子を解説中。Twitterのハッシュタグ#高校野球#吹奏楽でチェックできます。大会も後半戦に突入しました。ちょっと視点を変えてブラスバンドにも注目すると、さらに観戦が楽しめそうですね!