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「子どもたち恐怖にさらされている」北朝鮮ミサイル発射で朝鮮学校を中傷。弁護士らが緊急声明

北朝鮮によるミサイル発射をめぐり、朝鮮学校やその児童・生徒らに対してヘイトスピーチが向けられています。弁護士らは「子どもたち恐怖にさらされている」と訴え、早急な対応を求めています。

北朝鮮によるミサイル発射をめぐり、記事のコメント欄やTwitterなどで、朝鮮学校に対してヘイトスピーチが向けられている。

在日外国人の人権問題に取り組む弁護士などでつくる「外国人人権法連絡会」は声明を発表し、「子どもたちは恐怖にさらされている」と指摘。日本政府などに対し早急な対応を求めた。

(*この記事にはヘイトスピーチの文言が直接含まれます。閲覧にご注意ください)

北朝鮮のミサイルと日本の現状は

北朝鮮は10月4日に弾道ミサイルを発射。北海道、青森県上空を飛翔し、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと見られており、日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて「国民保護に関する情報」を出した。

北朝鮮は10月1日や9日にもミサイルを発射しており、2週間で7回という異例の頻度になっている。

そんな中、ミサイル発射のニュース記事のコメント欄やTwitterなどでは、朝鮮学校やその児童・生徒らに中傷や差別発言が向けられている。

中には「朝鮮学校をつぶせ」「滅ぼすべき」「ミサイル一発ごとに朝鮮学校一校潰すくらいやろうや」などの悪質なヘイトスピーチもある。

「責任のない朝鮮学校の子どもたち、ターゲットに」

「外国人人権法連絡会」はこの事態に対し10月6日に声明を出した。

日本政府に対し、在日コリアンに対するヘイトスピーチやヘイトクライムを止める具体的な行動を求めた。

《これまでも同国との外交関係が悪化する度に、一切責任のない朝鮮学校の子どもたちがヘイトスピーチ、ヘイトクライムのターゲットとなってきました。危害を避けるため、校外で民族衣装の制服を着ることができないほど、すでに日本社会に差別が蔓延しています》

《民族、国籍などの属性で一括りにし、その属性を有する集団、個人を攻撃するのはヘイトスピーチ、ヘイトクライムであり、差別です》

《朝鮮学校に通う子どもたちをはじめとする在日コリアンは共に生きる社会の一員であり、民族、国籍などの属性を理由にして差別し、敵視し排除するヘイトクラムを私たちは決して許すことはできません》

「さらなるヘイトクライムが現実に起こりうる危険な状態」と警鐘

声明では続いて、各地で相次ぐ在日コリアンを標的としたヘイトクライムやヘイトスピーチについて言及した。

JR赤羽駅(東京都北区)では9月30日、駅ホームに掲示されていた横断幕に「朝鮮人コロス会」との落書きがされているのが見つかっている。

共同通信の報道によると、落書きを見つけたのは赤羽駅を利用する朝鮮学校の生徒だった。

今年4月には、在日コリアンらが通うインターナショナルスクール「コリア国際学園」(大阪府茨木市)に男が侵入し放火する事件が起きていた。

無職・太刀川誠被告(29)は同校構内に施入し、広場に置いてあった段ボール箱にライターオイルを染み込ませて、ガスバーナーで火をつけて床を焼損させ、建造物損壊などの罪で起訴されている。

外国人人権法連絡会は、このような事態が相次いでいる状況を受けて「さらなるヘイトクライムが現実に起こりうる危険な状態で、子どもたちは恐怖にさられています」と指摘。

日本政府や地方公共団体に対し、「直ちに朝鮮学校をはじめとする在日コリアンへのヘイトスピーチ、ヘイトクライムを許さないとの声明を出し、各地の朝鮮学校周辺の警備を強化するなど、危機が迫るヘイトクライムを止める具体的行動をとること」を強く要請した。