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大学生の3人に1人が避妊しないことがある? コンドームを配布する大学生たちの思いとは。

性の問題に挑む大学生の思いと覚悟。

「そもそも大学生はセックスをするべきではない」という主張は、現実離れしているように思える。

Sumire Nakazono / BuzzFeed

相模ゴムが2013年に行った調査によると、初めてセックスをした年齢の平均は20.3歳だ。さらに、2014年度の厚生労働省の調査によると、大学生と同世代である18歳から24歳の1年間の人工妊娠中絶件数は、5万1150件にのぼる。

「学生はセックスをするべきではない」

そう言って、セックスを「ないもの」にして、コンドームの使い方さえ教えないような性教育を続けても、望まない妊娠や中絶は減らないのではないだろうか。

実際には、セックスをする大学生は少なくないにもかかわらず、正しい知識を学ぶ機会もない。「いやらしい」「恥ずかしい」といった性のイメージにより、自分で調べることさえも躊躇しがちだ。

この現状を自分たちで変えようと、立ち上がった大学生がいる。

Sumire Nakazono / BuzzFeed

2016年、慶應義塾大学の学祭でコンドームを配布し、話題になった。彼らは、慶應義塾大学文学部岡原研究会のゼミ員たちだ。K-dom Projectを企画し、性の問題に挑んだ。彼らに、思いを聞いた。

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私たちにも、中絶は無関係ではない。

「身近な友人が中絶を経験しました。そのことから、中絶は、大学生に無関係のものではなく、実際にひとりひとりの若者がもっと考えなければいけないことだと思いました」

2016年当時、学部4年生だったK-dom Projectのメンバーによると、企画のきっかけは、身近な友人の中絶体験だったという。大学1年生の夏休みにサークルの友達が妊娠。相手の男性も、同じサークルの友達だったという。そして友人は中絶した。

先に述べたように、大学生の恋愛でセックスをすることは珍しくない。ただ、赤ちゃんができたらどうするかパートナーと話すことは少ない。また、避妊を男性に任せきっている女性も多い。

「性」について考えて、「生」を見つめること。これが彼らの企画である「K-dom Project」のテーマだ。

「避妊しないことがある」のは3人に1人。もっとも多かった理由は「妊娠の可能性が低いから」

「K-dom Project」の学内アンケートより。在学中の慶應生261人がGoogleフォームより回答。平均年齢21.01歳。男女比4:6。この質問の有効回答数は184人。

まず、彼らは、学生の性行為や避妊行為の調査に取り組んだという。大学生の性行為に焦点をあてて2016年6月〜11月、学内でアンケートを取った。

このアンケートで、学生の3人に2人は、ほとんどの場合避妊していた。同時に、3人に1人は避妊していない場合があった。

学内アンケートより。この質問の有効回答数は42人。

避妊をしなかった理由として、「妊娠する可能性が高くない」が3割程度、「安全日だったから」も1割弱あった。しかし、排卵日はずれることもある。そのため、セックスをすればいつでも妊娠の可能性はあり、妊娠しにくい日というものは予想できないことも多い。

「まだまだ性に関する知識が少ない人が多いことがわかりました」とメンバーは話す。

避妊手段として、もっとも多いのはコンドーム。でも…

学内アンケートより。左図:この質問の有効回答数は183人。, 右図:この質問の有効回答数は96人。

初体験時に9割以上の人が、避妊手段としてコンドームを使っていた。

一方で、コンドームを買ったことがある女性は2割にとどまった。

このことから、コンドームは、男性が買うものという固定観念があり、使用に関してはほとんど男性側に委ねられていることがわかった。

そこでアンケートの結果を受け、当事者意識を持ってもらえるようなオリジナルデザインのコンドームをつくり、学祭で、学生に配布することにした。

「性行為は2人でやるものなので、男性に任せ、女性が持たなくて良い理由はありません。女性も自分の体は自分で守るということを大切にしていきたい」

企画の名前「K-dom Project」のK-domとは、ドイツ語である「KONDOM(コンドーム)」と「KOMMUNIKATION(コミュニケーション)」に慶應義塾大学の「KEIO」をかけた造語だという。

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Sumire Nakazono / BuzzFeed

こちらは、オカモトの協力のもと作成したコンドームだ。

「避妊に失敗したかもと思った時の心情もアンケートでとったところ、『やばい』、『どうしよう』、『まさか』といったものがありました。もう一度よく考えてほしいと思い、ポジティブなワードではないこれら言葉をあえてパッケージにデザインしました」

慶應義塾大学の学祭で配ることを意識し、当事者意識が生まれるよう、慶應のロゴマークの色である濃紺と赤を取り入れた。

パッケージの裏には、コンドームの正しい使用方法が書かれている。

そして、2016年11月17日から20日の4日間、学祭で調査結果を展示し、コンドームを配った。

みなさん、ありがとうございます。 三田祭期間ずっとやっているので、私たちの研究結果を見にきてください。 大学院ビル、345-Aの教室です。 #k-dom #三田祭

学祭で見て取れた「女子はコンドームなんて持たない、恥ずかしい」「いやらしい」という意識。

K-dom Project

展示スペースに呼び込みをしていると、「コンドーム」というワードに嫌悪感を示す人もいた。そのような人は展示に見向きもしなかったという。

コンドームを持ち帰らない女子も多かった。「女子はコンドームなんて持たない、恥ずかしい」という根強い意識があるようだった。

「コンドームに対する卑猥なイメージを払拭してもらうまでには、なかなか至れませんでした」

一方で、展示を見て、避妊を自分のこととして捉えるようになった人もいる。

コメント沢山頂いています。展示している私たちも大変勉強になっています。こうして社会的タブーを暴いて一つずつ議論していくことも社会学徒の本業の一つです。

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BuzzFeedでは、4月17日から23日までの1週間を「性教育週間」(Sex Education Week)として、性にまつわる様々な記事を配信します。

誰にとっても他人事ではないけれど、どこか話しづらい「性」。私たちの記事が対話のきっかけになることを願っています。

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