サイトを開設したのは、グラフィックデザイナーでイラストレーターの佐藤ちとさん。
「性教育は自分や相手の心と身体を大切にするために必要な知識」「性教育がもっと広がってほしい」という思いで、仕事終わりや週末などの時間を使って約1年間、準備を進めてきました。
「避妊具」「生理」「同意」など、約40のカテゴリーに分けられていて、イラストをクリックすると、PNG形式の画像ファイルをダウンロードできる仕組みです。
学校での性教育の授業や、性にまつわる講演活動をする医師らのプレゼンテーションなどに使われることを想定しています。
性器や病院での診断の様子など医療に関わるイラストも多いため、それらのイラストには、複数の助産師や泌尿器科の医師が監修につきました。
性教育「より発信しやすくなるように」
イラストは全て佐藤さんが描きました。
サイト開設に際し、佐藤さんはこう話します。
「教員や児童館の職員さんなど、性教育に関わる様々な立場の人から『こんなサイトができるのを待っていました…!』『すぐに使いたいです』という応援のメッセージをたくさんもらいました」
「性の知識を発信する人が、より発信しやすくなるようにと思ってサイトを作りました。性教育がもっと広まる世の中になってほしいと思います」
サイトを立ち上げようと考えたきっかけは、性教育用のイラストに需要があると感じたことでした。
佐藤さんは、学生時代から性教育に興味を持ち、様々なイベントなどにも参加してきました。
社会人になってからは、グラフィックデザイナーとして働きながら、副業で性教育にかかわるイラストを描いてきました。
そこで気づいたのが、「関係者から依頼されるイラストが似ている」ということ。
性教育に特化し、詳しい描写があるイラスト素材の必要性を感じました。
コンドームの付け方や低用量ピルのイラストの発注が多く、「求めているイラストは似ているけど、そのイラストがなかなか手に入らないんだ」と感じたといいます。
例えば、性教育ではコンドームの紹介だけでなく、付け方も教えます。
よって、コンドームそのもののイラストだけでなく、コンドームが破れないようにまず袋の中で端に寄せてから袋の縁を切り落とした絵、装着の手順を追った絵など、多くのイラストを用意しました。
生理用ナプキンに関しても、ナプキンの付け方から使用後の捨て方まで、細部にこだわって描きました。
LGBTQやジェンダー、DV、痴漢など様々なテーマを教えられるよう、イラストのカテゴリーを充実させました。
サイトの運営費を集めるために今春、クラウドファンディングをし、281人から約176万円が集まりました。
Twitterを通して海外からも反響があったことなどから、今後は、サイトの英語版をつくることを目指しています。