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「日本ではほとんど見かけないかもしれない…」だからこそ。ある歌手の思い

ゲイカップルを描いたミュージックビデオが公開されました。歌手の天道清貴さんに話を聞きました。

夜の散歩や花火の思い出、肩を寄せ写真を撮る2人の男性ーー。

ゲイのカップルの恋愛を描いたミュージックビデオ(MV)が公開されました。

日本の音楽シーンでは、MVなどで自然な形で同性カップルが描かれることはあまり多くありません。

男性同士の恋愛をテーマにした映像をつくった理由とは?

歌手の天道清貴さんに話を聞きました。

WE ARE ONE RECORDS

ミュージックビデオのワンシーン。右側が天道清貴さん。

清貴さんは11月6日に出した新曲『ずっと大事な人』で、大切な人の幸せを願う切ない思いを歌っています。

YouTubeで公開したMVでは、清貴さんとゲイ当事者の一般人男性がカップルを演じ、2人が一緒に過ごした時間や、別れた後も相手を思う様子を表現しています。

清貴さんは宮城県出身のシンガーソングライター。高校生だった2000年にメジャーデビューしました。

2015年には、清貴さん自身がゲイであることを公表。清貴さんは、こう語ります。

「私にとっては自然なことなのですが、日本では同性同士のカップルが自然に描かれているミュージックビデオというのはほとんど見かけられません。まだまだ根強い偏見などがあるような気がしています」

「このMVを通して、LGBTQを『人と違う変わったもの』と捉える社会の風潮を少しでも変えるきっかけになればという思いがありました」

WE ARE ONE RECORDS

清貴さんは、小学生の頃から男の子が好きだと気づいていましたが、テレビで同性愛が嘲笑の的になっていたこともあり、「子ども心にいけないことだと思ってしまった」と振り返ります。

わざと女の子が好きなふりをしたり、嘘に嘘を重ねたりすることに疲れ、つらい思いをしたこともありました。

清貴さんはデビューしてから15年間、ゲイであることを伏せて音楽活動を続けていましたが、セクシュアリティをめぐってネット上で誹謗中傷を浴びることも。

米国での音楽活動を経て日本帰国後、「自分らしく生きたい」と、2015年の東京レインボープライドの舞台でカミングアウトをしました。

WE ARE ONE RECORDS

悩みや葛藤があったからこそ、同じような悩みを抱える若い世代に伝えたい思いがあります。

「いろんな方から、本当のことを親には言えない、職場でも学校でも言えないという話をよく聞きます。特に地方では、その傾向が強いように感じます」

「そういった話を聞くと、とてもやるせない気持ちになります。私自身が自然体で表現することで、もしかしたら、誰かの心が軽くなるんじゃないかという思いもあります」

「そして、偏見がある人にも、性別に関係なく、自然な形で愛する人がいると伝えられたらと願っています」

WE ARE ONE RECORDS

MVには男性同士のカップルが登場しますが、歌詞には性別関係なく「ずっと僕の大事な人」への思いを綴りました。

歌詞については、こう話します。

「同性愛、異性愛といったことは関係なく、誰かを大切に思う気持ちを歌った作品です」

清貴さんは、ゲイであることを公表してから、日本のセクシュアル・マイノリティのポートレート撮影プロジェクト「OUT IN JAPAN」のテーマソングを歌うなど、LGBTQに関わる活動も広げてきました。

日本では、企業のテレビCMや広告などで、少しずつ同性カップルなどが登場してきています。そのことに対し、清貴さんはこう思いを語りました。

「MVなどでも、同性カップルやLGBTQの家族の登場シーンがもっと自然な形で増えていったら、世間の意識も変わってくると思います。同性婚が認められていない中、LGBTQの家族というのは日本ではまだまだほとんど見られない形ですが、音楽表現を通してそういったことも発信していけたら」

「誰かを好きになって、相手がどんなセクシュアリティでも、その人と家族になることをあきらめなくてもいい世の中になってほしいです」

【MV】天道清貴 - ずっと大事な人

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