ここ数年で、BPO審議入りになった番組を振り返ってみる

    バラエティから報道番組まで。

    放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は3月14日、TBS系情報番組「白熱ライブ ビビット」について、「明らかな偏見と名誉毀損的な表現がある」として審議入りを決めた。

    TBS / Via tbs.co.jp

    審議入りとなったのは1月31日放送回。番組内では、多摩川河川敷で多数の犬を飼うホームレスの男性を「犬男爵」と呼んだり「人間の皮を被かぶった化け物」と紹介したりと不適切な表現があった。

    同委の川端和治委員長は「男性への名誉毀損が著しく、倫理違反の程度が看過できない」と説明。番組側は先月、謝罪していた。

    テレビ番組がBPO審議入りする度に話題にあがるが、ここ数年間でどのような番組がどのような内容で審議入りしているのだろうか。振り返ってみる。

    ニュース女子(TOKYO MX)

    TOKYO MX / Via dhctv.jp

    MXテレビが1月2日に放送した番組「ニュース女子」では、沖縄県の在日アメリカ軍基地に対する反対運動を「テロリストみたいだ」などと報じた。

    放送直後から「沖縄に対する誤解や偏見をあおる」「番組が報じた事実関係が間違っている」など視聴者から意見が寄せられ、審議入りした。

    ピラミッド・ダービー(TBS)

    TBS / Via tbs.co.jp

    2016年6月19日に番組内で放送された「双子見極めダービー」という企画。登場する双子が入れ替わっているか見極めるというものだった。

    出演した顔相鑑定士の男性は、最終問題まで回答したにも関わらず、放送上では途中で脱落となり、最終問題ではCGで姿を消した映像が流された。

    参院選・都知事選の選挙報道のあり方全般について

    Niyazz / Getty Images

    BPOは、2016年7月10日の参議院議員選挙と同7月31日にあった東京都知事選挙の二つの選挙報道について「編集の自由が保障されている以上は、求められているのは出演者数や露出時間などの量的公平性ではない」とし、政治的公平性は報道の「質」で保つべきだとする意見書を公表した。

    BPOが選挙報道全般に対して考えを示すのは初めてのこと。

    オール芸人お笑い謝肉祭'16秋(TBS)

    TBS / Via tbs.co.jp

    2016年10月9日に放送された「オール芸人お笑い謝肉祭’16秋」。芸人が体を張ったクイズ番組で問題になったのは、芸人たちが入浴中にさまざまなトラップにかかりながら大声を我慢する「大声厳禁 サイレント風呂」と「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」のコーナー。

    委員会によると、視聴者から「男性が男性の股間を無理やり触る行為などがあった。内容が下品。子供に説明できないような番組はやめてほしい」「“裸になれば笑いがとれる”という低俗な発想が許しがたい」という意見が寄せられたという。

    クローズアップ現代「出家詐欺特集」(NHK総合)

    NHK / Via nhk.or.jp

    2014年5月14日に放送された「クローズアップ現代 追跡"出家詐欺"~狙われる宗教法人~」と、この番組の基になった関西ローカルの「かんさい熱視線 追跡"出家詐欺"~狙われる宗教法人~」の2番組が審議入りになった。

    番組では、宗教関係者や行政の担当者が対応に苦慮していることや、実際に「ブローカー」と「多重債務者」が相談している隠し撮りの現場などが紹介された。しかし、「ブローカー」と「多重債務者」の相談シーンは「やらせ取材」だったと週刊誌が報じた。

    これを受けNHKは、「裏付け取材を行わず、報道番組で許容される範囲を逸脱した表現で重大な放送倫理違反があったという意見や、制作者の間で情報の共有が行われていなかったという指摘を真摯に受け止めます」とのコメントを発表した

    報道STATION「川内原発報道」(テレビ朝日)

    テレビ朝日 / Via tv-asahi.co.jp

    テレビ朝日の「報道ステーション」が2014年9月10日に九州電力川内原発の安全審査をめぐり事実と異なる報道をしたとして、BPOが審議入りを決めた。

    理由について川端委員長は「2日後のお詫び放送など、事後の対応は迅速で的確だったが、国民の関心事でもあり小さな事案とは言えない」と述べた。

    ほこ×たて(フジテレビ)

    時事通信

    ▲MCを務めていたタカアンドトシ

    2013年10月20日放送のフジテレビ「ほこ×たて 2時間スペシャル」。

    番組内の「どんな物でも捕えるスナイパー vs 絶対捕えられないラジコン」のコーナーについて出演者から、収録の順番や対戦の運営に不適切な演出があったとの指摘があった。

    フジテレビは指摘について「大筋において事実」と認めた。その後、番組はレギュラー放送の打ち切りを決定した。

    審議入りしなかった例

    疑問の声があがったが、審議入りしなかった例もある。

    「ガッテン!」(NHK総合)

    NHK / Via www9.nhk.or.jp

    番組内で特定の睡眠薬を飲むことで血糖値を下げる効果のある脳波が強まり、糖尿病が治療できるなどと説明。「不正確」と指摘が相次いでいた生活情報番組「ガッテン」(2017年2月22日放送)。

    同番組については、NHKが迅速に訂正放送を行ったとして審議入りはしなかった。

    「水トク!激闘大家族スペシャル」(TBS)

    TBS / Via tbs.co.jp

    TBSテレビのバラエティー番組「水トク!激闘大家族スペシャル」(2015年1月28日放送)は、福岡市に住む3男3女、一家8人の大家族が主人公だった。

    17歳の母親から生まれた長女が、自らも17歳で出産を体験する様子が物語の軸になっていた。

    不適切な演出として問題になったのは、妊娠中の17歳の娘とその母親のやりとりが、実際には出産後に撮影されていたこと。大家族の祖父がスポンサーとなった食料品の買い出しシーンが、実際には番組側の依頼によるもので、経費も番組持ちだったことの2点。放送後、ネット掲示板に母親自身が告白したことにより、発覚した。

    BPOは、番組の中に確かに誇張はあるが、本人が記憶に基づいて再現したものであり、視聴者はシリアスなドキュメンタリーというよりもバラエティーとして楽しんでいるのだから、虚偽やねつ造として問題にするまでのことはないだろうとして、審議の対象外とした。


    BPOは、視聴者の声や関係者からの指摘、新聞・雑誌での報道などをもとに問題があると認識した番組について取材や制作方法、内容について調査する。

    「放送倫理上問題がある」と指摘された番組は審議。「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組は「審理」となる。

    審議入りした後は、委員会が対応を協議し、番組側に通達する。番組側はそれを受け、今後の対応や取り組み状況などをまとめた報告書をBPOに提出。

    これらのやりとりはすべてBPOのホームページ内で公表されている

    サムネイル写真=時事通信


    Contact Takumi Harimaya at takumi.harimaya@buzzfeed.com.

    Got a confidential tip? Submit it here