• borderlessjp badge

「日本で地獄をみている人たちがもっと苦しんでしまう」そうなる前に、今あなたに知ってほしいことがある

難民申請をしている外国人やその弁護士たちが会見を開き、入管法改正案に反対の声をあげました。

「本来救われるべきなのに救われず、いま、日本で地獄をみている難民の人たちが、もっと苦しむことが目に見えています」

日本に助けを求め逃れてきた難民の人たちへの対応を大きく変えかねない法律の改正案が今、注目を集めている。

政府が提案する、出入国管理法の改正案だ。難民申請をしている外国人や弁護士、支援者らが4月7日、会見を開き、改正案に反対の声をあげた。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

入管法改正案に反対する会見の様子

政府が2月、国会に上程した入管法改正案では、難民申請が2回却下され、3回目以降の申請する人について、手続きの途中で送還できるようにするといった内容になっている。

日本の難民認定率は例年1%に満たず、国際的に見て極端に低い。何度目かの申請でようやく認められる人もいる。

この状況で、3回目の申請を送還の対象にすることは、その人の命を脅かす可能性が高いとして、改正案に対して強い反対の声があがっている。

法務省出入国在留管理庁などに宛てられた、入管法改正案に反対するオンライン署名には、2万筆以上が集まった。

難民申請をする外国人を支援してきた駒井知会弁護士は、「難民申請をしている人たちは、どうしても帰れない重い事情を抱えた人たちです。この政府案だけは絶対に通してはならない」と語った。

難民は「祖国で十分すぎるほど傷つき、怖くて祖国に帰れない人たち」

Sumireko Tomita / BuzzFeed

難民申請中の人も多く収容されている東京出入国在留管理局

駒井弁護士は、日本を「難民鎖国」と表現し、こう語った。

「考えて欲しいんです。日本に来ている難民の一人一人にも、夢がありました。祖国で民主化運動に参加し『祖国を変えたい』『人権が守られる国にしたい』という夢を持っていた人たちです」

「大切な人生と夢、祖国を捨てて、彼らは日本にやってきました。家族を残酷な形で失い心に傷を負った人もいます。拷問による傷が体にまだ残っている人たちもいます」

駒井弁護士は「祖国で十分すぎるほど傷つき、怖くて祖国には帰れない人たちを放置している」と、日本政府の難民認定率の低さを批判。状況をさらに悪化させる改正案について「強く反対し、廃案を求めます」とした。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

駒井知会弁護士

極端に低い、日本の難民認定率

難民申請が2回却下された人を、国へ送り返すことが、どうして問題なのか。その背景には、国際的にみて極端にハードルが高い日本の難民認定制度の現状がある。

2020年に日本で難民認定申請をした人数は3936人。難民認定された人は47人だった。

2019年の日本での難民認定率は0.4%。G7諸国と比較するとカナダが55.7%、イギリスが46.2%、アメリカが29.6%と、日本認定率が飛び抜けて低いことがわかる。

会見を開いた弁護士らによると、退去強制令書が出された9割以上の人々は送還に応じている。しかし、改正案では「命の危険がある」などの理由で帰れない人が国外退去命令に従わない場合、刑事罰の対象にするとしており、その点も問題視している。

Sumireko Tomita / BuzzFeed

東京出入国在留管理局

「あなたの国は民主化したから大丈夫。帰ってください」

会見には、いま3回目の難民申請中のミャンマー出身でカチン族の女性も参加した。

ミャンマーでは、2月にクーデターを起こした国軍や警察が、民主化を求める市民500人以上を殺害し、情勢が混乱している。

国軍に抵抗するカレン民族同盟(KNU)やカチン独立軍(KIA)など少数民族勢力と国軍の衝突も拡大している。

国軍はカレン州を空爆し、住民およそ2万人が避難するなどの事態が発生し、少数民族の子どもや市民が巻き込まれている状態だ。

会見で話したカチン族の女性の父親は、カチン独立軍(KIA)の将校。

幼い頃から、国軍の弾圧から身を守るために転々とし、転校も繰り返す生活で、12年前日本に難民としてやってきた。

祖国を逃れないと命が危うい状況だったが、難民申請は却下され、「何回も難民申請するしかなかった」という。

女性はこう話す。

「皆さんも今、ミャンマーの状況をテレビで見ていると思いますが、私やカチン民族は、ずっとこの状態が続いていました。子どもも殺され、もっとひどいことが起こっていました。帰ることは絶対にできないんです」

「それでも、入管には『あなたの国は民主化したから大丈夫。帰ってください』と言われました」

彼女は、すでに2度にわたり難民申請が却下された。ミャンマーに戻れば、どんな目に遭うか分からないという。

このような状況の人でも、入管法改正案が通れば、送還の対象になってしまうのだ。

Jason Motlagh/For The Washington Post via Getty Images

2012年6月に撮影された、カチン独立軍と国軍の衝突から逃れ、カチン州マイジャヤンにある避難民キャンプに身を寄せるカチンの人々。カチン民族の人々に対する弾圧は長年続いている。

在日ビルマ人難民申請弁護団代表の渡邊彰悟弁護士は、「入管はカチンの状況を全く理解しておらず『民主化されたでしょ』と言っていた。国民民主同盟(NLD)政権下における人道弾圧を、全く見ていなかった」と指摘。

「三回目の難民申請者の送還を進めるのは、あきらかにおかしい」と話した。

カチン族の女性は、入管法改正案について、こう語った。

「命が危ないから難民申請をしています。命が危ないから日本にきました。それを3回目申請したらもう受け入れないというのは、おかしいと思います」


ご意見を募集しています

📣BuzzFeed Newsでは、LINE公式アカウント「バズおぴ」(@buzzopi)で、読者の皆さんのご意見を募集しています。

日々の暮らしで気になる問題やテーマについて、皆さんの声をもとに記者がニュースを発信します。

情報や質問も気軽にお寄せください🙌LINEの友達登録でBuzzFeed News編集部と直接やりとりもできます。様々なご意見、お待ちしています。

友だち追加

(サムネイル:日本で難民申請を繰り返してる家族、Sumireko Tomita / BuzzFeed)

Contact Sumireko Tomita at sumireko.tomita@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here