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報道ステーションCMに批判殺到→謝罪・取り下げ 「不快な思い、重く受け止め…」

報道ステーションが新しく公開したCMにSNS上などで批判が相次ぎ、報道ステーションは謝罪。CMの取り下げを発表しました。

テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」が3月22日、新しく番組のウェブCMを公開。SNS上などで「女性をバカにしている」「ひどいCM」などと批判が相次いだ。

SNS上での批判を受け、番組は3月24日に公式Twitterアカウントで謝罪。ウェブCMの取り下げを発表した。

問題となったCMの内容は…

番組は、公式Twitterに15秒版のCM、YouTubeチャンネルに30秒版をアップしていた。

「これは報道ステーションのCMです」。30秒版CMの冒頭、そんなテロップが表示される。

仕事から帰ってきた女性は、「ただいま」とテレビ通話の画面に向かって話しかける。

「リモートに慣れちゃってたらさ、ひさびさに会社行くと変な感じしちゃった」

「会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって」

「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的にかかげてる時点で、何それ。時代遅れって感じ」

「化粧水買っちゃったの。もう、すっごいいいやつ。それにしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね?」

「9時54分。ちょっとニュース見ていい?」

そして、最後に「こいつ報ステみてるな」と大きなテロップが出てCMは終わる。

若い女性は知識のない存在?

CMに対して、Twitter上では《「若くておバカそうな女の子が消費税が高くなったことを知っているのは報道ステーションのおかげ」と言いたいのか!》《若い女性を知識のない存在として位置づけている》といった批判の一方、《ジェンダーフリーを特別なことじゃなく、普通の価値観にしようと啓蒙するCMなのでは》との声もあがった。

作家の古谷経衡さんは《これって「ジェンダー平等など当たり前なのに、スローガン的に掲げるしかない政治状況」への揶揄・皮肉なんじゃないかな?この「政治家」は政権を指すと思うが、どうだろう》とツイート

ジャーナリストの治部れんげさんはTwitterで《この動画の問題は、男女平等がすでに達成されているという誤った理解に基づき、ジェンダー平等を目指して働いている人々をせせら笑っていること。また、笑う役割を若い女性にやらせて女性内部の対立を煽っていることです》と指摘した。

「不快な思いをされた方がいらしたことを重く受け止め」

Twitter: @hst_tvasahi

批判を受け、番組は24日昼、公式Twitterで謝罪文を掲載した。

《今回のWeb CMは、幅広い世代の皆様に番組を身近に感じていただきたいという意図で制作しました》

《ジェンダーの問題については、世界的に見ても立ち遅れが指摘される中、議論を超えて実践していく時代にあるという考えをお伝えしようとしたものでしたが、その意図をきちんとお伝えすることができませんでした》

《不快な思いをされた方がいらしたことを重く受け止め、お詫びするとともに、このWeb CMは取り下げさせていただきます》

YouTubeやTwitterに投稿されていたCM動画は、すでに削除されている。

メディア業界内でも問題となっているジェンダー平等

世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数で、日本は153カ国中121位。

女性社員や役員の少なさは、テレビ業界やメディアでも問題視されている。

民放、新聞、出版などマスメディア各社の労働組合でつくる連合会の発表(数字は昨年度)によると、在京テレビ局では女性従業員の割合は24.2%、課長級以上の割合は15.1%にとどまる。

役員・局長の女性比率は0もしくは非常に低く、コンテンツ制作部門(報道、制作、情報制作)の局長には女性はひとりもいなかった。

2月9日に開かれたこの調査に関する会見では、日本民間放送労働組合連合会の岸田花子・女性協議会副議長が「従業員の数と役員の数に乖離がある。作り手に多様性がないと、コンテンツにも影響してしまい、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が受け手に波及するおそれもある」と危機感を示していた。


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