「イラン」と聞くと、どんな風景や建物を思い浮かべますか?
いま、世界中の人たちがあるハッシュタグをつけて、イランの美しい建造物の写真をTwitterに投稿しています。
これはトランプ大統領が「イランが米軍基地などを攻撃した場合、イランやイラン文化において、とても重要な場所を含む52カ所を標的にする」とツイートしたことがきっかけ。
ハッシュタグ「 #IranianCulturalSites(イランの文化財)」が生まれ、人々は「イランの美しい文化財を攻撃するな」と、各国から写真を投稿しています。
イラン「美しい国」「破壊して良いはずない」
イラン南部中央に位置するシーラーズにあるアリー・エブネ・ハムゼ聖廟などの写真を投稿した、ちほさんはBuzzFeed Newsにこう語ります。
「多くの日本人にとって今のイランは遠い国かもしれませんが、一人でも多くの人に、イランという国の素晴らしさを知ってほしくてツイートしました」
ちほさんは一昨年、旅行でイランを訪れたそうです。ちほさんは「本当に美しくて、人は優しく、今まで行った国の中で一番素晴らしい国だと思いました」と話します。
「報復として、イランの歴史ある文化拠点を破壊して良いはずがありません」
「美しい故郷イランを世界に知ってほしい」
ハッシュタグを使った投稿は、旅行でイランを訪れた人々、各国に住むイラン人、そしてイランからも発信されました。
首都テヘランに住む、観光ガイドでフォトグラファーのオミッド・ショコーヒさん(@OmidShokoohi)は、イラン各地のモスクや遺跡の写真を投稿。
BuzzFeed Newsに「世界の人々に美しい故郷、イランを知ってほしい」と語ります。
ショコーヒさんは語ります。
「イランは、普段メディアを通じて世界のみなさんが見ているものとは少し違うかもしれません。世界の人々にぜひ、この美しいペルシャ文化を見てほしい」
「望んでいるのは『平和』」
1月3〜4日のTwitterのトレンドワードには「第三次世界大戦」「WWlll」などの言葉が並びました。
トランプ米大統領の命令で、米軍がイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官を空爆により殺害。両国の間で緊張が高まったことがきっかけです。
普段は、外国からイランに来る観光客を案内したり、通訳、写真撮影などを仕事にしているショコーヒさん。
「私が望んでいるのは『平和』。文明発祥の地とも言われる中東の平和を望んでいます」と話します。
「文化財の攻撃は戦争犯罪」
米国の元外交官も強く批判
トランプ大統領の発言に対しては、各方面から強い批判があがっています。
イラン核協議の交渉も担当した元外交官でハーバード大・ケネディスクールのニコラス・バーンズ教授は「大統領のイランの文化財を破壊するという脅迫は戦争犯罪にも値するもの」と指摘し、強く批判しました。