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Updated on 2019年12月28日. Posted on 2019年12月26日

日本にも、凍える寒さの中で野宿する「難民」がいる。支援スタッフがいま伝えたいこと

日本にもこの寒空の下、野宿生活をする難民申請者の人たちがいます。難民支援協会に話を聞きました。

「難民」という言葉を聞くと、どこか遠い国の話に感じる人も多いかもしれない。

しかし、実は日本にも、難民として日本に来て、凍える寒さの中、野宿生活を続けざるをえない人々がいる。

その多くはアフリカ出身で冬の寒さを経験したことがなく、また、日本の冬の厳しさを知らずに国から逃れてきた人々だという。

そのような人々をサポートする「越冬支援」が始まっている。NPO法人「難民支援協会(JAR)」を訪れ、話を聞いた。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

難民申請中の子どもたちが書いた絵

ビルが立ち並び、スーツを着た人々が忙しく行き交う、東京都千代田区のビルに、難民支援協会はある。

ビルの入り口には英語やフランス語、日本語で「難民支援協会」「4階にあがってください」と書かれた看板が立っている。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

難民支援協会の職員が勤務するオフィスには、日本に難民として来た人々に食事を提供したり、生活相談を実施するスペースがある。

支援協会で広報を務める伏見和子さんは「私が今朝、事務所に到着した時にも、すでに入り口前に5人ほど人々が待っていました」と話す。

「そのうち4人の方はホームレス状態に陥っている方々です。昨晩も雨で、今朝も寒かったので、急いで事務所の扉を開けて部屋を暖めると、ぐたっと倒れこむように、体を休めたり睡眠を取ったりしている方もいらっしゃいました」

公園や路上などで夜を過ごすが、寒さや安全上の問題などであまり寝付けず、日中に数時間、仮眠をとっていく人も少なくない。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

日本に難民として来て、この日、支援協会の事務所を訪れていた人

この事務所には、1日で30人前後の人々が助けを求め訪れる。

以前は平均で、事務所を訪れる難民申請者の人々は15〜20人ほどだったが、今年の夏ごろから増加し、40人ほどが訪れる日もある。

事務所には、寄付による食料が常に備蓄され、あたたかい食事や仮眠スペースが提供される。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

事務所で提供されている食料

2018年度(18年7月〜19年6月)、同支援協会に個別支援を受けたのは62カ国から逃れてきた623人。うち6割がアフリカ諸国出身者だった。

広報の伏見さんは「アフリカ諸国出身者にとって、日本の冬はとても厳しい」と話す。

多くの人々は、半袖にサンダルという服装でスーツケースやかばん一つで単身、日本に到着する。そのため、事務所では、コートや手袋の防寒具、寝袋などを提供している。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

仮眠をとる難民申請者のかばんと、支援協会から提供された寝袋

「越冬支援」とは文字通り、冬を乗り越えるための支援だ。凍傷、あるいは凍死、餓死を出さないよう、ウェブサイトなどで寄付を募り、支援を行なっている。

年末年始は、関東圏内でホームレス支援を行う他団体の力も借りて、支援するという。

すでに日本国内に難民申請者のコミュニティが形成されている国から来る人々は、コミュニティで助け合うため、ホームレスになったりする確率も低い。

支援協会の事務所に助けを求めて訪れるのは、全く日本に身寄りがない人々だ。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

支援者から寄付されたマフラーなどの防寒具や洋服

この事務所のほかに同協会が管理しているシェルターが約30部屋ある。生活の目処がたつまで、そこに住むことができる。伏見さんは話す。

「人にもよりますが、約3カ月ほど留まったり、もっと長い期間いざるを得ない人もいます。シェルターは満室の状態が続いていて、ホームレス状態に陥ってしまう人がでてくるというのが現状です」

2018年1月の「難民認定制度の運用の更なる見直し」実施により、難民申請後8カ月経過しなければ、多くの人が就労が認められず、国民健康保険加入などの公的サービスも受けられない。

他国では、医(衣)食住をめぐり政府が実施している難民申請者らへの支援も、日本では乏しく、民間がやらざるをえないのが現状だ。

支援協会によるサポートは、企業や個人の寄付によって成り立っている。支援金ももちろんだが、海外発祥で日本国内に20店舗以上展開している、あるパン屋は、毎日のように支援協会にパンを提供しているという。

しかし「民間にできることには限界もある」と伏見さんは話す。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

寄付されたパン

支援協会では、法的支援や生活支援のほかに、就労に向けた支援も実施している。仕事を始めるにあたって必要な日本語の学習を180時間、62人に提供した。

また、難民申請後に政府から就労を許可された人に対しては、企業のマッチングなど実施し、44社に54人が就職したという。

世界でもまれに見る低い難民の認定率

2018年、日本に1万493人が来て、難民申請をした。しかし、同年に難民として認定されたのは42人のみだ。

前年度より多くの人が難民認定を受けたが、それでも難民に認定されたのは申請の1%にも満たない。また、入管の収容施設への長期収容や、施設内での医療なども問題となっている。

協会によると同年に難民に認定された人の数は、日本の42人に対し、ドイツは5万6583人、米国は3万5198人、フランスは2万9035人という。

【大掃除のときに思い出してください】読み終わった本が、日本に逃れてきた難民の方々の力になります!5冊以上、全国集荷無料で買取金額が難民支援協会(JAR)への寄付金になります。古本を箱につめてウェブで集荷予約するだけ!本棚の大掃除で難民支援にぜひご協力ください! https://t.co/Z8cBhKEhAf

@ja4refugees

支援協会では、越冬支援にも合わせて、本を送ることで寄付ができるキャンペーンも実施している。

サムネイル:難民支援協会提供/ 撮影LIFE.14 (イメージ写真)

Contact Sumireko Tomita at sumireko.tomita@buzzfeed.com.

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