ピクシブ辞任の永田氏「力不足で...」 元アイドルのセクハラ告発には触れず

    退任挨拶のミーティングではセクハラ、パワハラ相談窓口を設置することが発表された。

    イラストSNS「pixiv」を運営するピクシブ社は6月6日、公式サイトで同社代表取締役の永田寛哲氏の辞任を発表した。

    永田氏は元アイドルからセクハラ告発を受けて裁判中だが、BuzzFeed Newsの取材に応じた社員によると、退任挨拶ではこの件には触れなかったという。

    ピクシブ社のサイトでは6月6日、以下の謝罪コメントが掲載された。

    「永田及び弊社らに対する現在係争中の訴訟に関する件がインターネット上等に掲載されていることにつきまして、ユーザーの皆様及び取引先の皆様にはご心配をお掛けしておりまして誠に申し訳ございません」

    サイト上では、永田氏から「現在の状況では代表取締役の職責を果たすことが困難」との理由で辞任の申し入れがあり、現取締役の國枝信吾氏が後任となることも発表された。

    一方で、セクハラ告発についてはサイトには書かれておらず、「本件に関しては、関係者のプライバシーに関するものが含まれることなどから、弊社としてコメントなどは差し控える」とだけ記している。

    なにが起こっていたのか。経緯をまとめる

    永田氏をめぐってなにが起こっていたのか。これまでの経緯をまとめる。

    アイドルグループ「虹のコンキスタドール(以下、虹コン)」の元メンバーのAさんは4月26日、虹コンのプロデューサーを務めていた永田寛哲氏をセクハラ被害で提訴した。

    虹コンは、ピクシブ社が次世代クリエイターアイドルを育成する「つくドル!プロジェクト」から発足したグループ。

    訴状によれば、Aさんは以下の3つのセクハラがあったと訴えており、永田氏本人とピクシブ社、虹コンの所属会社であるディアステージ社に損害賠償を求めている。

    1. 京都旅行に強引に同行し、同じ宿の同じ部屋に泊まることを強要した
    2. アルバイトとして、全身をマッサージさせた
    3. 脱衣所で盗撮行為をした


    永田氏側の代理人は5月7日の第一回口頭弁論で「京都旅行に同行し、隣で就寝」と「マッサージ」について認めた。一方、「脱衣所での盗撮」については、一部事実と違うと主張している。

    BuzzFeed Newsは、Aさんの証言と永田氏に取材した記事を5月26日に掲載した。

    「力不足で誠に申し訳ありません」永田氏、最後の挨拶

    ピクシブ社員にも6日、永田氏が辞任する旨が知らされた。社員が集まる場に永田氏が出席して、退任あいさつをした。

    BuzzFeed Newsの取材に社内の関係者が応じた。

    それによると永田氏は「力不足で誠に申し訳ありません。しかし、会社のためにと考え、このような結論を下しました」と話し、セクハラ告発には触れていなかったという。

    一方で、この退任挨拶があったミーティングでは、社内にパワハラ、セクハラなどに関するヒアリング窓口を設置していく説明もあったという。

    BuzzFeed JapanNews