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「守られるべき命が…」LUSHがツイートで呼びかけた理由

知っていますか?今、「守られるべき命が危険にさらされる可能性がある」こと。LUSHが賛同を示した「#難民の送還ではなく保護を」キャンペーンとは

「守られるべき難民の命が危険にさらされる可能性があります」

「大切な命を守るために、あなたのRTが声となって届きます」

今月、スキンケア商品・化粧品販売のLUSH(ラッシュ)が公式Twitterアカウントで、こんなツイートを投稿しました。

ラッシュは、難民支援協会が実施するキャンペーン「 #難民の送還ではなく保護を 」に賛同します。今進められている法改正により、守られるべき難民が命の危険にさらされる可能性があります。大切な命を守るために、あなたのRTが声となって届きます。https://t.co/fDAyc5kjld

Twitter: @LUSHJAPAN

2千回以上「いいね」されたこのツイートでラッシュが問題提起したのは「入管法改正案」について。

この件に関しては、各地のラッシュ店舗のTwitterアカウントもツイートしています。

この改正案、何が問題?なぜラッシュが?

投稿で「ラッシュは、難民支援協会が実施するキャンペーン #難民の送還ではなく保護を に賛同します」とし、こう綴られた画像をアップしました。

「迫害から逃れ、日本に暮らす難民申請者の送還を可能にする入管改定法が、国会で審議されています」

「送還されると迫害を受けたり、命に関わる可能性があります」

ラッシュは以前から難民を支援する活動をしていて、日本国内の難民支援団体に寄付・助成をしたり、積極的に難民支援について発信してきました。

日本へ逃れてくる難民の人々は、母国で紛争や人権侵害の被害に遭い、自分や家族の命を守るために国を追われ、日本へ渡ってきます。

今回の入管法改正案によって、また母国に送り返されてしまう確率が高くなるとして、警鐘を鳴らしています。

Getty Images

ラッシュはウェブサイトでも「難民は守られるべき存在であると考えます」と明言し、今回の改正案について反対する姿勢を示しています。

「難民とは、紛争や人権侵害などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちのことです」

「国によって、政治的な意見の表明や、LGBTQ+などセクシュアリティのアウティングが理由で死刑の対象になるなど、突如『難民』となる場合が多くあります。母国への送還は命に関わる可能性があります」

迫害の危険がある国に送り返す危険性とは

Sopa Images / Getty image

軍・警察の市民への弾圧が激化するミャンマー。3月19日のヤンゴンの様子。難民支援協会は「ミャンマーは、日本では随分前から『民主化した』と見なされ、難民認定されることがほとんどなくなりました」と指摘する。

今回、ラッシュが社として賛同するキャンペーン「#難民の送還ではなく保護を」とはどのようなものなのか。BuzzFeed Newsは、認定NPO法人「難民支援協会」に話を聞きました。

難民支援協会は、今回の入管法改正案が難民に大きな影響を与えるとして、3月15日から2週間、Twitterハッシュタグを使ったキャンペーンを実施しています。

期間中、この改正案が通った際の影響などについて、データやスライドなどを交え説明しています。

代表理事の石川えりさんは取材に対し、「今回、政府が国会に提出した入管法改正案には様々な問題がありますが、特に懸念しているのが、難民を迫害の危険のある国へ送り返すことにつながる改定です」と話します。

難民支援協会

難民支援協会がTwitterキャンペーンで拡散を呼びかける、入管法改正案についての説明スライド

石川さんが問題を指摘するのが、法案が通った場合に「難民申請が3回目以上の人、要するに難民申請が2度却下され改めて訴えている人を、手続きの途中でも強制送還できるようになる」という点。

石川さんは、難民申請をしている人々の強制送還について、こう説明します。

「日本は難民条約に加入していて、迫害のおそれがあるために逃れてきた難民の保護を約束しています」

「条約は難民を迫害の危険のある国へ送り返してはならないと定めていて、難民かどうか審査中の難民申請者も含めて、送還は禁止されており、現在の入管法でも禁止されています」

そもそもとても低い「0.4%」という日本の難民認定率。そして…

難民支援協会

では、なぜ難民申請が既に2回却下された人を、国へ送り返すことが問題なのか。

背景には、各国と比べても極端に低い日本の難民認定率や、複数回申請してやっと難民と認定されるなどの現状があります。

下のグラフは、2019年のドイツ、アメリカ、カナダなどG7各国の難民認定数と認定率です。

カナダの同年の難民認定率が55.7%、イギリスが46.2%、アメリカが29.6%なことに対し、日本は0.4%と極端に低いことがわかります。

難民支援協会

2019年の各国の難民認定数と認定率。各国と比べても、極端に日本の難民認定率が低いことがわかる。

石川さんは、このような日本の難民受け入れをめぐる状況を踏まえ、こう指摘します。

「日本の難民認定制度には、国連などから何度も改善を求められるほど多くの課題があり、難民として保護されるべき人も日本では難民不認定となっています。複数回申請してやっと裁判で認定された人もいます」

「この法改定により、難民申請を繰り返すことで、かろうじて強制送還だけは免れることができていた人たちを、迫害の危険がある母国に送還してしまう可能性が強く懸念されます」

入管法改正案は、4月以降に国会での審議が見込まれていて、その前に少しでもこの改正による影響を知ってほしいと、同協会はTwitterでのキャンペーンをしています。

同協会では「#難民の送還ではなく保護を」のハッシュタグで意見も募っていて、ハッシュタグのついたツイートを国民からの声として各党の議員に報告、国会に声を届ける予定です。

国会での審議を目前に、石川さんはこう呼びかけます。

「ミャンマーや香港、シリアなど、世界各地で起きている迫害を止めるために個人にできることは限られるかもしれませんが、日本に庇護を求めて逃れてきた人を受け入れるのか、適切な審査もなく送り返す国にするのか。それは日本で暮らす一人ひとりの関心や声次第です」

「この法改定により身に危険が及ぶ当事者の多くは、言葉の壁や難民申請中という不安定な法的地位から、声をあげることができません。状況を変えるためには、日本暮らす一人ひとりが声をあげることが必要です」

JARからは難民申請者を送還することの問題を様々な角度から伝える投稿を連日行います。ぜひ継続的にご覧いただき、賛同の声など寄せてください。#難民の送還ではなく保護を をつけた投稿は何度でも歓迎! ◆実施期間:3/15(月)~3/31(水) この期間に集中投稿し、議員への報告は4月上旬から行います

Twitter: @ja4refugees

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