• lgbtjapan badge
Posted on 2017年5月9日

「みんなと同じように生きていたい」慶應大のLGBTサークルのメンバーの語る当事者の思い。

「カミングアウトも悪くないですよ」

自分の通っている大学にLGBTサークルがあると知った。

最近、LGBTという言葉をよく聞く。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を合わせた言葉だという。私は今までの20年間の人生で、LGBTの人たちに会ったことはないと思っていた。しかし、自分の通っている慶應大学にもLGBTサークルがあると知り、身近さに驚いた。学校でのいじめなど暗い話も聞くけれど、実際のところ彼らはどんな学生生活を送っているのか。話を聞かせてもらった。

慶應義塾大学のサークル「LGBT塾生会」。

LGBT塾生会のホームページ

取材に応じてくれたのは、ザッキーさん(慶應義塾大学法学部3年生)と、レロさん(慶應義塾大学博士課程2年生)だ。

ザッキーさんは性自認が女性で、恋愛対象は女性のレズビアン。レロさんは女性で、恋愛対象は「ほとんど女性」だという。

サークル活動の内容は、動物園に行ったり、花見をしたり、横浜観光したり、カラオケに行ったり、みんなでワイワイすること。

Buddhika Weerasinghe / Getty Images

ザッキーさんが、LGBTサークルに入ろうと思ったのは、同じ立場の友達が欲しかったからだ。ネットのLGBTコミュニティとは違い、同じ大学のだいたい同じ年齢の人と出会うことができ、安心感があったそうだ。

彼女がサークルで一番楽しかったイベントはクリスマス会だという。

「授業のあとに集まって、オリジンでプレートとケーキを買ってきてみんなで食べて、プレゼント交換しました。私はカードケースをもらいました(笑)」

アイドル好きのレロさん。

BuzzFeed / SumireNakazono

レロさんは、カラオケが楽しかったと話す。

「私、アイドルが好きなんです。サークルの子が企画してくれた、女性アイドル縛りのカラオケで、SKEやハロプロのMVを見ながら歌いました」

「お前は本当のレズビアンじゃない」と言われた。

ザッキーさんは登山サークルにも所属している。登山サークルでも1年生の時、自分はレズビアンだとカミングアウトしたところ、すんなりと受け入れてもらえたという。

「ほとんどの人は、カミングアウトしても『あ、そうなんだ、いいと思うよ』と言ってくれます」

ただ、酔っ払って、絡んでくる同級生もいた。

「『お前は本当のレズビアンではない。元に戻れる、つまり異性愛者に戻れるんじゃないか、お前は男も好きになれるはずだ』って言われたんです」

彼はザッキーさんがおかしいと決めつけていたという。

「『あなたが男を好きになれないのと同じだよ』って言っても、『違うそうじゃない』って。何回も同じことを言われました。『お前は男のことを好きになれる』って」

共通の友達も一緒に怒ってくれたが、結局彼にはわかってもらえず、今は距離を置いているという。

レロさんも「『元に戻してやる』っていう人はいるよね」と頷く。

「おじさんに『俺が男の良さを教えてやる』『試してみないとわからないじゃん』みたいなことを言われるんです」

「案外、セクシュアルマイノリティに寛容な人間が多いですよ」

ザッキーさんは、カミングアウトの前いつも、ひどい言葉を言われたらどうしようと考える。ただ、これまでの経験からすると、「案外、セクシュアルマイノリティに寛容な人間が多い」という。

ザッキーさんは、バイト先(登山用品店)の雑談で「彼氏いるの?」と聞かれた時にも、女の子が好きだと話すそうだ。すると大抵は「あ、そうなんだ」と受け入れられる。

「(カミングアウトした後)一秒も経たずに普通の会話に戻れる。『いいと思うよー』で話が終わっちゃう。気にしない人が多いですね」

また、カミングアウトをすると喜んでくれる友人も多い。

「友達として信頼してくれて、心を開いてくれた、と捉えてくれる人が多いです。カミングアウトも悪くないですよ」と笑う。

「レズビアンだから特別な人間とは思われたくないし、自分も思いたくない」

ザッキーさん。右手の薬指に彼女とのペアリングが光る。 SumireNakazono / BuzzFeed

2人に、将来の夢を聞いた。

レロさんは、まずは博士号を取ることが目標だという。

「研究者になりたいんで、博士論文を出さないと、っていう感じですね。あと何年か大学にいて、博士号とって、非常勤の口を探して、いつか定職に就きたいです」

ザッキーさんの夢は、好きな人と幸せに生きることだ。

「好きな人と生きるための、安定した職に就きたいです」

さらにこう続けた。

「本当に当たり前に生きていたい。みんなと同じように生きていたい。レズビアンだから特別な人間とは思われたくないし、自分も思いたくない」

そんなザッキーさんの右手の薬指には、パートナーである女性とのペアリングが光っていた。

「今日この取材の後デートなんです。つけてないと彼女に怒られちゃうんですよ(笑)」

右手の薬指にパートナーとのペアリングをつけるのは、大学生の仲良しカップルの定番だ。正直に言って、私はとても羨ましいと思った。

2人に話を聞いてわかったのは、LGBT塾生会は、私の入っているサークルとあまり違いがないということだ。アルバイトをして、サークルの友達と遊んで、パートナーとペアリングをつける彼女たちは、私と同じような学生生活を送っている。

2人が求めていたのは、特別な優遇ではなく、誰が誰を好きでも構わないという多様性が認められること。女性でも「私の彼女がさ、」と当たり前に話すことができる社会だった。

ーーーーーーーーーー

BuzzFeed Japanは、4月26日より5月9日まで「LGBTウィーク」として、LGBTに焦点をあてた記事やコンテンツを集中的に発信します。

13人に1人は、セクシャル・マイノリティ。これは電通ダイバーシティ・ラボが2015年、成人約70,000人を対象に調査した結果です。LGBTをはじめとする性の多様性は、そのまま社会の多様性へとつながります。私たちは今回の特集を通じて、多様性をポジティブにとらえる機会を提供したいと考えています。

・記事一覧

https://www.buzzfeed.com/lgbtjp