新しいポカリスエットのCMが「すごい」とTwitterなどで話題になっている。
何が「すごい」のか。実はこのCM、中高生が歌っているシーンをそれぞれ「自撮り」した動画を繋げたものという。
なぜ、このような撮影方法になったのか、大塚製薬の担当者に話を聞いた。

CMは、女優で現役高校生の汐谷友希(しおやゆき)さんがヒロインとして、中高生と共に出演しており、汐谷さんが歌い出すシーンから始まる。
汐谷さんに続き、中高生がスマートフォンで自撮り棒なども使い、自身が歌う様子を撮影したシーンが数秒ずつ繋がっていく。

同社は2019年10月ごろから、合唱を軸としたCM企画を始めていたが、今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初予定していた「実際に集まって合唱する様子を撮る」ということが難しくなったという。
そのため3月初旬に、この撮影方法への変更に踏み切った。
大塚製薬の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、こう話す。
「TikTokやYouTubeなど、中高生世代は自らのパフォーマンスなどをうまく表現することができる世代のため、自分たちの歌を『自分たち』で撮って、全員でつなぎ合わせるというコンセプトを考えました」
それぞれが撮影した映像が届き、実際に編集されるまで、「どのようなCMになるのか、仕上がりが想像しづらかった」ことが大変だったというが、だからこそ、編集した映像を始めて見た時は「その熱量に心を動かされた」と話す。

今回のCMのテーマは「NEO合唱」だ。担当者によると、NEO合唱とは「自分が楽しいと思うことを自由に表現し、共に歌うこと」。
「今はみんなで集まれないけれど、自分の場所で、自分らしく歌は歌える」、そんな思いで、それぞれの自宅などで撮影をしたという。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、卒業式や入学式が延期・キャンセルとなった学校も多くあった。
CM内の合唱の中では、定番の卒業式ソングの一節も歌われている。

感染拡大防止のため、それぞれの自宅などで撮影して編集し、一つの動画となった。
今回のCMについて、担当者は「青空の下、離れて過ごす中高生たちが、ひとつの歌で繋がりました」と表現する。
自撮り動画は最後、それぞれの場所から「青空」を映して完結している。

同社担当者によると、感染予防のために参加者が全員集合しての撮影を断念したため、自宅で個々に自撮りをした動画を制作スタッフに送付してもらう形で進行したという。
撮影指導と制作過程の記録を行うために、ヒロインの汐谷友希さん含む数名の出演者にのみ、最小限のスタッフが立ち会った。
出演者とスタッフは、撮影の数日前から検温や海外渡航歴などのチェックをし、体調に問題ないことを確認した上で撮影に臨んだ。
また、クラスター(集団)感染の要因となりうる、密集・密接・密閉の「3密」を避けるため、撮影時も、こまめに換気、消毒、マスクを着用して撮影を行った。

担当者は、こう語る。
「学生の日常に溢れることばが並ぶ歌詞は、10代の「今」をテーマにしています。友だちとの掛け合いのように始まる歌が、少しずつ輪を広げ、やがて大合唱へ繋がります。『誰かの歌ではなく、自分たちの今を歌って欲しい』という思いを込めました」
このCM動画は、4月10日から大塚製薬のYoutubeチャンネルなどで公開された。17日からテレビでも流れるという。
新CMの60秒版はこちら
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