菅義偉・前官房長官は9月16日、臨時国会で新たな首相に指名されました。
新しい内閣として発表された顔ぶれの中で、女性は法相の上川陽子氏(67)と五輪担当相の橋本聖子氏(55)の2人のみ。
これまでの歴代内閣でも、いつも女性閣僚は1人か2人というイメージはあります。実際のところ、どうなのでしょうか?
これまでの日本での女性閣僚の割合について、歴史を振り返ってみました。


中山氏は、長崎県長崎市出身。長崎商工会議所によると、イギリス人の父親と日本人の母親を両親に持ち、高校卒業後はアメリカの大学で学びました。
厚生大臣としては、小児まひ対策や母子家庭への児童扶養手当支給の法制化に取り組みました。
中山氏に続き、次期政権以降で女性が閣僚になることはありましたが、1人か0人の状態が続きました。

1972年発足の第一次田中内閣では、女性が一人もいません。年齢層もかなり高い様子が見受けられます。
一度に2人、就任したのは初女性閣僚誕生から約30年後のことでした。
1989年、女性2人が同時に閣僚就任

1989年発足の海部俊樹内閣では、評論家の高原須美子氏が経済企画庁長官に、参議院の新人である森山真弓氏が環境庁長官に就任しました。
今回、発足した菅政権でも女性の入閣は2人。初の2人同時入閣から31年後の内閣も、あまり様子は変わっていないようです。

時代の流れと共に、女性が複数入閣することも多くなった一方で、90年代になっても、女性閣僚がゼロの内閣もあったようです。
1995年8月発足に発足した自民・社会・さきがけ連立の村山改造内閣では男性閣僚しかいませんでした。
日本の女性閣僚、過去最多は…?
日本の女性閣僚、歴代内閣で最多では何人だと思いますか。
答えは「5人」です。
女性5人の入閣は過去2回ありました。

史上初の女性5人の入閣は、2001年4月に発足した第一次小泉政権。
田中眞紀子氏が外務大臣に抜擢され、遠山敦子が文部科学大臣、扇千景氏が国土交通大臣、森山眞弓氏が法務大臣、川口順子氏が環境大臣に就任しました。
「女性活躍」を掲げた安倍政権も、過去最多の5人の女性閣僚を2014年に登用しています。

2014年9月発足の第二次安倍改造内閣でも、5人の女性が入閣しました。
第2次安倍政権では、内閣改造のたびに複数の女性が複数入閣しました。しかし、世界的に見ると、それでも多いとはいえません。
女性閣僚の割合、日本は世界113位
女性に関する国連の機関「UN Women」とIPU(列国議会同盟)が2020年3月に発表したデータによると、2020年1月時点では、日本の閣僚ポストで女性が占める割合は15.8%で、なんと「世界113位」です。
1位のスペインと2位のフィンランドは女性の閣僚の割合が60%を超えていて、スペインでは66%です。
女性閣僚が50%以上の国は14カ国あり、上記2カ国に続き多い順に、ニカラグア、コロンビア、オーストリア、ペルー、スウェーデン、ルワンダ、アルバニア、フランス、アンドラ、カナダ、コスタリカ、ギニア・ビサウです。