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日本人は、仕事や生活に“不満”を感じている人が多い? 「仕事が楽しい」が世界103位の現状とは

心身の健康や幸せが「置いてけぼり」になってしまいがちな現代で、ウェルビーイングの大切さが見直されています。

今の生活にどれくらい満足していますか? 自分の仕事に喜びや楽しみを感じている?

こう聞かれたら、あなたは率直にどう答えるでしょうか。

GDP(国内総生産)で見ると世界3位の日本ですが、自身の生活や仕事に感じる満足度や「幸せ」は、世界トップクラスではありません。

あらゆるデータから、日本での「ウェルビーイング」について考えます。

ウェルビーイングは幅広い概念で、身体的・精神的・社会的に良い状態であることを指します。

体と心、生活や仕事、人や社会との関わりに満足感や幸せを感じている状態のことです。

心身の健康や幸せが「置いてけぼり」になってしまいがちな現代で今、ウェルビーイングの大切さが見直されています。

「仕事に喜び・楽しみ」日本は世界103位…?

8時間勤務だとしても、1日の約3分の1を占める「仕事」の時間。あなたは自分の仕事に満足し、楽しんで働けていますか?

世界最大規模の世論調査「ギャラップ・ワールド・ポール」を通じ、パーソルホールディングスなどが行った調査によると、世界122カ国・地域の中で、「仕事」をめぐる日本人の満足度は、高くありませんでした。

「日々の仕事に喜びや楽しみを感じていますか?」という設問に対しては、日本からの回答者1000人のうち、「はい」と回答したのは72.8%にとどまりました。(期間:2021年6月〜2022年3月)

世界各国と比べると、日本の順位は122カ国・地域中で、103位でした。

前年度の順位は95位で、今回は8ランク下げていました。

「自分の仕事は、人々の生活をより良くすることにつながっていると思いますか?」という設問に対しては、日本の回答者の79.1%が「はい」と答え、各国との比較では世界46位。

また、「自分の仕事や働き方は、多くの選択肢の中から、あなたが選べる状態ですか?」という自己決定権をめぐる設問には、69.2%が「はい」と答え、世界56位でした。

日本の「幸福度」は、世界54位

国連機関である持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)が毎年発表している、世界幸福度調査のランキングでは2022年、日本は世界146カ国中54位でした。

この調査は10年前から実施されていて、社会保障制度などの社会支援、健康寿命、人生の自由度などの要素から、ギャラップの調査をもとにランク付けされています。

10年前、2013年の発表では日本の順位は43位。5年前の2018年の発表では54位でした。

2020年の62位を除き、過去10年日本は、40台から50台の順位を推移しています。

あなたの「生活満足度」は10ポイント中…?

政府の骨太方針2022にも目標として盛り込まれたウェルビーイング。

内閣府は、日本の経済社会状況についてGDPだけでなくウェルビーイングについて知ろうと、「満足度・生活の質に感する調査」を2019年から調査をしています。

総合的な生活満足度は2022年、全体で10点中「5.76点」でした。

女性では5.88点。男性は5.63点という結果に。

年代別では、高齢者が高く、65〜89歳で6.50点。40〜64歳が5.54点。15〜39歳で5.70点でした。

「家計と資産」や「雇用環境と賃金」「仕事と生活(ワークライフバランス)」などの14項目で調べた分野別満足度では、前年度比で、「子育てのしやすさ」以外の全項目で微増の改善がみられました。

この調査は2019年に開始され、2022年で4度目となったため、コロナ禍でのリモートワーク導入などの変化の影響も浮き彫りに。

調査では「コロナ禍では感染拡大防止のため、出勤回避策としてテレワークが浸透した。通勤時間が削減されるとともに、働いている間も家で過ごすなど、ワークライフバランス(WLB)の在り方が変化してきたと考えられる」と綴っています。

WLB満足度は2019年の5.25ポイントから2022年の5.36ポイントまで毎年、微増で上昇しており、改善が見られています。

WLB満足度に大きく影響する時間の使い方として回答者は、「自由に使える時間」「労働時間」などをあげていました。

リモートワークが他地域より浸透し、通勤時間が減少した割合が多かった東京圏の就業者に絞って見ると、「通勤時間が減少した層で、健康状態の満足度の上昇が有意に0.26ポイント上昇」しました。