50冊のところを5000冊誤発注し、注文請書を平成の31年間、書き直して使っている山梨県の和菓子屋さんが話題になっています。新時代「令和」になっても、まだまだ在庫が残っているそうです。
50冊のところを5000冊注文してしまい、昭和の部分を平成に書き直しては細々と店舗で使い続けてきた注文請書でしたが、ついに平成も終わってしまいました。 令和が終わる前には使い切りたいです。
「40年ほど前に誤発注で50冊のところを5000冊注文したようで、倉庫にはまだ段ボールに入ってたくさん在庫が残っているんです」
山梨県北杜市白州町にある和菓子屋「金精軒」の担当者は、BuzzFeed Newsに対しそう話します。
誤発注した本人や当時のことを知る人は現在はもういないそうですが、毎日、手書きで「平成」と元号を書き換えていた従業員たち。新元号発表の際には「いよいよ新しい元号を書くんだな…」と感慨深い思いを抱いたそうです。
「令和だと、一文字しか書き換えなくて良いので、おかげさまで手間が半分に省けました。頑張って令和が終わるまでに全て使いたいです」
担当者は笑いながらそう話します。
昔の金精軒の写真が欲しいとの依頼があり、昭和30年頃の菓子工場の写真をひっぱり出してきました。職人が鉢巻でお菓子を作っても許されていたことにとてもとても驚きました。
実はこの金精軒さん、創業117年の歴史を持つ老舗和菓子屋。
一方で、時代に合わせてtwitterでの発信もしており、フォロワーは2万7千以上という人気アカウントです。
普段からツイートへの反響は多いようですが、今回の注文請書に関するツイートのリツイートは4万5千、いいねは12万にも上りました。
ツイートには「頑張って使い切ってください!」「和は一緒だからこれからは書き直すの昭→令だけで済みますね!」など多くの反応が。
担当者は「みなさんからの応援メッセージも読みました。とても世間のみなさまは優しいのだなと思いました」と話します。
中にはこんなハンコのおすすめも…
文字サイズを合わせ縦書きも急遽追加しました!
ツイートへの反応の中には、「昭和」を「令和」に簡単に書き換えることができるハンコのおすすめも。
東京都小金井市にあるレトロ文具専門店「中村文具店」では、改元前の4月中には既に、昭和と印刷された領収書などを使い続けたい人のために、二重線と「令」の字を合わせたハンコを注文していたようです。
ツイッター利用者からのこのハンコの利用をすすめられた金精軒さん。
「とても便利そうで、すでに社内でも買おうかと話していたんです」と語りました。
ちなみに、中村文具店さんが作られた令和のハンコは、二重線と「令」の字が縦のバージョンと横のバージョン、2種類があるそうです。便利…!
昭和と印刷してあるからと、その在庫を捨てるのではなく。手書きの訂正やハンコで書き換えて、古いものも使い続ける精神、大切にしたいですね!